TRIZ/USIT活用法:企業の要求と技術者がやるべきこと (その2)

更新日

投稿日

◆最高の結果をもっと早く手に入れたい方のためのTRIZ/USIT活用法

 
 
 

2 技術者がやるべきことは何か

 
 技術者研究者がそれぞれの分野の知識・経験を「ある程度」持っていることは必要です。しかし電気工学とか高分子化学とかいった知識を十分に持っていれば、新しい電気製品や新しいプラスチック製品が生まれるわけではありません。しかも、一般に技術者は次の表1 のような性格を持っています。
 
                   表1.技術者研究者が持っている性格
                        TRIZ
 
 これらのすべての項目が技術者研究者の全員に当てはまるとは限らないが、程度の差はあるにせよ大半の項目が適合していると思われます。どの項目も一面から見ると決してまずいものとは限らないが、別の面から見ると好ましくないことでもあります。技術者研究者というのは自分を含め、上司も部下も同僚も表1のような性格を持っていると考えるべきです。
 
 実際に課題を解決しようとすると技術者は図2に書かれたような悩み・迷いを持ちながら、課題を達成しようと「頑張り」ます。
 
                               TRIZ
                        図2.課題解決の進め方の悩み
 
 技術者研究者は表1のような性格を持っていて、しかも図2のような進め方の悩みをかかえているということを前提として課題を解決するにはどうしたらよいか、と言うと、それには技術者研究者が科学的な創造的思考方法を身につけてそれを利用していくしかありません。
 

・あなたの「ガンバリ方」を変える

 
 それぞれの分野の知識・経験を一杯身につけても新しい技術や商品はなかなか生まれないし、竹槍を持って精神力で頑張って敵と戦っても勝てません。自分の持っている知識(固有技術)だけでなく、すでに知られている技術を利用する(管理技術)こと、また自分を含めた周囲との組織的な活動(人と組織のマネジメント)が求められるのです(図3)
 
                                 TRIZ
                       図3.技術者に必要な素養
 
 しかし、すでに知られている技術を利用すると言っても情報が洪水のごとくあふれている現在、むやみに情報を集めても役に立たないどころか混乱に拍車をかけるだけです。上手に利用するためには、解決の「方向」を見据えて、考える「道筋」を手に入れてアイデアを生み出す方法を身につけることが必要です。
 
 そのような方法とはどういうものかを次回のその3で解説します。次回は、最高の解決策を短時間で手に入れるです。
 
 
...

◆最高の結果をもっと早く手に入れたい方のためのTRIZ/USIT活用法

 
 
 

2 技術者がやるべきことは何か

 
 技術者研究者がそれぞれの分野の知識・経験を「ある程度」持っていることは必要です。しかし電気工学とか高分子化学とかいった知識を十分に持っていれば、新しい電気製品や新しいプラスチック製品が生まれるわけではありません。しかも、一般に技術者は次の表1 のような性格を持っています。
 
                   表1.技術者研究者が持っている性格
                        TRIZ
 
 これらのすべての項目が技術者研究者の全員に当てはまるとは限らないが、程度の差はあるにせよ大半の項目が適合していると思われます。どの項目も一面から見ると決してまずいものとは限らないが、別の面から見ると好ましくないことでもあります。技術者研究者というのは自分を含め、上司も部下も同僚も表1のような性格を持っていると考えるべきです。
 
 実際に課題を解決しようとすると技術者は図2に書かれたような悩み・迷いを持ちながら、課題を達成しようと「頑張り」ます。
 
                               TRIZ
                        図2.課題解決の進め方の悩み
 
 技術者研究者は表1のような性格を持っていて、しかも図2のような進め方の悩みをかかえているということを前提として課題を解決するにはどうしたらよいか、と言うと、それには技術者研究者が科学的な創造的思考方法を身につけてそれを利用していくしかありません。
 

