
航空分野でもCO₂排出削減の動きが加速。注目の「SAF(持続可能な航空燃料)」を軸に、制度・技術・環境価値の最新動向と今後の展望を解説します。
セミナー趣旨
脱炭素に向けた取組が加速化する中、削減困難な分野と思われていた航空輸送についても、大きく削減に向けて動き出している。その中心となるのが、燃料からの排出量を大幅に削減する持続可能な航空燃料「SAF」であり、利用を促す制度やそれを前提とした生産、利用が始まっている。また、SAFは従来のジェット燃料と同様に利用できるものの高価という課題があり、環境価値を別途流通することも試みられており、注目すべき先行事例となっている。
ここでは、SAFの概要や種類、技術、持続可能性や導入見通し等とともに、環境価値の取り扱いの考え方や、SAF以外の輸送用燃料での脱炭素化の動向等を解説する。
必要な予備知識
■本テーマ関連法規・ガイドラインなど
CORSIA、持続可能性認証スキーム、エネルギー供給構造高度化法、航空法
習得できる知識
・SAFの概要を把握すること
・脱炭素化に向けたSAFの意義や活用可能性を把握すること
・環境価値の考え方を理解すること
・輸送用の脱炭素燃料についての基礎的知識を得ること
セミナープログラム
1.SAF
1) SAFの概要
a) SAFとは
b) 燃料の性質
c) 原料
d) 製造技術
e) 品質基準(ASTM)
f) 持続可能性認証
2)航空輸送における脱炭素の取組
a) 取組の全体像
b) 国際目標及び国内目標
c) 国際的な脱炭素の枠組み「CORSIA」
d) 国内の航空輸送に対する枠組み
e) 燃料供給者側の取組
f) SAF導入に関する様々な制度
g) SAFの導入状況と見通し
3)SAFの環境価値
a) 環境価値とは
b) 環境価値を必要とする社会ニーズ
c) 環境価値の評価の現状と今後
d) 環境価値を利用するインフラ整備の進展
2.その他の輸送分野の脱炭素燃料
1) 自動車
a) 導入政策
b) 主な燃料:ガソリン代替(バイオエタノール、e-fuel等)、軽油代替(BDF、HVO等)、水素
2) 船舶
a) 導入政策
b) 主な燃料:アンモニア、水素、バイオ燃料
3.課題と今後の展望
*途中、小休憩を挟みます。
■講演中のキーワード
SAF、CORSIA、ICAO、ASTM、CEF
セミナー講師
株式会社三菱総合研究所 エネルギー・サステナビリティ事業本部 主席研究員 永村 知之 氏
■ご経歴
1997年3月 東京大学大学院工学系研究科(航空宇宙工学専攻)修了
1997年4月 三菱総合研究所入社
■ご専門および得意な分野・ご研究
気候変動対策、温室効果ガス排出量の評価、環境価値の評価、バイオ燃料
セミナー受講料
1名36,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき25,300円
*学校法人割引:学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
- 感染拡大防止対策にご協力下さい。
- セミナー会場での現金支払いを休止しております。
- 新型コロナウイルスの感染防止の一環として当面の間、昼食の提供サービスは中止させて頂きます。
- 配布資料は、当日セミナー会場でのお渡しとなります。
- 希望者は講師との名刺交換が可能です。
- 録音・録画行為は固くお断り致します。
- 講義中の携帯電話の使用はご遠慮下さい。
- 講義中のパソコン使用は、講義の支障や他の方の迷惑となる場合がありますので、極力お控え下さい。
場合により、使用をお断りすることがございますので、予めご了承下さい。(*PC実習講座を除きます。)
受講料
36,300円(税込)/人
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