これまで設計業務30年の経験を集大成してみました。悪戦苦闘して自分なりのコツを見つけることも悪くありませんが、ベテランの話も参考にしてみてください。
1.管理とは、少ない人、物、金で最大限の成果を上げること
知識では無く、知恵を出し、工夫して、成果を上げる事が重要であり、知恵は知識が無いと出ないものです。
2.その道のプロになるには、芋ずる式情報入手方法で文献を調査すること
①その道の文献を一つ探せば、その文献の最後に参考文献が記載されていますから、それを又探せば芋ずる式に文献が出てきます。それを全部読めばプロになれます。他社特許も広く見るとアイデアのヒントが沢山有るものです。
②私の開発したディーゼルエンジン用ポンプの噴射系シミュレーション(水撃作用で圧力上昇する流れ解析)の精度は、世界一レベルである事を上記方法で証明しました。
3.仕事はポイントを明確化してから始めること
①仕事を始める前に、その仕事の重要ポイントを三項目挙げます。製品開発、会議、報告書、設計変更の評価項目も全て、ポイントをはずすと後で苦労します。
②ポイントの分からない人は、無駄な仕事が多く、リーダー管理者には不向きです。本筋を忘れ、枝葉をつつくと、進むべき方向を誤り、残業は増えるが、成果は上がりません。
4.常に、問題意識(好奇心)を持つこと
仕事のできる人ほど問題意識が鋭いものです。問題意識を持って仕事をすればするほど仕事は面白くなっていきます。いつでも「もっと何とかできないか」という意識で仕事にあたれば、良い知恵を思いつきます。
5.「できない」理由より、50点でも良い、「できる」方法を考えること
①できるようにするには、知恵を出す
②「できない」は誰でも言える
③送りたくない「言い訳人生」
仕事、テーマを与えられると、できない理由を並べて「できない」と威張って言う人がいます。自分の能力の無さを平気で言っているようなものです。100点で無くても50点で良く、出来るようになれば変わります。馬鹿とハサミは使いようと、出来ない理由を聞くのは重要で、改善ポイントが分かります。人間窮地に追い込まれないと、良い知恵、良い結果は生まれません。なかには、悪知恵ばかり働く人もいて、もう少し良い知恵の方に頭が回らないのかと思います。 事業部長に認められた、言い訳のうまいT室長が居て、納入先への言い訳があまりにも程度が低かった担当者が、もっとましな言い訳をT室長に聞いてこいと言われるほどでした。
6.「知らない」と言うのは恥だと思うこと
「知らない」と言うのは、自分の情報収集のアンテナが低かったのです。情報は取りに行くものであり、知らないのを口実に仕事しない人に将来性はありません。
7.一つ上の立場で判断すること
①判断力の無い人は、仕事も遅く、納期も守れない
②上司に相談する時は、「どうしましょう」でなく、「私はこう思う」と話す
昔ガソリン課長時代に、品質問題の監査改良会議(社長、重役出席)の他課との共同資料作成と、重要品質問題対策会議が重なった事がありました。当然、一つ上の立場の部長としては20万個/月生産品の不良品流出防止【1日対策が遅れると1万個の不良品が市場に流出】対策会議が優先であり、他課が主原因責任者でもあった監査改良会議検討は代理を出したら他課課長が口角泡を飛ばして怒っていました。一つ上の立場に立って判断できない人です。おまけに、重要品質問題の真の原因が分かっていないボンクラで、代理で出した人がちょっと調べたら、原因が分かってしまったというオチがついています。
8.窮すれば通ず
研究発表に関する私の経験ですが、社内研究発表の2週間前になっても、ある現象(ディーゼルポンプの...