
Roll To Roll製造における工程技術の基礎と実践的アプローチ
§1.Roll to Roll 塗工技術の基礎と実践的アプローチ
§2.Roll to Roll 乾燥技術の基礎と実践的アプローチ
§3.Roll to Roll 搬送技術の基礎と実践的アプローチ
塗工・乾燥・搬送の各スペシャリストによる【講師3名】の実践的セミナー!
※オンライン会議アプリZoomを使ったWEBセミナーです。ご自宅や職場のノートPCで受講できます。
【アーカイブ配信:12/11~12/23】での受講もお選びいただけます。
セミナー趣旨
世の中に溢れる機能性フィルムはRollToRoll工程で生産されるが、その重要要素である塗工は流体力学、乾燥は伝熱工学、搬送は機械工学を基礎とするので全般的に理解するのが大変で、手頃な教科書も少ない。本セミナーでは塗工・乾燥・搬送の専門家が要点を解説し勘所をお伝えする。
<第1講>
乱立する塗工方式の各々の特徴と長短所を整理した上で、各塗工方式(スロット塗工、ブレード塗工、グラビア塗工、バー塗工)の長所を最大限に発揮する方法を解説する。
塗工の参考書や論文は数式の羅列で難しく、製造現場ではノウハウ過ぎる結果、塗工技術は身に着けにくい分野になりがちだが、本講ではイメージを掴めるよう、数式を最小限にとどめ、演習により初学者にも解りやすく解説する。
<第2講>
乾燥現象は、濡れた布が乾くといった、非常に身近な現象であるが、大学の講義で学ぶ機会はほとんどない。おそらく、これは、大学を卒業した後に、乾燥を取り扱う業務に携わる技術者が限られているということ、そして、乾燥現象が、伝熱工学といった機械的な側面と、物体内の性状といった化学的な側面の両方を合わせ持っていることによるものと思われる。
一方で、Roll to Rollの薄膜コーティングを取り扱うと、製品の品質や、生産性、エネルギー消費に大きく影響を及ぼすものが乾燥工程であるにもかかわらず、Roll To Rollの薄膜コーティングにおける乾燥についての、体系化された書籍はほとんどない。したがい、これらの業務に携わる技術者が乾燥について学ぶためには、様々な書籍等から必要な情報を得る必要があった。
本セミナーでは、Roll To Roll薄膜コーティングの技術者向けに、乾燥工程の技術情報を体系的に網羅させ、実際の業務に反映できる内容としている。
<第3講>
フィルムメーカー・コンバーター・機械メーカーでウェブハンドリングにかかわる技術者、現場の問題を理論化・解決したい技術者、特にウェブハンドリングの初学者から中堅までの幅広い層を対象とした内容です。
講師が現場で培った知見を織り交ぜ、ウェブハンドリング技術を現場で応用できるようわかりやすく解説します。
習得できる知識
・Roll To Roll製造の三要素(塗工・乾燥・搬送)のツボを理解できる
・塗工乾燥搬送の工程技術における専門家が初学者が分かるよう噛み砕いて解説
<第1講>
・各種塗工方式の限界現象と塗工可能速度と厚み
・塗工方式を選定する際の長短所
・スケールアップにおける留意点
・Roll-to-Roll製造におけるトラブル対策と安定化施策
<第2講>
・Roll To Roll製造における乾燥現象の考え方
・乾燥工程の設計方法
・乾燥炉長の見積り方
・乾燥設備種類による違いと特徴
・乾燥設備の省エネ
