クリーンルーム内へのプリンターの持ち込みについて (その2)

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 プリンターはパーティクルの発生源です。クリーンルーム内には、極力持ち込まないようにしたいものです。また、どうしても持ち込む場合は台数(発生源)を減らすことと製品への影響を可能な限り抑えるような対策を講じることが大切です。クリーンルーム内へのプリンターの持ち込みについて、具体的な事例を紹介しながら2回に分けて解説しています。今回は、その2です。
 

1. プリンターの種類と発塵

 プリンターは、レーザー、インクジェット、インクリボンタイプなどがあります。この他、ラベルプリンターなどごく限られた場所で使われるものもあります。この中ではレーザータイプが最も発塵量が多いでしょう。またそれよりは少ないですがインクジェットタイプもやや発塵量は多いでしょう。またインクリボンタイプは、インクリボンからの剥がれ、紙との擦れなどで発塵があります。インクリボンから剥がれたものは大きいゴミのため、舞い上がるよりは周囲に落下します。インクカートリッジの箱などの記載で、使用プリンターのインクも顔料タイプか染料タイプかを確認しておくことが必要です。

 顔料タイプは、紙の表面に盛り上がるようにインクが付きます。従って擦れた時に剥がれゴミが出ます。逆に染料タイプは紙にインクが染み込むように印刷されますので、剥がれ落ちはありません。客先監査(Audit)では、使用インクは顔料か染料かという質問も出る場合があります。特に微細製品の加工をしているクリーンルーム(層流式で、パーティクル管理が厳しいクリーンルームの場合など)では、取引先の企業も厳しいクリーンルーム管理を保有しているので、それらも着眼点になる場合があります。
 

2. プリンターの持ち込み、清掃について

 クリーンルームにプリンターを持ち込む場合、インクカートリッジや防塵紙なども持ち込まれますが、必要以上に持ち込むことが無いような管理が必要です。一旦持ち込むと床や設備の背面などに置かれ、埃が付着している場合があります。それらを開封する時に埃を撒き散らします。使用量を把握しながら適正在庫を決め、余計に持ち込まないことや、埃が付着しないような保管方法を考えましょう。
 
 インクカートリッジやインクリボンを持ち込む場合、ボール紙などの外箱は持ち込まないようにすることですが、庶務(事務)担当もクリーンルームへの持ち込みについて知識がないと、そのまま持ち込まれることがあります。クリーンルーム内で働く人だけでなく、クリーンルーム外の人の教育、指導も必要です。
 
 プリンター周辺やプリンター背面、吹き出し口などには埃が堆積しています。またインクリボンタイプでは、インクリボンから剥がれたものが床に飛散している場合があります。これを踏むことで靴底や床が汚れます。インクリボン交換時は、手袋に汚れが付着するので交換後は手袋も替える必要があります。
 
 紙送り方法も、トラクター方式(連続紙を使う場合、紙の両側に穴...
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 プリンターはパーティクルの発生源です。クリーンルーム内には、極力持ち込まないようにしたいものです。また、どうしても持ち込む場合は台数(発生源)を減らすことと製品への影響を可能な限り抑えるような対策を講じることが大切です。クリーンルーム内へのプリンターの持ち込みについて、具体的な事例を紹介しながら2回に分けて解説しています。今回は、その2です。
 

1. プリンターの種類と発塵

 プリンターは、レーザー、インクジェット、インクリボンタイプなどがあります。この他、ラベルプリンターなどごく限られた場所で使われるものもあります。この中ではレーザータイプが最も発塵量が多いでしょう。またそれよりは少ないですがインクジェットタイプもやや発塵量は多いでしょう。またインクリボンタイプは、インクリボンからの剥がれ、紙との擦れなどで発塵があります。インクリボンから剥がれたものは大きいゴミのため、舞い上がるよりは周囲に落下します。インクカートリッジの箱などの記載で、使用プリンターのインクも顔料タイプか染料タイプかを確認しておくことが必要です。

 顔料タイプは、紙の表面に盛り上がるようにインクが付きます。従って擦れた時に剥がれゴミが出ます。逆に染料タイプは紙にインクが染み込むように印刷されますので、剥がれ落ちはありません。客先監査(Audit)では、使用インクは顔料か染料かという質問も出る場合があります。特に微細製品の加工をしているクリーンルーム(層流式で、パーティクル管理が厳しいクリーンルームの場合など)では、取引先の企業も厳しいクリーンルーム管理を保有しているので、それらも着眼点になる場合があります。
 

2. プリンターの持ち込み、清掃について

 クリーンルームにプリンターを持ち込む場合、インクカートリッジや防塵紙なども持ち込まれますが、必要以上に持ち込むことが無いような管理が必要です。一旦持ち込むと床や設備の背面などに置かれ、埃が付着している場合があります。それらを開封する時に埃を撒き散らします。使用量を把握しながら適正在庫を決め、余計に持ち込まないことや、埃が付着しないような保管方法を考えましょう。
 
 インクカートリッジやインクリボンを持ち込む場合、ボール紙などの外箱は持ち込まないようにすることですが、庶務(事務)担当もクリーンルームへの持ち込みについて知識がないと、そのまま持ち込まれることがあります。クリーンルーム内で働く人だけでなく、クリーンルーム外の人の教育、指導も必要です。
 
 プリンター周辺やプリンター背面、吹き出し口などには埃が堆積しています。またインクリボンタイプでは、インクリボンから剥がれたものが床に飛散している場合があります。これを踏むことで靴底や床が汚れます。インクリボン交換時は、手袋に汚れが付着するので交換後は手袋も替える必要があります。
 
 紙送り方法も、トラクター方式(連続紙を使う場合、紙の両側に穴が開いていて、それを突起物が引っ掛け送っていくタイプ)が多いので、インクの剥がれだけでなく、紙との擦れによるゴミも多く、プリンター内部に落下しているゴミも多いです。周囲だけでなく、プリンター内部の清掃も必要です。
 

3. 発塵の少ないプリンター

 最近では、プリンターメーカー、防塵紙メーカー連携による、発塵の少ないプリンターが発売されています。少々高価でも、発塵からの歩留まり低下で苦労するより効果的かもしれません。なお、発塵が皆無ではありません。クリーンルームの中での最大の発生源、汚染源は人であると言われますが、人以外にも設備発塵や、このような事務機器などでも発塵がありますので、多面的に観察しましょう。
 

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この記事の著者

清水 英範

在社中、クリーン化25年の経験、国内海外のクリーン化教育、現場診断・指導多数。ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め多面的、総合的なアドバイス。クリーンルームの有無に限らず現場中心に体質改善、強化のお手伝いをいたします。

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