非破壊・破壊検査による故障メカニズムの特定と再発防止に向けた解析プロセス

New

非破壊・破壊検査による故障メカニズムの特定と再発防止に向けた解析プロセス

【目次】

    製品の品質向上や信頼性確保において、不具合発生時の迅速かつ正確な原因究明は不可欠です。今回は、モジュールや電子部品の故障メカニズムを解き明かすための解析フローを解説します。解析は、検体を損なわない「非破壊検査」から着手し、必要に応じて内部を詳細に調べる「破壊検査」へと段階的に進めます。蓄積された知見と最新装置を駆使し、物理的・電気的根拠に基づいた真因を特定する一連の手順について解説します。

     

    1. 非破壊検査

    故障原因究明に向けて、まず非破壊検査で、外観検査、電気的特性検査、走査型電子顕微鏡(SEM)、マイクロフォーカスX線検査、X線CT検査、超音波探査(SAT)、ロックイン発熱解析(LIT)、過渡熱解析などの最適な解析を行っていく。

     

    非破壊・破壊検査による故障メカニズムの特定と再発防止に向けた解析プロセス

    図1 非破壊検査の手順例

     

    2. ...

    非破壊・破壊検査による故障メカニズムの特定と再発防止に向けた解析プロセス

    【目次】

      製品の品質向上や信頼性確保において、不具合発生時の迅速かつ正確な原因究明は不可欠です。今回は、モジュールや電子部品の故障メカニズムを解き明かすための解析フローを解説します。解析は、検体を損なわない「非破壊検査」から着手し、必要に応じて内部を詳細に調べる「破壊検査」へと段階的に進めます。蓄積された知見と最新装置を駆使し、物理的・電気的根拠に基づいた真因を特定する一連の手順について解説します。

       

      1. 非破壊検査

      故障原因究明に向けて、まず非破壊検査で、外観検査、電気的特性検査、走査型電子顕微鏡(SEM)、マイクロフォーカスX線検査、X線CT検査、超音波探査(SAT)、ロックイン発熱解析(LIT)、過渡熱解析などの最適な解析を行っていく。

       

      非破壊・破壊検査による故障メカニズムの特定と再発防止に向けた解析プロセス

      図1 非破壊検査の手順例

       

      2. 破壊検査

      実装基板の故障解析では故障部位(部品、プリント基板、接続部)までを行い、それが特定できればその部位の解析に移る。

      部品の場合には外観検査、電気特性、非破壊解析、開封(ディキャップ)、チップ表面観察、故障箇所特定、物理解析(断面観察・平面観察、および元素分析)と進み、故障原因を究明する。他の部位でもそれに準じた流れで行う。

       

      非破壊・破壊検査による故障メカニズムの特定と再発防止に向けた解析プロセス

      図2 LSI部品の故障解析例

       

      3. 故障メカニズムの推定

      製品の故障を非破壊検査、破壊検査を行い、電気的・物理的方法で回路を絞りこみ、部品(基板・接続)を特定し、故障情報とともに故障原因(メカニズム)を推定する。

      故障原因(メカニズム)を推定は、図3に示すように、知識と経験に基づく「考察・経験」や、解析に対する「知識・技能」、様々な解析に対応できる「装置・ツール」を駆使して行っていく。

      そして、故障解析結果から使用条件・環境条件・製造条件等に対する本質的対策を導き出し、実力確認・信頼性試験などの検証実験で確認する。

       

      非破壊・破壊検査による故障メカニズムの特定と再発防止に向けた解析プロセス

      図3 故障メカニズムの推定

       

      4. まとめ

      モジュールや部品のメカニズムを解析することで、トラブルや課題の原因究明をおこなうことが可能である。市場や実装工程で生じた部品の故障状況を把握し、電気特性の測定や様々な観察・解析をする事により故障原因の究明を行う。

      故障原因を追究するために、客観的評価解析の豊富な実績に基づきさまざまな調査を行う。実際に解析作業を行う前の発生状況を十分に調査し、故障内容を的確に把握したうえで、電気的特性検査および、多くの解析技術(化学的な検査など)を用いて故障のメカニズムを推定する。

       

      連載記事紹介:ものづくりドットコムの人気連載記事をまとめたページはこちら!

       

      【ものづくり セミナーサーチ】 セミナー紹介:国内最大級のセミナー掲載数 〈ものづくりセミナーサーチ〉 はこちら!

       

         続きを読むには・・・


      この記事の著者

      芥 正二郎

      民需向け情報通信機器の開発設計業務に約30年従事 その後、電子部品から電子機器のEMC/製品安全試験の評価と対策、信頼性評価/故障解析の業務に約13年従事

      民需向け情報通信機器の開発設計業務に約30年従事 その後、電子部品から電子機器のEMC/製品安全試験の評価と対策、信頼性評価/故障解析の業務に約13年従事


      「信頼性工学」の他のキーワード解説記事

      もっと見る
      製品設計においてアレニウスの式を活用するには

        【目次】   1.加速試験とアレニウスの式 プラスチックやゴム、接着剤などの有機材料は熱や水分などにより少...

        【目次】   1.加速試験とアレニウスの式 プラスチックやゴム、接着剤などの有機材料は熱や水分などにより少...


      ロバスト(robust)とは?評価手法は?品質工学分野のロバスト設計について解説

           この記事では、パラメータ設計(ロバスト設計)について、ロバストの意味と実施のための信頼性の考え方を解説します。 ◆関連...

           この記事では、パラメータ設計(ロバスト設計)について、ロバストの意味と実施のための信頼性の考え方を解説します。 ◆関連...


      設計業務のコツ8カ条

       これまで設計業務30年の経験を集大成してみました。悪戦苦闘して自分なりのコツを見つけることも悪くありませんが、ベテランの話も参考にしてみてください。 ...

       これまで設計業務30年の経験を集大成してみました。悪戦苦闘して自分なりのコツを見つけることも悪くありませんが、ベテランの話も参考にしてみてください。 ...


      「信頼性工学」の活用事例

      もっと見る
      部品機能の重要性 カーボンブラック工場の事例

       私は設備を安定稼働させるための機能は元々設備に組み込まれており、部品の機能を知る事が何よりも重要と考えています。その事例をひとつ紹介しましょう。 ◆関...

       私は設備を安定稼働させるための機能は元々設備に組み込まれており、部品の機能を知る事が何よりも重要と考えています。その事例をひとつ紹介しましょう。 ◆関...


      飛行機事故とセンサー・フィードバックの分布

         ボーイング 737 Max 8機が短い期間に2回の墜落死亡事故を起こし、多くの航空会社が同機種の運航を停止する事態となっています。多くの...

         ボーイング 737 Max 8機が短い期間に2回の墜落死亡事故を起こし、多くの航空会社が同機種の運航を停止する事態となっています。多くの...