経営に資する内部監査に向かうための基礎講座

~内部監査の発展の歴史と現状を踏まえた内部監査のあり方~

セミナー趣旨

企業経営や不祥事対応において内部監査が重視される中で、本講座は内部監査の実務や管理活動に取り組まれる方に内部監査の基本を改めて習得していただくための基礎講座です。それも実務経験が乏しくても理解しやすいように理論と実務の両面から具体化した解説です。内部監査の専門性の認知度が低い日本では人事異動で監査部に配属されて初めて監査機能に取り組むケースが一般的ですし、公認会計士や監査役による法定の監査に比べて監査の役割も低く見られがちです。

しかし経営に資する監査という内部監査の本来の役割を目指すことで内部監査固有の企業における重要性やガバナンス上の必要性も意識されてきます。また、米国で発展したIIA(内部監査人協会)の基準や指針は日本でも有名ですが、これを権威として米国企業とは組織構造や業務慣行さらには組織風土の異なる日本企業においてそのまま受容するのも問題で、むしろ欧米で発展した監査の理論や手法を日本企業の風土や業務慣行の中で機能するようにいかに工夫して適用できるかに監査のプロとしての力量が発揮されます。

こうして監査や内部統制の理論を足下の実務につなげて企業経営に貢献するように機能させるのが経営に資する内部監査がめざす方向です。そのための課題としては企業ガバナンスの面から内部監査の組織内の位置づけや役割を含むマクロ面と監査の具体的手続きや方法論などのミクロ面の両方を含むことになります。

今回は欧米及び日本における内部監査の発展の歴史と今後の高度化の方向を概観したうえで、欧米のディフェンスモデルなどをガバナンス上の参考にしながら、日本固有の三様監査についても一般に議論される法的な制度面よりも歴史的事実を踏まえた実態論をベースとして企業のガバナンスにおける日本企業にふさわしい内部監査の基本を実務と理論の両面から解説いたします。

受講対象・レベル

内部監査および内部統制部門、監査役、経営管理や経営企画部門の方など、内部監査の実務や管理あるいは制度設計に取り組まれている方々

セミナープログラム

1.内部監査の発展の歴史と高度化の方向            
 ・米国で内部監査が重視されるようになった歴史的背景
 ・最近重要性が増す内部監査の機能                         
 ・内部監査の歴史的発展のパターンと内部監査を進化・発展させる着眼点                        

2.日本で議論される三様監査の連携の問題 
 ・三様監査の議論からは見えない日本と欧米の監査機能連携の歴史的背景
 ・リスクベースの監査における会計士監査と内部監査との違い
 ・内部監査におけるリスクベースの理論と実務対応
 ・外部の専門家には手が届かない内部監査ならではの不正対応

3.内部監査機能の前提となるガバナンス構造にかかわる問題
 ・ディフェンス・モデルと3ラインモデルから理解する内部監査の位置づけ
 ・内部監査を機能させるガバナンス構造について日本企業に見られる問題            
 ・4ラインのディフェンスモデルからの内部監査の認識

4.経営に資する内部監査の2つの機能                  
 ・経営に資する監査の考え方
 ・アシュアランス(保証)とコンサルティングの捉え方   
 ・内部監査によるコンサルティングサービスの種類と事例紹介
 ・内部監査が行うコンサル業務における注意事項  

5.追補:日本企業の内部監査として検討すべき今日的な課題 


※申込状況により、開催中止となる場合がございます。
※講師・主催者とご同業の方のご参加はお断りする場合がございます。
※録音、録画・撮影はご遠慮ください。

セミナー講師

公認会計士・公認内部監査人・米国公認会計士(現在inactive) 藤井範彰 氏

30余年の監査法人勤務の内、最初の約20年は会計監査に従事しつつ、E&Yから移ったアンダーセンでは米国本社の指示で米国流会計監査の日本での導入のために監査法人内のパートナーからスタッフまでの全ての監査人を対象に監査の研修や品質管理の活動をしたり、公認会計士協会本部の委員会活動(国際委員会副委員長、会計制度委員会副委員長、監査基準委員会委員他)にも専念。続く10余年は、内部監査、内部統制、リスクマネジメント、不正調査に特化し、アンダーセン消滅時に朝日監査法人代表社員を辞してPwC(中央青山監査法人)に移り代表社員も務めた後、J-SOXの制度化を前に招聘に応じて復帰した新日本監査法人(E&Y)で内部統制支援本部統括部長、ビジネスリスクサービス部長、FIDS(不正対策・係争サポート)部長等を歴任。2012年、シニアパートナーを早期退任し、ボルボ・グループで日本の内部監査統括を務め、同グループ会社UDトラックス㈱の監査役を7年間務めた後、現在は内部監査や不正対応・ガバナンス関連の講演や研修・執筆・アドバイザリー業務に従事。
最近の著書『内部監査のプロが書く監査報告書の指摘事項と改善提案』(同文舘出版2016年11月)で2017年度日本内部監査協会青木賞受賞。2019年9月同書第2版出版。他にも著書「経営者と会社を動かす内部監査の課題解決法20」税務経理協会2012年、論文「リスクベースによる内部監査の指摘と改善提案~リスクを意識した内部監査の高度化~」日本内部監査協会月刊監査研究2023年7月号、「経営に資する内部監査のリスク対応~理論と実務で解き明かすリスクベースの監査対応」同誌2020年7月号等多数。

セミナー受講料

会員 35,200円(本体 32,000円) 一般  38,500円(本体 35,000円)

※会員価格適用については、企業研究会会員が対象となります。
(所属先の会員登録有無がわからない場合、
お申込みの際に備考欄へ「会員登録確認希望」とご記入ください。)
※最少催行人数に満たない場合には、開催を中止させて頂く場合がございます。
※お申込後のキャンセルは原則としてお受けしかねます。
お申込者がご出席いただけない際は、代理の方のご出席をお願い申し上げます。

受講について

【オンライン受講の方】
視聴用アカウント・セミナー資料は、原則として開催1営業日前までにメールでお送りいたします。
※最新事例を用いて作成する等の理由により、資料送付が直前になる場合がございます。

【会場受講の方】
お申込完了後、自動返信メールにて受講票をお送りいたします。


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


13:30

受講料

38,500円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

東京都

MAP

【台東区】企業研究会セミナールーム

【地下鉄】仲御徒町駅・上野御徒町駅・上野広小路駅 【JR】御徒町駅 【つくばエクスプレス】新御徒町駅

主催者

キーワード

財務マネジメント   コンプライアンス   企業法務

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