
予知の先にある「処方的保全」と「自律型保全」へのロードマップ
TDK株式会社 Edge AI BD 主事 大橋 渉 氏
このほど、製造現場の生産性向上、技術継承、品質管理強化をテーマに、第一線で活躍する講師が、先進的な取り組み事例と最新ソリューションを紹介する「ものづくり AI カイゼン FRONTLINE 2026」(ものづくりドットコム主催)が開かれ、TDK株式会社の大橋渉氏がメンテナンス DX を推進するソリューションについて紹介した。
熟練工の「匠の技」をデジタルで継承
私はこれまで、携帯電話部品の設計や生産現場の対応、IoT機器のファームウェア設計などに携わってきたが、現在はハードウェアとソフトウェアの両面に精通するエンジニアとして予知保全※1ソリューションの技術サポートや導入提案を担当している。
TDKは1935年に磁性材料フェライトの工業化を目的に設立され、現在は受動部品やセンサー、エナジー応用製品などを幅広く展開する、連結売上高約2.2兆円規模の企業だ。
いま、製造現場は「人の崖」という深刻な危機に直面している。過去20年間で若手就業者は大幅に減少し、一方で高齢就業者が増加した。日本の高品質なものづくりを支えてきたのはベテランの「経験・感・匠の技」だが、機械の音や振動の違和感を察知する高度な能力が、大量退職とともに現場から失われようとしている。これからは、人が機械を世話する時代から、機械が自ら健康状態を語り...



