中小製造業の売上増加術(その3)

2.自社の特徴と価格情報を生かす

前回のその2に続いて解説します。
 

(2)販路開拓活動で価格情報を生かす

 販路開拓活動では、受注獲得のために見積業務が必要です。つまり、価格です。販売活動では、見積業務をしないで受注することはないでしょう。短納期対応の注文で、見積書を提出するよりも先に品物を納めることになったとしても、結局のところ後から見積書を提出しなければなりません。
 
 また、顧客と価格面での折り合いがつかない限り、発注されてくることもありません。ここでは注文を獲得するにあたって、もっとも理想的な状況とは、どのような条件の場合かを考えてみましょう。
 
 まず競争相手がいないことです。つぎに、十分な利益が得られることです。ただ、ここでも課題になるのは、顧客のニーズです。顧客ニーズを満たす方法は、幾通りもあるものです。
 
 以前に金属真空断熱パネルの販路開拓検討を進めたことがあります。通常の断熱パネルは、ガラス繊維を用いたものが多く、自動販売機や冷蔵庫などに用いられています。このほかに発砲系ウレタンフォームが、住宅関係で採用されています。金属真空断熱パネルは、当初、車輛用コンテナに採用される予定で、その後自動販売機にも用途を広げようと考えました。
 
 しかし、自動販売機に採用するには、通常購入している断熱材の2倍以上の予算が必要になり、コストダウンを図っても対応は難しいことが分かりました。つまり、自動販売機での採用を追いかけても、価格面で可能性がないものと判断できました。
 
 断熱パネルが必要とされる製品での断熱材価格を調べていくと、現在市場に出回っている自動販売機や冷蔵庫などと競争が出来ないばかりか、住宅関係でも同様であることが判明しました。しかし、金属断熱パネルは、上昇温度が高い、あるいは高低温を繰り返す、パネルに強度が必要、一度取り付けたら長期間取り外しが困難である、などといった条件の時には、他の断熱パネルよりも有効に活用できます。
 
 このように顧客ニーズ、つまり製品に要求される性能や品質によって、大きな一括りの市場から市場を細分化をして考えるべきで、製品に要求される性能や品質に応じて価格は異なってくるということです。
 
 そして、自社や自社製品が、もっとも価値を持つ市場があるはずで、そして価格面から優位であるところを探すことがポイントです。そのためには、競合となることが想定できる製品について、その価格情報をしっかりと集めておくことが大切です。
 
 以上のように売上高アップを目指すには、まず自社の特徴を理解すること、そして、自社及び自社の製品と競合が想定される企業や製品について、価格も含めた差を知ることです。対象とする市場についても細分化して考えることが大切です。販路開拓活動の結果について、整理をしておき、新しい技術の導入や市場の変化などに、先手を打つことが重要です。
 

この記事の著者

間舘 正義

製品を切り口に最適コスト追求のためのコスト・ソリューションを提供します。

企業の第一の目的は利益の獲得にあります。弊社では、製品を切り口にコストテーブル手法をベースに用いて、ものづくりの固有技術と管理技術の向上、見積り技術の確立、コストダウンなどコストマネジメント体制の構築と儲ける会社のしくみ作りを指導していま…

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