エネルギーマネジメント(ISO50001):新環境経営(その14) 

 新環境経営への取組みについての話題を提供するに当たり、経済成長に邁進してきた中で発生した公害の歴史、CSRの取組の変遷、環境マネジメントシステム、有害物質管理の現状をたどってきました。前回からはエネルギーマネジメントについて紹介しています。今回はISO50001についてです。
CSR
 

1. ISO50001(エネルギーマネジメントシステム)について

 ISO50001は2011年6月15日に国際規格として発行されました。組織・企業が、エネルギー効率及び、エネルギーの使用及び使用量を含むエネルギーパフォーマンスを改善するために必要なシステム・プロセスの確立を可能にすることを目的とし、エネルギーコストの削減、温室効果ガスの排出量削減につながることを意図しています。
 
 日本においては、ISO規格を翻訳して2011年10月20日にJIS Q 50001を制定しました。それを受けて、2012年11月12日、お台場のプラザ平成 東京国際交流館で「ISO50001国際ワークショップ」を開催されました。海外のISOエキスパートや国内の一般参加者計100名以上の参加の基、日本の省エネルギー政策やISO50001取得企業の取組などの紹介があり、ISO50001導入の具体的事例やそのメリットの展開がありました。尚、本規格は、米国、中国等のエネルギー消費大国の積極的参画の基に検討が進められて発行に至っており、世界標準として広く活用されていくことが見込まれています。
 

2. エネルギーマネジメントシステムが注目される理由

 「環境とエネルギーの時代」と言われ、日本においても、省エネルギー法の改正や、東京都の「東京都二酸化炭素総量規制」、各地方自治体の「温暖化対策条例」の実施に伴い、組織・企業に対し今まで以上に省エネルギーの推進が厳しく要求されています。
 
 とりわけエネルギーに関しては、主要なエネルギー資源である化石エネルギーには限りがあること、エネルギー消費の影響で地球温暖化等さまざまな環境問題と深く関わり合いがあることから、エネルギーの効率的な利用、再生可能エネルギーの利用等の重要度が増してきています。ISO50001は、組織がエネルギーパフォーマンスを継続的に改善するために、系統的な取り組みを可能にするエネルギーマネジメントシステムを確立、実施、維持、改善するための要求事項を規定しています。又、この規格は、エネルギーを使用する装置、システム、プロセスおよび要員について、測定、文書化、報告、設計、機器の調達等を含む、エネルギー供給、エネルギー使用および消費の管理に役立つ枠組みを提供しています。尚、この規格では"エネルギー"を"電気、燃料、蒸気、圧縮空気及びその他類似の媒体"と定義し、再生可能エネルギーを含む種々の形態を指しており、省エネルギー法の対象となる"エネルギー"より太陽光発電、風力発電等も含み幅広くなっています。
 

3. ISO50001はシステム規格

 規格本文には、具体的に守るべき基準や規制内容は書かれていません。これは、(1)世界各国で基準、規制内容が異なるため、(2)数値等を設定してしまうと、今までエネルギー対策に何も取り組んでいない組織の方が(伸びしろがあるために)、容易に取得できてしまうためです。ISO50001は、仕組みづくりを目的としたシステム規格で、エネルギーマネジメントシステムは、「自分の行動は自分で決める」と言う観点に立っています。審査登録制度は、任意の制度なので法による強制ではありません。自分たちの組織について一番知っているのは自分たち、取り組むべきことを自分たちで決めることで、意識が高まり継続的に取り組むことが可能になります。
 

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4. ISO14001との違い

 ISO14001でもエネルギー使用を著しい環境側面の一つとして特定し、環境マネジメントの対象としている事例は多いのですが、ISO50001 は、エネルギーパフォーマンスの改善の成果に重点を置いたマネジメントシステムです。データに基づいた詳細な現状の把握から、関連因子の影響などを解析することによって、具体的、実質的な改善策を見出し、エネルギー使用の改善を実現するように構成されています。
 
 次回は、「環境経営とは」の解説です。
 

この記事の著者

石原 和憲

人と地域をつなぐ、交流型イノベーター

【経営理念】地球環境に優しい社会を実現すべく、多様な関係者との交流を通じて、地域社会の変革に貢献する。

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