物流実力値のスコア化:高次元の物流を目指せ(その2)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 物流実力値のスコア化

 物流実力値のスコア化として、他社との物流の実力値比較はぜひやりたいところではあります。やり方としては他社に申し入れをして相手がその話に乗ってくれば可能でしょう。あるいは業界団体で研究会を設けKPI比較を実施するという方法もあります。

 ここで両方の条件となるのが「意を同じくする仲間が必要」だということです。自社だけでやろうとするのではなく複数の会社で同じ目的を持って活動をすることが必要となるのです。 共通KPIを設けてそれを比較することが望ましいのですが会社によってはデータを出したがらないところも多いと思われます。

 そこでスコアリングを行うことも考えられます。これは各KPIを設定したうえでその達成レベルに応じてスコア化するという手法です。まさに物流実力値のスコア化です。特徴はKPIのデータズバリを出すのではなくスコア値に置き換えて評価するという点にあります。ただしこの場合でも各社が共通のKPIで管理しているということが条件になります。ということで業界として同様のKPIを取っていない限りベンチマークのデータは非常に限られると思われます。

 

 では次に何を考えていくべきでしょうか。それは「理想形の物流像」を描く作業です。まずは荒唐無稽でもよいので「こうありたい物流像」を考えてみるのです。

 アマゾンはドローンでの配送や爆速での配送を描いています。爆速での配送とは顧客からオーダーが入ったら一番近くを走行しているトラックの中に設置されている3Dプリンターで生産して届けるという発想です。つまり他社が実施していない、あるいは考えていないであろう物流像を自社が考えていくことに特徴があるのです。

 ベンチマーク活動ではその業界ナンバーワンの会社のデータを把握してその会社にキャッチアップすることが目的になります。しかし「理想追求型」ではその上をいくことも可能...

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 物流実力値のスコア化

 物流実力値のスコア化として、他社との物流の実力値比較はぜひやりたいところではあります。やり方としては他社に申し入れをして相手がその話に乗ってくれば可能でしょう。あるいは業界団体で研究会を設けKPI比較を実施するという方法もあります。

 ここで両方の条件となるのが「意を同じくする仲間が必要」だということです。自社だけでやろうとするのではなく複数の会社で同じ目的を持って活動をすることが必要となるのです。 共通KPIを設けてそれを比較することが望ましいのですが会社によってはデータを出したがらないところも多いと思われます。

 そこでスコアリングを行うことも考えられます。これは各KPIを設定したうえでその達成レベルに応じてスコア化するという手法です。まさに物流実力値のスコア化です。特徴はKPIのデータズバリを出すのではなくスコア値に置き換えて評価するという点にあります。ただしこの場合でも各社が共通のKPIで管理しているということが条件になります。ということで業界として同様のKPIを取っていない限りベンチマークのデータは非常に限られると思われます。

 

 では次に何を考えていくべきでしょうか。それは「理想形の物流像」を描く作業です。まずは荒唐無稽でもよいので「こうありたい物流像」を考えてみるのです。

 アマゾンはドローンでの配送や爆速での配送を描いています。爆速での配送とは顧客からオーダーが入ったら一番近くを走行しているトラックの中に設置されている3Dプリンターで生産して届けるという発想です。つまり他社が実施していない、あるいは考えていないであろう物流像を自社が考えていくことに特徴があるのです。

 ベンチマーク活動ではその業界ナンバーワンの会社のデータを把握してその会社にキャッチアップすることが目的になります。しかし「理想追求型」ではその上をいくことも可能になってきます。一度今の固定観念を外して少し飛んだ発想をしてみることも重要ではないでしょうか。

 会社内ではもっと足元を固めて直実に向上していけ、と言われるかもしれません。しかし「理想形の物流像」を描く作業でから改革が生まれることもしばしばです。厳しい会社間の競争を勝ち抜くためには他社と同じ発想をしているだけでは不足かもしれないのです。

 

 次回に続きます。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
収益を決定するサプライチェーンの関係性

1.サプライチェーンの同期化と能力  個々の業務スピードが高くても、そのスピード自体がバラバラだと在庫が溜まるため、機会損失が発生します。そういった機会...

1.サプライチェーンの同期化と能力  個々の業務スピードが高くても、そのスピード自体がバラバラだと在庫が溜まるため、機会損失が発生します。そういった機会...


SCMにおけるブルウィップ効果、需要の変動が川上の工程へ増幅する

1. ブルウィップ効果とは  ブルウィップ効果は、川下の需要変動が川上にいくほど増幅していく需要変動増幅現象です。この現象は、フォレスター効果として19...

1. ブルウィップ効果とは  ブルウィップ効果は、川下の需要変動が川上にいくほど増幅していく需要変動増幅現象です。この現象は、フォレスター効果として19...


サプライチェーンにおけるリードタイム短縮の方策

1.情報共有とチームワークによる同期化  危機感や目標の共有が、キャッシュの回転スピードを上げます。 サプライチェーンの同期化とは、車の運転でいえば、速...

1.情報共有とチームワークによる同期化  危機感や目標の共有が、キャッシュの回転スピードを上げます。 サプライチェーンの同期化とは、車の運転でいえば、速...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
PR活動 物流地位向上に向けて(その5)

 物流の地位向上のためには、まず物流について知っていただくことから始まります。多くの人たちが物流自体を気に留めてもいませんから、物流のPR活動を行っていく...

 物流の地位向上のためには、まず物流について知っていただくことから始まります。多くの人たちが物流自体を気に留めてもいませんから、物流のPR活動を行っていく...


リスクアセスメントを実施しよう 物流安全管理(その3)

 前回のその2に続いて解説します。    物流は公道における安全管理はすべてに先立ちやらなければならないことは当然です。それと同時に、倉庫や工場といっ...

 前回のその2に続いて解説します。    物流は公道における安全管理はすべてに先立ちやらなければならないことは当然です。それと同時に、倉庫や工場といっ...


サプライチェーンマネジメント 物流マンの視野を広げる(その2)

  ◆ 在庫コントロールの取り組み  物流は調達時の輸送や荷姿、工場内運搬などの物流業務、顧客への販売過程における倉庫内在庫管理や配送な...

  ◆ 在庫コントロールの取り組み  物流は調達時の輸送や荷姿、工場内運搬などの物流業務、顧客への販売過程における倉庫内在庫管理や配送な...