・乾燥設備に関するトラブルシューティング
<第3講>
・ウェブハンドリング技術の基礎と全体像
・フィルム搬送の原理
・性能の良いローラの選定方法
・しわの原因と防止方法
・巻取問題への実践的なアプローチ手法
セミナープログラム
第1部 Roll to Roll 塗工技術の基礎と実践的アプローチ
<浜本氏>
1.はじめに
1-1 フィルムが利用されている製品と構成要素 ~厚みと層数~
1-2 塗る~溶かした液を塗る(Dry厚とWet膜厚)
1-3 Wet塗布量の決め方
1-4 塗工方法の比較(三種しかないダイ方式
1-5 実験室とRoll to Rollの違い
1-6 開発と要因変更、異なるアプローチ
2.スロット塗工
2-1 スロットダイの構成と部品
2-2 給液方法・ダイヘッドの設置角度
2-3 薄塗りと厚塗り
2-4 薄塗りスジ限界と最小膜厚 (Ca数との関係)
2-5 Couette-Poiseuille流
2-6 リップ形状(厚塗りと薄塗り)
2-7 厚塗りの操作と背面減圧しない操作方法
2-8 テンションド・ウェブ方式
2-9 リップ形状と塗布性
2-10 重層塗工
3.ブレード塗工(コンマ・コーター)
※コンマコーターはヒラノテクシードの商標
3-1 ブレード塗工の分類(ナイフ・スティッフ・ベント)
3-2 コンマ・コーターの特徴
3-3 ナイフ型ブレードの塗工厚み
3-4 コンマロールたわみ
3-5 液ダム内の流動とバックプレート
4.グラビア塗工
4-1 ダイレクト方式(正転)
4-2 リバース方式(逆転)
4-3 キスリバース方式(バックアップなし)
4-4 ドクターチャンパー方式(密閉型)
4-5 ダイレクト方式の液だまり(ギャップと粘度)
4-6 ダイレクト方式の膜分断(渦と周速比)
4-7 リブ発生条件(ダイレクトの場合)
4-8 セルの過充填と部分充填
4-9 ドクターブレード当て角・形状・押し圧と膜厚
4-10 端部の厚塗り対策
5.ワイヤーバー塗工
5-1 塗工部(ワイヤー有無)
5-2 実験室の手引きバー
5-3 回転の塗布量への影響は?
5-4 塗工量の計算値と公知データ
5-5 レベリング
5-6 塗布直後のレベリング
5-7 可視化実験
5-8 スジ限界速度の見積もり
第2部 Roll to Roll 乾燥技術の基礎と実践的アプローチ
<工藤氏>
1.RollToRollの乾燥
1-1 乾燥に及ぼす外的因子・内的因子
1-2 乾燥特性曲線とは
1-3 減率乾燥
1-4 乾燥設備の種類と特徴
2.熱風乾燥と熱伝達率
2-1 熱伝達率とは
2-2 熱伝達率と物質伝達率の関係
2-3 物質伝達率と乾燥速度の関係
2-4 有機溶剤の飽和蒸気圧の見積り方
2-5 各種設計・運転パラメータと熱伝達率の関係
3.赤外線乾燥
3-1 赤外線の種類
3-2 近赤外線加熱の特徴
3-3 中赤外線加熱の特徴
3-4 遠赤外線加熱の特徴
3-5 赤外線の波長制御技術とその特徴
3-6 放射率と形態係数
3-7 赤外線分光透過率
3-8 赤外線加熱による入熱量の推定
4.乾燥炉長を推定してみよう
4-1 乾燥に最適な炉長はどう決める?
4-2 ノズルの条件を変えて、乾燥炉長を推定してみよう
5.乾燥設備のトラブルシューティング
5-1 乾燥設備のトラブル事例
5-2 ノズル内速度勾配はなぜ起きる?
