頼りになる事業者とは:物流事業者との付き合い方(その3)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 頼りになる事業者

物流SQDCM S(安全)、Q(品質)、D(デリバリー)、C(コスト)、M(マネジメント)に関して、それぞれについて「何をどのようにしたいのか」を伝えるとともに、できるだけ数値で明らかな目標値を提示しましょう。物流事業者にはよく理解できるように自社のニーズを伝えます。物流の価格はボリュームで決まる要素が大きいため、物流量についてはしっかりと見通しを立てた上で通知しましょう。

 

そして何よりも、物流事業者に期待したいことをはっきりと伝えることが重要です。物流改善したいのであれば、具体的に何をどうしたいのかを伝えます。たとえば、今の誤出荷率を100ppmから30ppmに下げたい、そのために出荷場のレイアウトを誰にもわかるように改善したい、と話をします。

 

これらの要望を受け取った物流事業者が何と答えるのかがポイントになります。スキル不足の事業者であれば、皆さんの要望を理解できないかもしれません。このレベルの事業者は付き合ったとしても将来的に不安材料が多々あると思いますので、発注は避けたほうがよいかもしれません。

 

発注する相手の判断基準は、価格条件もさることながら、「頼りになる」相手かどうかがポイントです。その判断基準の一つが「普通に会話できるかどうか」ではないでしょうか。皆さんが考えていることに対して「用語」が通じなかったり、話した内容を理解してくれなかったりするようでは好ましくありません。

 

本当に勉強している事業者であれば話は通じるはずです。物流の永遠のテーマである在庫について、その発生要因について理解しているかどうかも確認しておきましょう。そして何よりも物流事業者に自社の物流について教えてあげる姿勢を持つことです。一緒に現場を見て回り、困っていることをその場で説明することです。

 

メーカーであれば生産の仕組みについても説明しましょう。どのような生産指示に基づき、どのようなロットサイズで生産するのかは、物流事業者の方はよく知らないところです。しかし在庫には大きな影響のある生産の仕組みは物流事業者も知っていなければならないのです。さらに物の買い方についても同様です。

 

どのような発...

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 頼りになる事業者

物流SQDCM S(安全)、Q(品質)、D(デリバリー)、C(コスト)、M(マネジメント)に関して、それぞれについて「何をどのようにしたいのか」を伝えるとともに、できるだけ数値で明らかな目標値を提示しましょう。物流事業者にはよく理解できるように自社のニーズを伝えます。物流の価格はボリュームで決まる要素が大きいため、物流量についてはしっかりと見通しを立てた上で通知しましょう。

 

そして何よりも、物流事業者に期待したいことをはっきりと伝えることが重要です。物流改善したいのであれば、具体的に何をどうしたいのかを伝えます。たとえば、今の誤出荷率を100ppmから30ppmに下げたい、そのために出荷場のレイアウトを誰にもわかるように改善したい、と話をします。

 

これらの要望を受け取った物流事業者が何と答えるのかがポイントになります。スキル不足の事業者であれば、皆さんの要望を理解できないかもしれません。このレベルの事業者は付き合ったとしても将来的に不安材料が多々あると思いますので、発注は避けたほうがよいかもしれません。

 

発注する相手の判断基準は、価格条件もさることながら、「頼りになる」相手かどうかがポイントです。その判断基準の一つが「普通に会話できるかどうか」ではないでしょうか。皆さんが考えていることに対して「用語」が通じなかったり、話した内容を理解してくれなかったりするようでは好ましくありません。

 

本当に勉強している事業者であれば話は通じるはずです。物流の永遠のテーマである在庫について、その発生要因について理解しているかどうかも確認しておきましょう。そして何よりも物流事業者に自社の物流について教えてあげる姿勢を持つことです。一緒に現場を見て回り、困っていることをその場で説明することです。

 

メーカーであれば生産の仕組みについても説明しましょう。どのような生産指示に基づき、どのようなロットサイズで生産するのかは、物流事業者の方はよく知らないところです。しかし在庫には大きな影響のある生産の仕組みは物流事業者も知っていなければならないのです。さらに物の買い方についても同様です。

 

どのような発注をしているのか、サプライヤーはどういったロットで納入してくるのか、今調達改善ではどのような取り組みを行っているのかなど、できるだけ多くの情報を教えてあげましょう。物流事業者はとかく「ものを運ぶ」ことだけを考えがちです。しかしユーザーの求めている水準はそんなレベルではないはずです。

 

お互い緊密な連携をとることで、よりよい物流を構築することに貢献しましょう。

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
第3のSCM: 社会変革共創を前提とした唯一の戦略 

           1. 既存と異なるSCMを考える  前回の「第3のSCM: 複雑系・安定・利益」では、需要か制約と同期させる既存以外のSCM...

           1. 既存と異なるSCMを考える  前回の「第3のSCM: 複雑系・安定・利益」では、需要か制約と同期させる既存以外のSCM...


工場内物流の三つの役割

 生産効率を劇的に向上する工場内物流の三つの役割を、解説します。顧客のオーダーに基づき資材を調達して超短納期でものづくりを行い、効率的かつ低コスト物流にて...

 生産効率を劇的に向上する工場内物流の三つの役割を、解説します。顧客のオーダーに基づき資材を調達して超短納期でものづくりを行い、効率的かつ低コスト物流にて...


サプライチェーンにおける収益向上のメカニズム

 オペレーションの連携、すなわちシンクロナイゼーションがサプライチェーンマネジメントの課題です。一般的なジャストインタイムの定義は、必要なものを、必要な時...

 オペレーションの連携、すなわちシンクロナイゼーションがサプライチェーンマネジメントの課題です。一般的なジャストインタイムの定義は、必要なものを、必要な時...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
  見積もり段階での物流費:会社で物流を意識するということ(その2)

  ◆営業が意識すべき物流費 営業は大いに物流を意識して欲しいと思います。しかし見積もり段階で「物流はよくわからない」からということで、...

  ◆営業が意識すべき物流費 営業は大いに物流を意識して欲しいと思います。しかし見積もり段階で「物流はよくわからない」からということで、...


物流の生産性とは 管理業務に精力的に取り組む(その2)

        数ある管理業務の中でも「生産性管理」は収益にも直結する仕事のため特に重要であると思われます。では「生産性管理」といっても何を実施して...

        数ある管理業務の中でも「生産性管理」は収益にも直結する仕事のため特に重要であると思われます。では「生産性管理」といっても何を実施して...


目標復旧時間の設定と中核事業の特定 物流BCPについて考える(その13)

            【物流BCPについて考える 連載目次】 1. ...

            【物流BCPについて考える 連載目次】 1. ...