モノの積み方 儲かるメーカー改善の急所101項(その17)

2.モノづくり〈現場改善の基本〉

◆ モノの積み方

 モノがやたらに高く積み上っていて向こうが見えない工場と、そのような視線をさえぎるモノがなくて反対側までがスキっと見通せる工場、もしお客様が工場にお出でになったとしたらどちらの工場をより好ましいと思うでしょうか? 

 間違いなく後者の工場でしょう。目の前がモノでさえぎられて見えないということからくる圧迫感は嫌だし、何よりも地震が起きたら危ないと感じるようでしたら一時も早く工場から出たいと思われてしまいます。

 当たり前のことですが、目線より高くモノが積まれるとモノが人の身長より高くなるので、反対側より奥にあるモノはそこまでいかないと見ることができません。もし地震が起きて倒れてきたら下敷きになってしまうし、移動させるにも高く積んだままだと危ないので結局分けて運ぶという手間が増えます。

 そして何よりも働いている人同士で顔が見えないと意思疎通が悪くなってしまいます。これはとてもまずい…。

 狭くて置き場所が無いのだから高く積むのは仕方がないと思って納得してしまったらおしまいです。そもそもモノが高く積み上っているということは、部品在庫、中間在庫、材料在庫、それ以外のモノがそれだけ滞留している証拠です。そこに問題があると考えてください。

 「滞留」という現象は一人では解決できません。モノの買い方が早すぎないか?多すぎないか? 生産するロットサイズが大きすぎないか?小さくできないか? モノの運搬のタイミングと量が合っているか? 材料の品種を統合して減らせないか? ここには製造部門はもちろんですが、設計、営業、調達、技術、管理など多くの部門がかかわる...

ことになります。

 皆で在庫を減らして向こうが見える工場にしてお客様を驚かせてください。よろしくお願いします。

今回の言葉  

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 目線より高くモノを積むな。
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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」
日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

◆関連解説『生産マネジメントとは』

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