リーン製品開発の全体像 – 可視化ワークフロー管理

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技術マネジメント

 

 前回の「リーン製品開発の全体像 – 統合プロダクトチーム」に続けて解説します。

 

◆ チームのコミュニケーションを最適化

1. 管理の概要

 

技術マネジメント

 

 可視化ワークフロー管理は、上図のように2つのツールを統合したシステムです。スタンドアップミーティングとビジュアルプロジェクトボードから構成されます。

 この2つを組み合わせて、チームのコミュニケーションを最適化します。

 例えば、週に3回(月、水、金)の朝9時に、チームメンバーが集合し、立ってミーティングを行います。15分間だけです。そこで、ビジュアルボードを更新します。

 タスクや障害をトラッキングして、メンバーからその場でフィードバックをもらいます。あいまいさのない、効果的なコミュニケーションを実現するのです。

 

2. スタンドアップミーティング

 プロジェクトメンバー(10人程度)が集まり、立ったままでミーティングを行います。

 時間は短く、15分間だけです。そこでは、重要な問題(例外)にフォーカスします。

 発表者は持ち時間1分で、次の3点の質問に答えます。

  • 本日予定のタスクは完了したか?
  • 次のタスクは、予定通りか?
  • 障害は何か?

 議論が白熱したら、別のミーティングを設定しますが、メリットは次の3点です。

  • 緊急感が出てくる
  • 進む方向性やリソースの配置を、その場で補正できる
  • 学生症候群を回避できる

 学生症候群とは、やるべき仕事に時間的な余裕があると「後でやっても間に合う」と考え、締め切り間際に慌(あわ)てて片付けるといった行動特性です。ミーティングを頻繁に開催するので、次のミーティングまで時間に余裕はありません。

 

 スタンドアップミーティングの時間は、チームメンバーが「集まりやすい」時間帯を選びましょう。

 概要でもお話しましたが、週に2~3度、月、水、金曜日の朝9時から9時15分までといったように、朝一番で行うこ...

技術マネジメント

 

 前回の「リーン製品開発の全体像 – 統合プロダクトチーム」に続けて解説します。

 

◆ チームのコミュニケーションを最適化

1. 管理の概要

 

技術マネジメント

 

 可視化ワークフロー管理は、上図のように2つのツールを統合したシステムです。スタンドアップミーティングとビジュアルプロジェクトボードから構成されます。

 この2つを組み合わせて、チームのコミュニケーションを最適化します。

 例えば、週に3回(月、水、金)の朝9時に、チームメンバーが集合し、立ってミーティングを行います。15分間だけです。そこで、ビジュアルボードを更新します。

 タスクや障害をトラッキングして、メンバーからその場でフィードバックをもらいます。あいまいさのない、効果的なコミュニケーションを実現するのです。

 

2. スタンドアップミーティング

 プロジェクトメンバー(10人程度)が集まり、立ったままでミーティングを行います。

 時間は短く、15分間だけです。そこでは、重要な問題(例外)にフォーカスします。

 発表者は持ち時間1分で、次の3点の質問に答えます。

  • 本日予定のタスクは完了したか?
  • 次のタスクは、予定通りか?
  • 障害は何か?

 議論が白熱したら、別のミーティングを設定しますが、メリットは次の3点です。

  • 緊急感が出てくる
  • 進む方向性やリソースの配置を、その場で補正できる
  • 学生症候群を回避できる

 学生症候群とは、やるべき仕事に時間的な余裕があると「後でやっても間に合う」と考え、締め切り間際に慌(あわ)てて片付けるといった行動特性です。ミーティングを頻繁に開催するので、次のミーティングまで時間に余裕はありません。

 

 スタンドアップミーティングの時間は、チームメンバーが「集まりやすい」時間帯を選びましょう。

 概要でもお話しましたが、週に2~3度、月、水、金曜日の朝9時から9時15分までといったように、朝一番で行うことをお勧めします。昼食後すぐに行うのもいいですね。朝礼や昼礼を毎日開催しているようでしたら、その中に取り込んでもいいでしょう。

 

 次回に続きます。

 【出典】ピディアック株式会社 HPより、筆者のご承諾により編集して掲載
 【用語解説】リーン開発:製造業を中心に行われているリーン生産方式の考え方(リーン思考)を、開発に応用した手法。

 

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この記事の著者

西村 裕司

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