5-3 ノズル速度勾配解消方法
6.乾燥システムの設計と省エネルギー
6-1 乾燥熱源の種類と特徴
6-2 水性溶剤の乾燥と除湿空気の関係
6-3 除湿空気の作り方
6-4 水性塗工の生産性を高めるには
6-5 VOCの測定方法・検知方法
6-6 VOC濃度コントロールシステム
6-7 VOC濃度と乾燥効率の関係
7.乾燥設備に関する国内法規
7-1 VOC濃度管理
7-2 乾燥設備の防爆
7-3 排出ガス規制
8.VOCの処理技術
8-1 VOCの処理方法と特徴
第3部 Roll to Roll 搬送技術の基礎と実践的アプローチ
<藤本氏>
1.フィルムを知る
1-1 物性の話(ポアソン比、フックの法則、「こし」と曲げ剛性)
1-2 フィルムを測る(温度・速度・摩擦係数)
1-3 空気は巻き込むもの(フィルム~ローラ間の摩擦が変わる)
2.フィルムの搬送
2-1 Normal Entry Rouleとトラクション
2-2 マイクロスリップとローラ選定の基本
2-3 スピンダウンテストからベアリングの摩擦係数計算まで
2-4 スリップを予測し防止するには
2-5 しわ対策(スパン短縮と拡幅)
3.巻取
3-1 内部応力の簡便な測定と結果の解釈
3-2 困ったときのコア大径化
4.張力制御の基本
5.ためになる参考書
スケジュール
10:30~12:00 第1講
12:00~13:00 休憩
13:00~14:30 第2講
14:30~14:45 休憩
14:45~16:15 第3講
キーワード:
ロールツーロール,塗工,乾燥,搬送,フィルム,ウェブハンドリング,WEBセミナー
セミナー講師
第1講:Andan TEC 代表 浜本 伸夫 氏
第2講:(株)熱ラボ 代表取締役 工藤 裕二郎 氏
第3講:技術コンサルタント 藤本 清二 氏
<浜本氏 講師紹介>
塗工~乾燥を中心としたRoll To Roll工程開発が専門、2021年から加工技術研究会コンバーテック誌の連載記事や展示会レポ、ウェブセミナー講師などで活躍中。
1968年 札幌生まれ。
1992年 北大 工学部 合成化学工学専攻 修士修了
同 年 富士写真フィルム 塗工を中心としたフィルム生産工程業務に従事
2007年 同 社 フラットパネル生産部 主任技師(管理職)
2013年 サムスン電子 総合技術院 素材開発センター 主席研究員 新素材開発に従事
2019年 栗村化学 工程開発チーム長 粘着フィルム・離型フィルム等の工程開発
2021年 米国 Zymergen社 シニアマネージャー バイオ由来ポリイミド開発
2022年 ミドリ安全 商品開発部 ジェネラルマネージャー ニトリルゴム手袋開発
2023年 AndanTECとして執筆・講演・コンサル業を開始
(ウェブサイト https://www.andantecodawara.com)
<工藤氏 講師紹介>
専門:乾燥設備の設計・開発・コンサルティング
1984年 山口県生まれ
2008年 九州大学大学院 工学府 機械科学専攻 修士課程修了
同 年~ 千代田化工建設(株)にて、プラント用熱設備の設計・エンジニアリング業務に従事
2021年~ 熱技術開発(株)開発課 課長職にてRoll To Roll乾燥設備の設計・開発業務に従事
2025年~ (株)熱ラボ 代表取締役 Roll To Roll乾燥設備のコンサルティング
技術士 機械部門(熱・動力エネルギー機器)
エネルギー管理士(熱・電気)
エネルギー診断プロフェッショナル
<藤本氏 講師紹介>
・1973年より住友化学にて合成樹脂や機能性フィルムの製造プロセスに従事したのち、
2006年より大倉工業にてフィルム加工プロセスのR&Dに従事しながら技術教育を担当。
専門は様々な製造プロセスの解析・設計とスケールアップ。
2014年には東海大学より博士(工学)の学位を取得した。
現在はウェブハンドリング技術研究会の特別会員として技術記事の投稿や講演による技術者の育成に熱意を持つ。
コンバーテック誌に「技術者のための実践的スケールアップ論」を連載中。
セミナー受講料
55,000円(税込、資料付)
■ 会員(案内)登録していただいた場合、通常1名様申込で55,000円(税込)から
・1名で申込の場合、46,200円(税込)へ割引になります。
・2名同時申込で両名とも会員登録をしていただいた場合、計55,000円(2人目無料)です。
・3名以上での申込は1名につき27,500円
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- セミナー資料は開催前日までにお送りいたします。
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受講料
55,000円(税込)/人