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品質工学会の技術向上委員会で品質工学とその関連分野の用語を定義する活動をしていました.その活動の中で狩野モデルが用語定義の対象となり,品質工学との関係の説明を含めて狩野モデルを定義することになりました.狩野モデルに関しては品質工学との関係を含めて自分なりの定義を持っていたのですが,改めて考えてみると視点の違いによって狩野モデルの説明が変わることに気づいたのです.それをこの事例記事で共有化したいと思います.前回の狩野モデルで説明する品質工学(その1)に続けて解説します.
1. 狩野モデルで説明する品質工学: レーザーの場合
次にレーザーの場合について考えてみます.
レーザーにおけるほしいものyはパワーです.そしてパワ一は当然一元Q,電力投入を増やすことでパワーアップさせることは簡単ですが,同時に耐久性が落ちます.よってロバスト性向上がパワーアップの原動力となります.ロバスト性自体は必要以上に高めてもお客様満足は向上しないので当たり前Qです.よって両者はここでもトレードオフ関係になります.
ここまでは,レーザーのパワーアップの手段を投入電力(入力M)を高くすることとしたのでトレードオフになりましたが,その手段をy=βMのβを高めることとすればエネルギー変換効率の向上となり,熱などの無駄なエネルギーへの変換が減るので耐久性とパワーアップの両立に向かいます.そしてこのエネルギー...