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1日でインピーダンスの基礎から現場で役立つ測定のコツまで習得!
セミナー趣旨
燃料電池やリチウムイオン二次電池などの材料開発に携わっている開発者が、電池メーカからインピーダンス特性のデータ提出を求められ、困っているという状況が多いようです。材料開発に携わっている方々は化学を専門としてきた人が多いようで、そのような方々は数学や物理が苦手というケースが多いようです。ましてや、インピーダンス測定となると、複素数は出てくるし、数式ばかりが目に付いてしまい、はじめから拒絶反応を示してしまうというケースが多いのでしょう。こうくると、「実は私も数学は苦手で苦労したんです。清水の舞台から飛び降りる気持ちでやってみたら、それほどでもなかったので、大丈夫ですよ」という台詞が出てくることを皆さんは期待するかもしれませんが、私自身はあまり苦労はしてないんです。おかげで学生に教える側の立場になっている今、「教える」ことの難しさに頭を悩ませています。さて、どうしましょうか?悩んだ挙句に、この講座の方針を決めました。
現場の皆さんにとってまず必要なのは、中身がわかっていなくても、求められているパラメータを測定・算出し、顧客に提示できることが真っ先ですよね。それができなければ、ビジネスが成立しませんから…。次に徐々にでも中身が理解できるようになれば、顧客が何を要求しているのか推察できるようになってくる。そうなれば、逆に顧客に「ここはこうしたほうがいいですよ」といった提案型の仕事が出来るようになるでしょう。
本講座はこの考え方に基づき、構成しました。本講座が皆さんのお役に立つことを願ってやみません。
セミナープログラム
第1部 とにかく生データからパラメータを算出してしまおう
1 電気化学インピーダンスの基本パターン・平板電極
1.1 コール・コール(Cole-Cole)プロットから概略を読み取る
1.2 半円弧って何さ?
1.3 45度の傾きを持った部分って何さ?
1.4 どうやって拡散インピーダンスを求めりゃいいのさ?
2 パラメータフィッティングで求める
2.1 パラメータフィッティングの計算方法
2.2 パラメータフィッティングでの誤差とは?
2.3 図上で解析するのは面倒ですか?
2.4 Excelのソルバーでパラメータフィッティング
2.5 料理は下準備が大切だね・ソルバーを使えるようにする
2.6 ソルバーをどう使えばいい?
2.7 じゃ、実際にやってみようか…
2.8 Excelはグラフ表示だけやらせればいい…VBAマクロで解析プログラム
3 そもそも、インピーダンスって何?
3.1 オームの法則はご存知ですよね?
3.2 インピーダンスは交流の世界でのオームの法則です
3.3 抵抗のインピーダンス
3.4 コンデンサ(キャパシタ)のインピーダンス
3.5 コイル(インダクタンス)のインピーダンス
3.6 拡散のインピーダンス
3.6.1 半無限拡散
3.6.2 有限拡散…燃料電池開発担当者の皆様へ
3.6.3 薄層有限拡散…二次電池系開発担当者の皆様へ
3.7 多孔質電極…燃料電池も二次電池も多孔質電極じゃん!
3.8 インピーダンスの直列接続
3.9 インピーダンスの並列接続
3.10 反応速度の律速段という考え方
4 測定はどうすればいいのか?
4.1 電位規制が基本
4.2 電位の振幅は5mV程度だよ
4.3 どういう装置を使えばいいの?
4.3.1 ポテンシオスタット
4.3.2 ファンクションジェネレータ
4.3.3 FRA
4.3.4 ロックインアンプ
4.3.5 オシロスコープ
4.4 電気化学セル
4.4.1 2極式セル
4.4.2 3極式セル
第2部 電気化学インピーダンス(EIS)の物理化学
1 学問でもイメージトレーニングが大切です
2 電極反応の基礎
2.1 電極反応の基本・平衡電位(熱力学)
2.2 インピーダンス測定は電極反応速度の測定です
2.3 電荷移動過程
2.4 物質移動過程
2.5 電極反応じゃないけど、電気二重層容量も考えなきゃ…
3 何でインピーダンス測定なの?
3.1 時間ドメインと周波数ドメイン
3.2 面倒なのは拡散過程
3.3 インピーダンス測定は微小摂動信号が基本
3.4 等価回路という考え方
3.5 インピーダンスって数学的取り扱いが楽なのよ!
3.6 複素数も怖くない…Eulerの式ってすげぇ!
4 そんじゃ、解いてみますか…
4.1 ラプラス変換なんか怖くない
4.2 線形定数係数微分方程式なんか怖くない
4.3 半無限拡散を解く
4.4 有限拡散を解く(Nernstインピーダンス)
4.5 薄層有限拡散を解く
4.6 多孔質電極も怖くない
4.7 多孔質電極モデルと有限拡散・薄層有限拡散との類似性
第3部 測定・解析のKnow-How大全
1 残差分析
2 データに潜む寄生虫
3 ポテンシオスタットの中身を知っておこう
4 配線にも寄生インピーダンスはある
5 どうしてオシロスコープを併用したほうがいいのか
6 データの信頼性をどうやって保証する?
7 フーリエ変換を利用する手もある
<質疑応答>
セミナー講師
山形大学 大学院理工学研究科 教授 博士(工学) 仁科 辰夫 先生
セミナー受講料
1名47,300円(税込(消費税10%)、資料・昼食付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
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