TRIZ/USIT活用法 : 企業の要求と技術者がやるべきこと (その5)

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◆最高の結果をもっと早く手に入れたい方のためのTRIZ/USIT活用法:課題解決実践法-USIT

 
 
 

3 「課題解決実践法-USIT」のStep

 
 実際のUSIT の進め方を図3 に示します。この各Stepについて以下に述べます。
 
  USIT
                                図3 USIT の進め方 < そのステップ>
 

3.1 課題定義

 
 通常の技術問題は、複数の事象が絡み合っていることが多いが、USIT ではそれらを解きほぐして「一つの問題」に絞り込みます。一つに絞り込むことが出来ないときには、一つずつを複数回取り組みます。
 
 簡単なスケッチを描き、何を解決したいのか、その問題を引き起こしている原因の種(中核原因)は何かを探り、それを解決すれば本当にOK となる課題(中核課題)は何かを出します。課題定義がきっちり出来れば7 割方対策が出来たと言っても過言ではありません。
 

3.2 問題分析

 
 問題分析には下記の「現行システム分析法」と「理想モデル法」の2 つと、それに続く「時間 ・ 空間的特性分析」があります。現行システム分析法と理想モデル法はどちらか1 つだけでも良いが、両方を使った方がBest解を得易い。
 
○ 現行システム分析法
 
 現行システムの構成因子(モノ)と働き、およびモノが持っている性質を列挙する。現行システムの改良を行うアプローチに向いている。
 
○ 理想モデル法
 
 「理想解」を考えることからスタート。「こうありたい」「こうあってほしい」状況を列挙する。現行システムや明確なモデルが無い場合にも使える。 発想を広げやすい。
 
○ 時間・空間的特性分析
 
 問題の起こっている時間や空間を捉えることで、対処すべきタイミングや場所を考える。これにより解決策の方向の示唆が得られる。
 

3.3 解決策生成

 
 図4 にアイデアを出す視点を示します。
 
  USIT
                       図4 アイデア発想の視点-簡略版-
 
 【第一次アイデア発想】:下記3 つの方法を繰り返して用いる。
 
1)モノからの発想法:モノ(構成因子)を変える。  → モノを無くす/増やす/分割する など。
 
2)性質からの発想法:性質を変える。  → 性質を抑える/強調する/変える など。
 
3)機能からの発想法:機能(働き)を変える。  → 機能を抑える/追加する/分ける など。
 
 【第二次アイデア発想】:次の2 つの方法によってより良い多くの解決策を得る。
 
4)解決策の体系化による発想法
 上記で得られた解決策を体系化し、解決策の抜け/モレを補う。更に、一般的な解決策をより具体的な形にする。
 
5)解決策の組み合わせによる発想法
 各具体案を組み合わせて更に強力な解決策にする。または上位システムに移行させる。
 
 1)~ 5)によって、通常数百の解決策が生まれます。
 
 次回、その6では、3.4 優先順位の決定から解説します。
 
 
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◆最高の結果をもっと早く手に入れたい方のためのTRIZ/USIT活用法:課題解決実践法-USIT

 
 
 

3 「課題解決実践法-USIT」のStep

 
 実際のUSIT の進め方を図3 に示します。この各Stepについて以下に述べます。
 
  USIT
                                図3 USIT の進め方 < そのステップ>
 

3.1 課題定義

 
 通常の技術問題は、複数の事象が絡み合っていることが多いが、USIT ではそれらを解きほぐして「一つの問題」に絞り込みます。一つに絞り込むことが出来ないときには、一つずつを複数回取り組みます。
 
 簡単なスケッチを描き、何を解決したいのか、その問題を引き起こしている原因の種(中核原因)は何かを探り、それを解決すれば本当にOK となる課題(中核課題)は何かを出します。課題定義がきっちり出来れば7 割方対策が出来たと言っても過言ではありません。
 

3.2 問題分析

 
 問題分析には下記の「現行システム分析法」と「理想モデル法」の2 つと、それに続く「時間 ・ 空間的特性分析」があります。現行システム分析法と理想モデル法はどちらか1 つだけでも良いが、両方を使った方がBest解を得易い。
 
○ 現行システム分析法
 
 現行システムの構成因子(モノ)と働き、およびモノが持っている性質を列挙する。現行システムの改良を行うアプローチに向いている。
 
○ 理想モデル法
 
 「理想解」を考えることからスタート。「こうありたい」「こうあってほしい」状況を列挙する。現行システムや明確なモデルが無い場合にも使える。 発想を広げやすい。
 
○ 時間・空間的特性分析
 
 問題の起こっている時間や空間を捉えることで、対処すべきタイミングや場所を考える。これにより解決策の方向の示唆が得られる。
 

3.3 解決策生成

 
 図4 にアイデアを出す視点を示します。
 
  USIT
                       図4 アイデア発想の視点-簡略版-
 
 【第一次アイデア発想】:下記3 つの方法を繰り返して用いる。
 
1)モノからの発想法:モノ(構成因子)を変える。  → モノを無くす/増やす/分割する など。
 
2)性質からの発想法:性質を変える。  → 性質を抑える/強調する/変える など。
 
3)機能からの発想法:機能(働き)を変える。  → 機能を抑える/追加する/分ける など。
 
 【第二次アイデア発想】:次の2 つの方法によってより良い多くの解決策を得る。
 
4)解決策の体系化による発想法
 上記で得られた解決策を体系化し、解決策の抜け/モレを補う。更に、一般的な解決策をより具体的な形にする。
 
5)解決策の組み合わせによる発想法
 各具体案を組み合わせて更に強力な解決策にする。または上位システムに移行させる。
 
 1)~ 5)によって、通常数百の解決策が生まれます。
 
 次回、その6では、3.4 優先順位の決定から解説します。
 
 

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この記事の著者

三原 祐治

技術開発/課題解決のための最も強力なTRIZとその実践法であるUSITを用いて、試行錯誤を繰り返すことによるムダな時間と労力を費やさずに、短期間で最高の結果を手にしよう!

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