・あなたの「ガンバリ方」を変える

 
 それぞれの分野の知識・経験を一杯身につけても新しい技術や商品はなかなか生まれないし、竹槍を持って精神力で頑張って敵と戦っても勝てません。自分の持っている知識(固有技術)だけでなく、すでに知られている技術を利用する(管理技術)こと、また自分を含めた周囲との組織的な活動(人と組織のマネジメント)が求められるのです(図3)
 
                                 TRIZ
                       図3.技術者に必要な素養
 
 しかし、すでに知られている技術を利用すると言っても情報が洪水のごとくあふれている現在、むやみに情報を集めても役に立たないどころか混乱に拍車をかけるだけです。上手に利用するためには、解決の「方向」を見据えて、考える「道筋」を手に入れてアイデアを生み出す方法を身につけることが必要です。
 
 そのような方法とはどういうものかを次回のその3で解説します。次回は、最高の解決策を短時間で手に入れるです。
 
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

三原 祐治

技術開発/課題解決のための最も強力なTRIZとその実践法であるUSITを用いて、試行錯誤を繰り返すことによるムダな時間と労力を費やさずに、短期間で最高の結果を手にしよう!

技術開発/課題解決のための最も強力なTRIZとその実践法であるUSITを用いて、試行錯誤を繰り返すことによるムダな時間と労力を費やさずに、短期間で最高の結...


「TRIZ」の他のキーワード解説記事

もっと見る
魅力ある商品コンセプトは抽象化思考力を磨け!より大きなシステムの価値観を見据える

1.はじめに  オンリーワンの魅力ある商品やサービスを創出することは、永遠のテーマです。そのため、お客様の心の琴線を響かせるコンセプトが必須です。コンセ...

1.はじめに  オンリーワンの魅力ある商品やサービスを創出することは、永遠のテーマです。そのため、お客様の心の琴線を響かせるコンセプトが必須です。コンセ...


TRIZにおける究極の理想解

1. 理想性とは  TRIZツールの一つとして、究極の理想解(IFR:Ideal Final Result)があります。本来その概念は、質量も空間もエネ...

1. 理想性とは  TRIZツールの一つとして、究極の理想解(IFR:Ideal Final Result)があります。本来その概念は、質量も空間もエネ...


TRIZ(発明問題解決の理論)の紹介 (その3)

 前回のその2に続いて解説します。TRIZのエッセンスは何か、 この質問は、われわれがTRIZを学ぶために最も基本的で重要なものです。TRIZには、多数の...

 前回のその2に続いて解説します。TRIZのエッセンスは何か、 この質問は、われわれがTRIZを学ぶために最も基本的で重要なものです。TRIZには、多数の...


「TRIZ」の活用事例

もっと見る
TRIZ を使用した DfSS事例 (その2)

   前回のその1に続いて解説します。   5. D/O(Design and Optimize/設計と最適化)フェーズ &n...

   前回のその1に続いて解説します。   5. D/O(Design and Optimize/設計と最適化)フェーズ &n...


QFD-TRIZ-TMの連携適用による高速2ポートバルブの開発 (その2)

【QFD-TRIZ-TMの連携適用による開発事例 連載目次】 QFD-TRIZ-TM連携適用の狙い 顧客要求の本質を的確に発見し、顧客満足度に...

【QFD-TRIZ-TMの連携適用による開発事例 連載目次】 QFD-TRIZ-TM連携適用の狙い 顧客要求の本質を的確に発見し、顧客満足度に...


自動車部品メーカーの「待ち受け型から提案型製品開発」への転換~QFD-TRIZの活用

※画像はイメージです  今回はステアリングシャフトやドアヒンジなどの輸送用機器メーカーで2015年からTRIZを活用した技術課題解決力の強化、シーズ...

※画像はイメージです  今回はステアリングシャフトやドアヒンジなどの輸送用機器メーカーで2015年からTRIZを活用した技術課題解決力の強化、シーズ...