保管の現状把握とは:物流現状把握の重要性(その2)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 保管の現状把握

 物流の重要機能である保管について、保管機能を4M(人、もの、設備、方法)の4つの視点から現状把握をしてみましょう。この時にまず保管に関わるコストを見ていくとよいでしょう。人はまさにその保管機能に関わる人件費です。その倉庫あるいは保管エリアで入出庫作業や在庫管理などを行っている作業者の方の人件費を把握します。

 社員であれば法定福利費や福利厚生費などを含めたすべての人件費で把握するということがポイントです。パートやアルバイトであれば実際の支払賃金に採用にかかったコストを加えればよろしいのではないでしょうか。

 ものであれば入出庫に使うフォークリフトの燃料、棚番表示などにつかう器材、安全保護具や消火器などの安全対策用品など倉庫運営に関わるもののコストを把握します。設備は倉庫建屋やラック、自動倉庫やフォークリフトなどの機器が対象になります。

 情報はその保管場で必要な情報、例えば入出庫指示情報や在庫管理情報など、保管を管理するための情報投資のコストが対象になります。さらにそこで発生している地代、自社倉庫であれば償却費や近隣の地代などで明らかに発生しているコストを明確にしていきます。

 

 また水道光熱費や固定資産税、保険料、補修費などいろいろなコストが発生していると思われます。これらについて一度調査を行い、その保管にかかっているトータルコストを明らかにしましょう。

 意外とここまで気を配ってみることは少ないかもしれません。しかしこれらが積もり積もると大きなコストとなることも考えられます。まずは現状を正しく把握してみましょう。これができましたら自社の他の保管場とデータ比較してみましょう。

 A倉庫とB倉庫を比較してみたところ、コストに大きな差があったとします。その要因を分析し、もし余分なコストが発生していたとしたらそれを改善して...

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 保管の現状把握

 物流の重要機能である保管について、保管機能を4M(人、もの、設備、方法)の4つの視点から現状把握をしてみましょう。この時にまず保管に関わるコストを見ていくとよいでしょう。人はまさにその保管機能に関わる人件費です。その倉庫あるいは保管エリアで入出庫作業や在庫管理などを行っている作業者の方の人件費を把握します。

 社員であれば法定福利費や福利厚生費などを含めたすべての人件費で把握するということがポイントです。パートやアルバイトであれば実際の支払賃金に採用にかかったコストを加えればよろしいのではないでしょうか。

 ものであれば入出庫に使うフォークリフトの燃料、棚番表示などにつかう器材、安全保護具や消火器などの安全対策用品など倉庫運営に関わるもののコストを把握します。設備は倉庫建屋やラック、自動倉庫やフォークリフトなどの機器が対象になります。

 情報はその保管場で必要な情報、例えば入出庫指示情報や在庫管理情報など、保管を管理するための情報投資のコストが対象になります。さらにそこで発生している地代、自社倉庫であれば償却費や近隣の地代などで明らかに発生しているコストを明確にしていきます。

 

 また水道光熱費や固定資産税、保険料、補修費などいろいろなコストが発生していると思われます。これらについて一度調査を行い、その保管にかかっているトータルコストを明らかにしましょう。

 意外とここまで気を配ってみることは少ないかもしれません。しかしこれらが積もり積もると大きなコストとなることも考えられます。まずは現状を正しく把握してみましょう。これができましたら自社の他の保管場とデータ比較してみましょう。

 A倉庫とB倉庫を比較してみたところ、コストに大きな差があったとします。その要因を分析し、もし余分なコストが発生していたとしたらそれを改善していく活動につなげます。これができるのも物流の現状把握ができたからこそです。

 この保管の例にならって他の機能についても現状把握をしていきましょう。もちろん会社によっては5機能プラスワンよりも別の方法の方がわかりやすい場合もあります。その場合はそのわかりやすい分類でも一向に構いません。要は会社として発生している物流のすべてについて現状を把握することが大切なのです。

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
SCMの生産性を見える化して改善する方法、生産性を評価できるKPIで見える化

  実は、生産性の観点からのSCMの見直しはほとんど白紙状態です。今回は、生産性を評価できるKPIで見える化し生産性を劇的に向上させる方法...

  実は、生産性の観点からのSCMの見直しはほとんど白紙状態です。今回は、生産性を評価できるKPIで見える化し生産性を劇的に向上させる方法...


物流管理編 物流改善ネタ出し講座 (その11)

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...


輸送改善のための工場環境整備とは 儲ける輸送改善 (その2)

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流コストと在庫削減 物流業と在庫管理(その1)

◆ 物流会社に求められる在庫改善の知識  「在庫のコントロールは荷主の仕事だから自分たちは数の管理だけをやっていればいい」という話を物流に携わる方か...

◆ 物流会社に求められる在庫改善の知識  「在庫のコントロールは荷主の仕事だから自分たちは数の管理だけをやっていればいい」という話を物流に携わる方か...


カタログが物流サービスには無い 物流会社と荷主会社の関係性(その2)

  ◆ 物流カタログを作ろう  カタログには自社の製品と価格が載っています。それを見て購入者は買うかどうかを判断します。ところが物流会社...

  ◆ 物流カタログを作ろう  カタログには自社の製品と価格が載っています。それを見て購入者は買うかどうかを判断します。ところが物流会社...


作業訓練道場 物流職場での後輩育成(その3)

  ◆ 道場で基本学び、現場で仕事を覚える  ノウハウを伝えることができてきたら、いよいよ作業を標準化していくプロセスに移ります。  ...

  ◆ 道場で基本学び、現場で仕事を覚える  ノウハウを伝えることができてきたら、いよいよ作業を標準化していくプロセスに移ります。  ...