
~電池・キャパシタ・電解質材料の評価に関わる方へ~
セミナー趣旨
交流インピーダンスをツールとして利用しようとすると、「電気工学」「複素関数」「周波数分散」など、電気化学者にとって取っつきにくい概念が数多く生じる。特に、「電気伝導率測定・電気化学反応解析・界面挙動」は、「電解質・電極・二重層」を理解する上で欠かせない。これらの測定は電池・キャパシタ・電解質材料の性質を知る上でも重要な測定技術となる。講師はこれまで研究における学生の指導を通じて、インピーダンスに関する理解において、どこが引っかかるのかを感じてきた。このセミナーでは
・インピーダンスの定義と物理的な意味
・インピーダンスに関する計算方法(複素数がなぜ必要か?)と解析法
・インピーダンスのデータで解ること・解らないことの区別
を中心に、さまざまな躓きやすい点を解消していきながら、実践的なインピーダンス測定の活用について解説する。
セミナープログラム
1 概要
1.1 インピーダンスと抵抗の違い
1.2 周波数と時定数
1.3 周波数分散(周波数を変えると何がわかるか?)
2 複素インピーダンス
2.1 インピーダンスになぜ複素数が関係するのか
2.2 ボード線図と時定数
2.3 ナイキストプロットと位相(電流・電圧のずれ)
2.4 等価回路は何のために必要か?
2.5 交流法におけるオームの法則
3 電気化学インピーダンス
3.1 「電位」と「印加電圧」は何が違うのか?
3.2 電気化学インピーダンスにおけるナイキストプロット
3.3 電気化学反応と時定数
4 実例をもとにした解説
4.1 電解質材料の電気伝導率測定
4.2 輸率測定(AC-DC法の意味)
4.3 リチウムイオン電池等の材料におけるインピーダンス
4.4 キャパシタ材料におけるインピーダンス
4.5 腐食・分極測定におけるインピーダンス
セミナー講師
水畑 穣(みずはたみのる) 氏
神戸大学大学院 工学研究科 応用化学専攻 教授(博士(理学))
<略歴等> 1992年 神戸大学大学院 自然科学研究科 物質科学専攻修了、博士(理学)取得。
1992年 通商産業省工業技術院 大阪工業技術試験所(現・産業技術総合研究所関西センター)入所。
固体高分子形燃料電池の研究開発に従事。
1996年 神戸大学 工学部 助手。
2005年 神戸大学 助教授。
2007年 神戸大学大学院 工学研究科 准教授。
2011年 神戸大学大学院 工学研究科 教授(現職)。
科学技術庁注目発明選定、電気化学会論文賞、日本セラミックス協会学術賞等受賞。
固液共存系における電解質・溶融塩の物性、液相析出法による酸化物薄膜の合成と機能化、電池・燃料電池の材料化学等に関する研究を行う。
セミナー受講料
お 1人様受講の場合 53,900円[税込]/1名
1口でお申込の場合 66,000円[税込]/1口(3名まで受講可能)
受講について
- 本セミナーの受講にあたっての推奨環境は「Zoom」に依存しますので、ご自分の環境が対応しているか、お申込み前にZoomのテストミーティング(http://zoom.us/test)にアクセスできることをご確認下さい。
- インターネット経由でのライブ中継ため、回線状態などにより、画像や音声が乱れる場合があります。講義の中断、さらには、再接続後の再開もありますが、予めご了承ください。
- 受講中の録音・撮影等は固くお断りいたします。
受講料
53,900円(税込)/人
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2025/07/25(金)
13:00 ~ 16:30<ワンランク上の測定を目指す方へ>固体電解質、コイン電池の高精度交流インピーダンス測定法~測定実演、測定体験つきセミナー~<東京会場>
[東京・大井町]きゅりあん 5階第4講習室
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