サプライヤー集約:購買業務の要点(その11)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆サプライヤー集約

 

ものを発注する時に特定のサプライヤーだけに発注することは望ましくありません。なぜなら独占状態にあると価格が下がりづらいだけでなくサービス水準も向上しないからです。サプライヤー評価を実施したらその結果に基づきAランクからDランクまで分類します。Dランクは取引停止対象ということを前回、解説しました。

 

では多くのサプライヤーに分散発注すればよいのかというとそれも程度の問題です。なぜなら一定の発注量のものを多くのサプライヤーに発注すると1社当たりの発注量が少なくなり戦略的な価格を得ることができないからです。一つのコモディティ(部品や材料など)に対して2社か3社が妥当なところではないでしょうか。ポイントはサプライヤーを「競合状態におく」ことと「1社当たりの発注量を確保する」ことではないでしょうか。

 

購買戦略の中にサプライヤー集約という手法があります。これはまさに1社当たりの発注量を増やして価格を下げてもらうというやり方です。購買品目カテゴリー別に取引サプライヤー数の目標値を設定し、徐々にサプライヤーを集約していくことをお勧めします。

 

「輸送」を一つの購買品目とするならば、現在の取引輸送会社が9社あるものを3年かけて3社に集約する目標を設定したとします。毎年輸送会社評価を行い、1年目に下位2社との取引を停止し、以降2年目に2社、3年目に2社と取引を停止することで3社との取引に集約されます。

 

これによって今まで9社に分散発注されていた荷量を3社に発注することになりますので、単純計算で1社当たりの発注量が3倍になります。それによって輸送価格が下げられることにつながるのです...

サプライチェーンマネジメント

 

◆サプライヤー集約

 

ものを発注する時に特定のサプライヤーだけに発注することは望ましくありません。なぜなら独占状態にあると価格が下がりづらいだけでなくサービス水準も向上しないからです。サプライヤー評価を実施したらその結果に基づきAランクからDランクまで分類します。Dランクは取引停止対象ということを前回、解説しました。

 

では多くのサプライヤーに分散発注すればよいのかというとそれも程度の問題です。なぜなら一定の発注量のものを多くのサプライヤーに発注すると1社当たりの発注量が少なくなり戦略的な価格を得ることができないからです。一つのコモディティ(部品や材料など)に対して2社か3社が妥当なところではないでしょうか。ポイントはサプライヤーを「競合状態におく」ことと「1社当たりの発注量を確保する」ことではないでしょうか。

 

購買戦略の中にサプライヤー集約という手法があります。これはまさに1社当たりの発注量を増やして価格を下げてもらうというやり方です。購買品目カテゴリー別に取引サプライヤー数の目標値を設定し、徐々にサプライヤーを集約していくことをお勧めします。

 

「輸送」を一つの購買品目とするならば、現在の取引輸送会社が9社あるものを3年かけて3社に集約する目標を設定したとします。毎年輸送会社評価を行い、1年目に下位2社との取引を停止し、以降2年目に2社、3年目に2社と取引を停止することで3社との取引に集約されます。

 

これによって今まで9社に分散発注されていた荷量を3社に発注することになりますので、単純計算で1社当たりの発注量が3倍になります。それによって輸送価格が下げられることにつながるのです。これがサプライヤー集約の効果です。もちろん、一度取引停止となったサプライヤーでも復活取引の可能性は残しておきましょう。それも根拠となるのはサプライヤー評価です。必ずしも取引停止サプライヤーは候補会社リストからまでも外す必要なはいのですから。

 

次回に続きます。

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その7)

1.韓国の事例    前回のその6に続いて解説します。今回使用するデータは「読者が理解しやすい」を前提に、数字は円表示するとともに多少まるめ...

1.韓国の事例    前回のその6に続いて解説します。今回使用するデータは「読者が理解しやすい」を前提に、数字は円表示するとともに多少まるめ...


海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その2)

第2回 道具1「現地物流診断シート」   ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.工場立地と物流    工場が海...

第2回 道具1「現地物流診断シート」   ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.工場立地と物流    工場が海...


輸送改善のための工場環境整備とは 儲ける輸送改善 (その2)

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
  共同改善活動とは:物流購買の勘所(その10)

  ◆共同改善活動 物流サプライヤーを指導することが自社の利益として返ってくることは明確です。物流現場の仕事の仕方を改善することで、仕事...

  ◆共同改善活動 物流サプライヤーを指導することが自社の利益として返ってくることは明確です。物流現場の仕事の仕方を改善することで、仕事...


容積的積載率と重量的積載率の管理 物流をマネジメントできるシステム(その2)

         物流コストの約6割が輸送コストです。したがって物流担当者はどうしても輸送にフォーカスしていく必要があるのです。最近輸送価格が上がっ...

         物流コストの約6割が輸送コストです。したがって物流担当者はどうしても輸送にフォーカスしていく必要があるのです。最近輸送価格が上がっ...


「2Sと躾け」に取り組む 物流最高品質を生み出すものとは(その2)

        ドライバーに対する教育はとても大切です。なぜならお客様と直接相対するのはドライバーだからです。5Sの「躾け」の部分が特に重要と言えそ...

        ドライバーに対する教育はとても大切です。なぜならお客様と直接相対するのはドライバーだからです。5Sの「躾け」の部分が特に重要と言えそ...