
リチウムイオン電池の電極製造における間欠塗工・乾燥・スラリー分散技術-製造現場の課題解決に向けた理論と現場ノウハウ-
リチウムイオン電池の間欠塗工について、各社の特許事例をもとに各方式の特徴と仕組みを解説します! スラリーの分散技術や塗工後の乾燥等、リチウムイオン電池の電極基材製造の全般を網羅!
セミナー趣旨
リチウムイオン電池の電極量産工程で汎用の間欠塗工方式は、各メーカーの独自開発で進化してきたため、体系的に整理した解説は少ないです。しかし共通課題への対策は共通しており、間欠塗工全般を俯瞰した整理に価値があります。本セミナーでは、各社の特許事例を基に間欠塗工の変遷と各方式の特徴と仕組みに併せ、塗工後の乾燥、塗工スラリーの分散技術も解説し、リチウムイオン電池の電極基材製造の全般を解説します。これらの「理論」 と「現場ノウハウ」をバランスよく知ると、より良い製品を作りやすくなります。このセミナーでは、各項目で現象イメージ作りを助ける演習ツールも用意し、LiB新製品の開発や製造現場の課題解決を全方位的にサポートします。
習得できる知識
リチウムイオン電極の間欠塗工におけるRoll To Roll製造方法 スロット塗工やコンマ塗工の考え方、塗工設備の設計方法、
各種塗工方式の違いと特徴、乾燥、スラリー分散など
セミナープログラム
1. リチウムイオン電池塗工の概要
1-1. フィルムが利用されている製品は?
1-2. フィルム部材の役割り
1-3. 性能の変遷(半導体)
1-4. 性能の変遷(リチウムイオン二次電池)
1-5. リチウムイオン二次電池の構成
1-6. 正負電極の塗工方法 (間欠塗工)
1-7. リチウムイオン電極の塗工ライン
2. 特許に学ぶ間欠塗工の変遷
2-1. 初期の電極製造(直交貼り合わせ方式)
2-2. 初期の電極製造(マスキング)
2-3. 初期の間欠塗工(開閉ブレード)
2-4. コンマロール着脱方式
2-5. コンマロール断続回転方式
2-6. スロット間欠方式(流量・ギャップ可変)
2-7. スロット沈降対策
2-8. スロット端部厚み調整
2-9. コッタによるギャップ調整
2-10. 塗り切り厚み調整(ギャップ法)
2-11. 厚塗り対策エア噴射
2-12. マニホールド・リターン
2-13. ポンプ・バルブ法
2-14. ピストン開閉法
2-15. 回収バルブ遅延方式
2-16. 開閉バルブ圧力制御方式
2-17. バルブ弁・ギャップのハイブリッド方式
2-18. 背面減圧
2-19. 背面減圧とエッジ分布
2-20. 減圧の安定化(バッファとオリフィス)
2-21. 基材サクション
2-22. バックアップサクション
2-23. 逆転スロット
2-24. 表裏厚み分布
2-25. 表裏の塗り位置同期
2-26. 表裏の塗り位置同期
2-27. 表裏の塗り位置ズラシ
2-28. 両面塗工の基材エア保持
2-29. 両面塗工の塗工安定板
2-30. 圧延クラウンローラー
2-31. 加熱プレス分布によるカール補正
3. スロット塗工方式の概説
3-1. 塗工方式に分類(ダイ方式は3種類のみ)
3-2. 実験サンプルとRoll To Roll生産の違い
3-3. 塗工液濃度の決め方と適した塗布方法
3-4. Roll To Rollのスロット塗工設備
3-5. ダイヘッドの向きは?
3-6. 薄く塗る時、厚く塗る時
3-7. 流れイメージに役立つCouette-Poiseuille流
3-8. Poiseuille流
3-9. Couette流とPoiseuille流のバランス
3-10. スロットダイのCouette-Poiseuille流
3-11. ビード内の剪断速度
3-12. 剪断速度のオーダー
3-13. 背面減圧しない操作方法
3-14. 塗付けの流動
3-15. マニホールド構造
3-16. ダイ内の流れ
3-17. 円管・マニホールド・スロットの流動
3-18. マニホールド断面形状と幅流量分布
3-19. テーパー・スロットによる幅分布補償
3-20. 幅分布を均一化するために
3-21. シムとエッジの厚塗り
3-22. 超硬スロットダイ(M)
3-23. ギャップの見積もり
3-24. Coating Window
3-25. 間欠塗工のビード流動 (物質収支・ギャップ制御・流量制御)
3-26. ビード流動の数値解析(FVMと粒子法シミュレーション)
3-27. テンションド・ウェブ方式(TWOSD、張力バランス、ギャップ、Lip形状)
3-28. 同時重層の考え方 (粘度バランス・界面位置・流量~粘度バランス)
3-29. コーティングロールのギャップ変動
4. コンマ塗工方式の概説
4-1. ブレード塗工の分類(ナイフ・スティッフ・ベント)
4-2. コンマ・コーターの特徴
4-3. ナイフ型ブレードの塗工厚み
4-4. ナイフ型ブレードの塗工厚み計算(Couette・潤滑理論・近似解)
4-5. コンマロールたわみ
4-6. 液ダム内の流動とバックプレート
5. 乾燥のツボ … 設備・乾燥時間・膜質再現の考え方
5-1. 乾燥現象の支配因子
5-2. 乾燥方式と乾燥能力
5-3. 乾燥効率の支配因子 (噴流)
5-4. 多孔板と二次元ノズル(軸対象とスリット)
5-5. 溶媒の寄与 (水と他の溶媒の比較)
5-6. 塗膜の表面温度は湿球温度 (空気線図)
5-7. 各溶媒の空気線図
5-8. 他の溶媒との違い ~ 飽和蒸気圧・蒸発潜熱
5-9. 物質と熱の拡散(ルイス数)
5-10. 飽和蒸気圧の温度依存性 (アントワンの式)
5-11. アントワンの式による推算例 (NMP, DMF, DMA, DMSO)
