クレーム処理 儲かるメーカー改善の急所101項(その51)

4、作業改善の基本

◆ クレーム処理

 クレームは火事と同じです。もちろん起こさないことが一番ですが、もし起きてしまったら消火が第一優先です。まずはお客様にお詫びして、代わりの商品をお届けしたり緊急の修理をしたりと、人海戦術でも何でも良いので一刻も早い対応が必要です。

 しかし問題はその後です。人海戦術で終わってはなりません。

 クレームの大半は品質に関する重大事であることが多いでしょう。「転んでもただでは起きない!」という強い意志を持ち、全社を挙げて改善を行うことが必要です。製造はもちろんのこと、営業や設計はじめ、購買、技術、管理、そして場合によっては人事や総務まで関わる全部門が現場・現物を前にとことん議論し、二度と同じ問題を発生させない強い決意と具体的な対応が必要です。“全体最適”の答えが求められているのです。

 クレームが発生すると、ほとんどの会社で対策会議が開かれると思いますが、そのうちの多くは会議室での報告になっているようです。しかし会議室で数字や憶測だけの原因追及だと臨場感もなく、思いつく対策も限られてしまうものです。私は常に現場・現物で話し合いを行って頂きたいと思っています。

 そして、クレームを営業任せの処理で終わらせたり、作業担当者の不注意が欠陥の原因だと厳重注意している会社もあるのですが、それではいつまでたっても根本対策に到達できません。クレームは人海戦術ではなく、仕組みの欠陥に手を打たない限り、絶対に解決しないものだと考えましょう。

今回の...

言葉   

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 クレームは、人海戦術では解決しない。
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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」

    日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

 

◆関連解説『生産マネジメントとは』

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