STP分析の効果的な使い方とは

1.STP分析とは

 STPは、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの頭文字をとったもので、これらの要素を検討して商品開発の戦略を考えようというフレームワークです。セグメンテーションと最初に書いてあるように、既に市場が存在する前提で考えることに特徴があります。

2.STPを新規事業企画段階で使う

 STPを使うパターンには2つあります。一つはアイデアを出そうとする場合であり、最初に市場・競合をセグメント化し、次にターゲットを決め、最後にターゲットに対する優位なポジションを取ろうします。そして二つ目は、アイデアを評価する場合で、この時は検証のためのツールとして使います。

 二つの使用パターンを説明しましたが、実際には検証のツールとして、あるいは、誤解を恐れずに言えば、聞こえの良い説明のために使う事が多いように思います。アイデア=仮説を出そうとする場合に、STPの順番通り行かない事も多いですし、セグメントに分ける時にある程度ターゲットやポジションが見えていないと、良い分け方ができないこともあるからです。順番どおりに進めると、ほぼ論理破綻するか、どんどん進めてしまって意味のない結論が出ることになります。セグメントに分けたのにターゲットが見えない、ターゲットがあいまいでポジション決められないという具合です。

 事業開発に使うか、商品開発に使うかと問われれば、後者のフレームワークです。ターゲットとポジションを具体的に考えると、どうしても商品単位に考えざるを得ないものです。

3.セグメンテーション

 セグメンテーションは非常に難しいものです。これがうまく出来たら、STPは終わったも同然です。なぜなら、市場を意味のある形で分解できるように、顧客が価値を感じる何かを特定する必要があるからです。特定するにはかなりの知見が必要です。この知見と結びついたセグメンテーションにこそ価値があり、簡単に分割しても意味のある結論は見いだせません。

 それでもセグメンテーションのコツをあえて言うならば、企画・計画する新規事業の戦略の単位を、会社単位、事業単位なのか、お店単位なのか、十分に反映させた粒度ですることです。またSTPの場合、ターゲットを絞ってポジションをとるということですから、セグメントもターゲットも小さな粒度で区切るのが向いています。もちろん大きな単位でも可能ですが、個人的に納得がいかない結論になることが多いように感じています。

4.ターゲティング

 セグメント化された図を見ると、ついつい空白の場所に市場がありそうな気がします。しかし実際にそうなのかは、実際市場に聞いてみないと分かりません。そういう意味では、ターゲットを予め絞っておかないとセグメントに分割できないというのは前述の通りです。

5.ポジショニング

 競合他社と違う価値を提供するのが差別化です。ポジショニングとは、他社と異なる価値を提供する差別化に他なりません。ポジショニングを決めようとすれば、ユーザーがどんな価値を感じて購買に向けて行動するかを知る必要がありますし、これに対して競合がどんな価値を提供しているのかを知る必要もあります。

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6.STP分析の効果的な使い方

 STP分析をステップごとに書きましたが、顧客の価値を感じる軸でセグメント分割し、空いている客層(ターゲット)を見つけ、それに対するポジションを決定するという順番通りに行かない事が多いのです。いいセグメンテーションをするためには、顧客ごとにどんな購買基準で買っているかを知っている必要がありますし、それを知ることができればSTPでも3Cでも戦略が出来ますし、合理的に説明が出来るのです。

 余談ですが、3C分析でもある程度の仮説がないと、効率の良い外部環境、内部環境分析は出来ないのですが、STP分析でも同じことが言えます。効率的な戦略立案という意味では、仮説が重要なのです。


この記事の著者

中村 大介

若手研究者の「教育」、研究開発テーマ創出の「実践」、「開発マネジメント法の導入」の3本立てを同時に実践する社内研修で、ものづくり企業を支援しています。

高収益を実現する研究開発・知財開発の仕組みづくりの専門家。 NEC退職後にベンチャー企業を設立。高粗利ビジネスを実現したものの、事業が模倣される。事業を模倣されて利益率が低迷した経験から弁理士試験にチャレンジし、苦節の末やっと合格。 …

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