5-12. 有機溶剤系のガス濃度:爆発下限界(Lower Explosive Limit)基準
5-13. LEL基準ガス濃度による膜面温度の見積もり (NMP, DMF, DMA, DMSO、メタノール)
5-14. 定率期間と減率期間
5-15. 減率乾燥速度
5-16. 簡易計算法(乾燥係数 N=1/2~2/3)
5-17. 膜内の溶媒移動
5-18. 減率乾燥を実測で見積もる方法
5-19. 調湿時の含水率履歴
5-20. 凝集系の乾燥
5-21. 乾燥過程の粘弾性変化
5-22. 分散系の乾燥(偏析・沈降・凝集)
5-23. 分散粒子の偏析(蒸発と沈降の競争)
5-24. 赤外線と熱風の比較
5-25. 近赤外線波長制御ヒータ(NIR型)
5-26. 赤外線乾燥炉の特許事例
6. スラリーの分散
6-1. 原材料を膜にするプロセス
6-2. スラリーの分散度
6-3. カーボン・ブラックの分散は一次粒子に留める
6-4. スラリー内の素材がレオロジーに及ぼす影響
6-5. 分散度とレオロジー(静電反発・バインダーによる分散)
6-6. 水系ではイオンが静電反発を阻害し構造粘性化
6-7. レオロジーのヒステリシスと経時増粘
6-8. 混合・分散設備
6-9. 攪拌方式と混合度
6-10. タンク形状・サイズと混合度
6-11. 混錬方法(ニーダーとプラネタリーミキサー)
6-12. 混錬(バッチ/連続)とパドル形状
6-13. 混錬パドルのWD形状
6-14. 二軸連続式混錬機
6-15. 二軸連続式混錬機(負極)
6-16. 二軸連続式混錬機(正極)
6-17. 混錬時の希釈と分散
6-18. 希釈法から予備混合&高剪断分散へ
6-19. ビーズミル(マイルド分散化)
6-20. 目標粒子サイズと循環方式
6-21. ビーズのサイズ選定
6-22. Roll To Roll工程とのマッチング
6-23. Batch TankとMix Tankのタスク
6-24. 継ぎ足しと液年齢
6-25. 平均ポット経時
6-26. ポンプの種類と特徴
6-27. 異物が多い時のフィルター並列化
6-28. ゲル状異物のろ過
6-29. フィルター構造と濾圧
6-30. ポンプ負荷は主にスロット
6-31. 脱泡(壁面添加)
6-32. 脱泡(真空度)
6-33. 脱泡(遠心&減圧)
6-34. 脱泡(スクレバー&減圧)
6-35. 脱泡(放射ノズル&減圧))
<質疑応答>
セミナー講師
AndanTEC 代表 浜本 伸夫 氏
■ご略歴
1992年 北大 工学部 合成化学工学専攻 修士修了
同 年 富士写真フィルム、フィルム生産工程業務に従事
2013年 サムスン電子 総合技術院 素材開発センターで新素材開発
2019年 栗村化学 工程開発チーム長
2021年 米国 Zymergen社でバイオ素材開発
2022年 ミドリ安全 商品開発部GM
2023年 AndanTEC (nhamamoto@andantec.jp)
セミナー受講料
【オンラインセミナー(見逃し視聴なし)】:1名46,200円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき35,200円
【オンラインセミナー(見逃し視聴あり)】:1名51,700円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき40,700円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
- 配布資料は、印刷物を郵送配布またはPDFメール送付(条件付き)の選択制です。
- 申込時の備考欄に『郵送配布』または『PDF配布』いずれかご希望の方式をご記入ください。
無記入の場合は、自動的に郵送配布とさせていただきます。
また、いずれも発送後の変更は致しかねますのでご了承ください。(1)郵送配布をご希望の場合
・印刷物を郵送で1部送付致します。
・お申込の際にお受け取り可能な住所を必ずご記入ください。
・郵送の都合上、お申込みは4営業日前までを推奨します。(土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。)
・それ以降でもお申込みはお受けしておりますが(開催1営業日前の12:00まで)、
その場合、テキスト到着がセミナー後になる可能性がございますことご了承ください。
・資料未達の場合などを除き、資料の再配布はご対応できかねますのでご了承ください。(2)PDF配布をご希望の場合
・PDF配布の条件として、お客様の社名・氏名・メールアドレスを講師へお知らせすることが要件となります
(通常は講師へメールアドレスの開示をしておりません)。
・ダウンロード方法等はメールでご案内致します。
・配布資料に関するご案内は、開催1週前~前日を目安にご連絡致します。
・準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
(土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。)
・セミナー資料の再配布は対応できかねます。必ず期限内にダウンロードください。 - 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
- Zoomを使用したオンラインセミナーです
→環境の確認についてこちらからご確認ください - 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
→こちらをご確認ください
受講料
46,200円(税込)/人