現場情報の自動収集に道具だてを

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 一日の作業指示の出し方で、次のどちらの組織の管理レベルの改善がより進むでしょうか?
 
     ・A社 ➡「x製品を◯個」
     ・B社 ➡「x製品を作業手順 a ⇒ b ⇒ c ⇒ の順番にて、1個5分サイクルで◯個」
 
 B社の方式が正解との意見に異論はないでしょう。正しい作業方法をしているのか、進捗ペースは妥当なのか、結果、生産性は妥当なのか、良し悪しのジャッジが出来ることで、処置、及び指導・改善が出来るからです。
 
 なすべき方向性は明快です。そこでA方式からB方式への指示管理に移行しようと、時刻に対するアウトプット数の予定と実績の把握を試みるものの、A方式が染みついた中小モノづくり企業の職場では、そうは容易に事が進見ません。気の進まない管理に対する『見られてたまるか攻防戦』の始まりです。一見賛同が示され良き兆しを期待するものの、「こまめな記録は面倒だ」と大雑把かつ不正確な記録、煩雑な記録データの収集・分析に記録は度々山積み状態で放置され、その結果、正確性とタイムリー性に欠いたフィードバックに、やがて「ホラッ!役に立たないのに、こんな面倒くさいことはやってられません」との声に押されて、いつしか結局は元の木阿弥状態に陥ります。
 
 そこでお進めしたいのが、現場情報を自動収集・分析できる道具だてです。キーワードは『手間なく』、『一気に』、『正確に』フィードバックです。昨今、中小でも十分手が届くレベルに環境が整ってきました。上述の例では、センサーで製品のアウトプットを感知し、予定線に実績を映し出せば、いとも簡単に実現ができます。すると不毛な消耗戦を経る間もなく、早くて正確なフィードバックを受け入れざるを得なくなり、前向きな思考と取り組みに集中する次なる段階へと移行させることができます。
 
 上記ペース管理の他にも、ひとやモノの動線、設備の稼働等にも、同様に活用できる場面が存在します。見られてたまるかの消耗戦を続けている中小モノづくり現場に、現場情報自動収集...
 一日の作業指示の出し方で、次のどちらの組織の管理レベルの改善がより進むでしょうか?
 
     ・A社 ➡「x製品を◯個」
     ・B社 ➡「x製品を作業手順 a ⇒ b ⇒ c ⇒ の順番にて、1個5分サイクルで◯個」
 
 B社の方式が正解との意見に異論はないでしょう。正しい作業方法をしているのか、進捗ペースは妥当なのか、結果、生産性は妥当なのか、良し悪しのジャッジが出来ることで、処置、及び指導・改善が出来るからです。
 
 なすべき方向性は明快です。そこでA方式からB方式への指示管理に移行しようと、時刻に対するアウトプット数の予定と実績の把握を試みるものの、A方式が染みついた中小モノづくり企業の職場では、そうは容易に事が進見ません。気の進まない管理に対する『見られてたまるか攻防戦』の始まりです。一見賛同が示され良き兆しを期待するものの、「こまめな記録は面倒だ」と大雑把かつ不正確な記録、煩雑な記録データの収集・分析に記録は度々山積み状態で放置され、その結果、正確性とタイムリー性に欠いたフィードバックに、やがて「ホラッ!役に立たないのに、こんな面倒くさいことはやってられません」との声に押されて、いつしか結局は元の木阿弥状態に陥ります。
 
 そこでお進めしたいのが、現場情報を自動収集・分析できる道具だてです。キーワードは『手間なく』、『一気に』、『正確に』フィードバックです。昨今、中小でも十分手が届くレベルに環境が整ってきました。上述の例では、センサーで製品のアウトプットを感知し、予定線に実績を映し出せば、いとも簡単に実現ができます。すると不毛な消耗戦を経る間もなく、早くて正確なフィードバックを受け入れざるを得なくなり、前向きな思考と取り組みに集中する次なる段階へと移行させることができます。
 
 上記ペース管理の他にも、ひとやモノの動線、設備の稼働等にも、同様に活用できる場面が存在します。見られてたまるかの消耗戦を続けている中小モノづくり現場に、現場情報自動収集・分析ツールの活用を是非とも推進させたいものです。
 
           
 
 この文書は、 2016年5月5日の日刊工業新聞掲載記事を筆者により改変したものです。
 
 

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この記事の著者

本多 貴治

トヨタ方式/IEとISO9001からの学びをベースに中堅・中小企業のマネジメント/現場改善を支援~プロフェッショナルとしてkaizenをプロモートし、日々実践、結果プロフィットを創出します。

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