在庫管理とは:物流の改善ポイント(その7)

投稿日

SCM

 

◆販売予測と保管設計

メーカーでは各社とも在庫削減を大きな課題として掲げています。そして実際に在庫を削減するために、調達方法の改善や生産方法の改善にも取り組んでいるわけです。なぜなら在庫は何かしらの活動の結果として発生するからです。その中心となるのが調達であり生産であるわけです。

 

そして忘れてはならないものが販売でしょう。受注生産であれば余剰在庫は発生しませんが、見込み生産を行う場合はその発生が十分考えられるのです。大抵の場合、需要予測は過去の販売データから行います。どの季節にどの製品がよく売れたのか、それを分析することで、かなりの確率で販売予測が立つと聞いています。

 

このような見込みである程度の在庫を保有しなければならない場合には、その保管用の場所を確保しなければなりません。メーカーは保管設計をしっかりと行うことになります。そしてその保管場所をどこに配置したらよいのか。この点についても十分な配慮が必要です。

 

工場を全国に分散させて配置することは困難です。生産設備の能力を考えると、できるだけ集約して設備を目いっぱい使うことでモノづくり効率を向上させたいものです。一方で物流倉庫は生産設備のような大きな投資は発生しません。極論すると、倉庫建屋さえあれば運用が可能となります。

 

そこで物流倉庫は、お客様へのリードタイム短縮を考慮し、全国に複数箇所設置することが考えられます。日本は国土が広いわけではありませんから、受注した翌日にお届けすることはそれほど難しい話ではありません。もし翌日配送を前提とするならば、日本に2箇所物流センターを設置することが好ましいでしょう。

 

お客様のオーダーに対して、在庫切れを起こすことは望ましくありません。しかしだからといって、必要以上の在庫を抱えることは非効率です。よく欠品を恐れるあまり、膨大な在庫を抱えている会社があることが気になります。営業担当者にとっては怖いので在庫があれば安心なのでしょう。

 

しかし保管にはコストがかかります。倉庫が必要だし、その管理も必要です。この在庫とコストのバランスを意識していくことが重要になってくるわけです。

 

次回に続きます。

 


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
物流BCPについて考える【連載記事紹介】

  物流BCPについて考えるの連載記事が無料でお読みいただけます!   ◆物流BCPについて考える 東日本大震災以降、一般...

  物流BCPについて考えるの連載記事が無料でお読みいただけます!   ◆物流BCPについて考える 東日本大震災以降、一般...


顧客と競合と市場のサプライチェーン三角関係

 重要なのは顧客のデマンドチェーンやバリューチェーンである、と説くまでならよいですが、サプライチェーンは供給者の論理にすぎないとの行き過ぎた説を見かけるこ...

 重要なのは顧客のデマンドチェーンやバリューチェーンである、と説くまでならよいですが、サプライチェーンは供給者の論理にすぎないとの行き過ぎた説を見かけるこ...


サプライチェーン視点による産業構造の変革

 インターネットなどの情報技術の普及により、具体的な産業構造の変革として、脱工業化社会や情報化社会などの言い古された言葉が頻出するようになってき...

 インターネットなどの情報技術の普及により、具体的な産業構造の変革として、脱工業化社会や情報化社会などの言い古された言葉が頻出するようになってき...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
  意地悪チェックの導入:倉庫改善に取り組もう(その5)

  ◆ 意地悪チェックの導入  出荷品についてピッキング後にダブルチェックを行って物流不良を改善している会社は多いのではないでしょうか。...

  ◆ 意地悪チェックの導入  出荷品についてピッキング後にダブルチェックを行って物流不良を改善している会社は多いのではないでしょうか。...


メーカー倉庫と生産コントロール 物流倉庫業務(その3)

        サプライチェーンが重要視されてきているこの時代にあって、ユーザーのニーズは単独の保管だけということにとどまらなくなってきている気がし...

        サプライチェーンが重要視されてきているこの時代にあって、ユーザーのニーズは単独の保管だけということにとどまらなくなってきている気がし...


  出来栄えの数値化とは:物流パフォーマンス評価(その3)

  ◆コストとデリバリー 物流事業者の立場であれば、いかに適正なコストで物流サービスを提供するかは重要な課題ではあります。物流はコストだ...

  ◆コストとデリバリー 物流事業者の立場であれば、いかに適正なコストで物流サービスを提供するかは重要な課題ではあります。物流はコストだ...