清掃・清潔の基準 儲かるメーカー改善の急所101項(その16)

2.モノづくり〈現場改善の基本〉

◆ 清掃・清潔の基準

 清掃や清潔のレベルは会社によって様々です。帰り間際の掃き掃除くらいしかしない工場もあれば、すべてのモノをピカピカに磨き上げて鏡のような状態を保つようにしている工場もあります。もちろん業種によっても清掃の必要度合いは大きく違います。生ものを扱う食品メーカーと機械加工メーカーとでは掃除の仕方に大きな違いがあるのは当然です。

 その結果、清掃・清潔の基準をどこに置けばいいのかで悩んでいる工場は結構多いようです。

 しかし、実はこの基準は全く難しくなく、とても簡単なのです。自分たちのお客様やこれからお客様になって頂きたい方々を工場にお招きする時に、自信をもってお迎えできるレベルが清掃の行き届いた清潔な工場であり、その状態が基準値です。

 お客様が工場を見て、「汚いな…」と思ったら受注は難しくなりますし、買い叩かれるかもしれません。そうならないように清掃が行き届いた清潔な状態にすることが必要です。

 私はカイゼンが目指す姿を表すときに「工場のショールーム化」という言葉をよく使います。

 お客様が工場に入るや否や、その工場で作られる製品の品質が良くて、納期が守れて、値段もリーゾナブルである理由が、いちいち説明されないでも見れば分かる状態を作ることです。ショールームというとその会社が作っている商品を展示する部屋というのが普通かもしれませんが、私が言うショールームはそれとは別の意味です。私のショ―ルームは工場そのものが商品であり、そこに入ると、その会社の技術力や管理力、そして働いている人たちの人間力がアピールされている場であるということです。

 そういう工場にして下さい。これからの時代は会社で働く人たち全員で自社の商品を売る体制が求められます。営業が商品を売るのに苦労していたら、工場にお客様を連れてきてもらって、工場という商品を見たお客様を感動させて、注文を下さる手助けをするのです。そして、その第一歩が清掃・...

清潔だと思うのです。

今回の言葉  

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 お客様を、自信をもってお迎えできるレベルを、清掃が行き届いた清潔な状態という。
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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」
日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

◆関連解説『生産マネジメントとは』

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