出荷場の整備 物流会社の役割と荷主会社の役割(その2)

更新日

投稿日

SCM

 

◆ 荷主出荷場での役割分担

 物流会社が荷主会社のところに荷物を積みに行ったとしましょう。そこで待たされるとトラックの回転率が下がることは、前回お話させていただいた通りです。

 では、トラックポートが空いて積み込み作業が始まったとします。トラックドライバーが積み込む場合、すんなりと積み込めれば問題ありません。しかし荷物が置かれている場所とトラックまでの距離が離れていると、長距離運搬が発生し時間がかかることになります。

 荷物が分散して置かれていると、ドライバーはどの荷物を取ったら良いのか迷うことがあります。これは荷降ろしに関しても同じことがいえると思われます。ではこのようなことが発生しないようにするためには、どうしたら良いでしょうか。それが出荷場の整備というテーマになってきます。

 

 出荷場の環境を整備する例として「荷揃(そろ)え場所」の確保が挙げられます。きちんと場所を確保し、そこに出荷トラック別に荷揃えをしておくのです。トラックドライバーはこの荷揃え場にある荷をすべて積み込めばあとは走るだけ、ということになるわけです。

 この荷揃え場はトラックポートから30m程度の場所に設置することで、積み込み時の長距離運搬を避けることができるのです。さらに荷揃え場には看板を付け、どこ向けなのか、どの輸送会社の荷物なのかなどパッと見て分かるようにしておくことが大切です。積み込み作業にフォークリフトが必要であれば、トラックポートの数だけフォークリフトを配備しておくことも忘れてはなりません。

 このような出荷場、荷降ろし場の整備を行う役割を担っているのは荷主会社です。

 積み込み作業や荷降ろし作業を安全に行...

SCM

 

◆ 荷主出荷場での役割分担

 物流会社が荷主会社のところに荷物を積みに行ったとしましょう。そこで待たされるとトラックの回転率が下がることは、前回お話させていただいた通りです。

 では、トラックポートが空いて積み込み作業が始まったとします。トラックドライバーが積み込む場合、すんなりと積み込めれば問題ありません。しかし荷物が置かれている場所とトラックまでの距離が離れていると、長距離運搬が発生し時間がかかることになります。

 荷物が分散して置かれていると、ドライバーはどの荷物を取ったら良いのか迷うことがあります。これは荷降ろしに関しても同じことがいえると思われます。ではこのようなことが発生しないようにするためには、どうしたら良いでしょうか。それが出荷場の整備というテーマになってきます。

 

 出荷場の環境を整備する例として「荷揃(そろ)え場所」の確保が挙げられます。きちんと場所を確保し、そこに出荷トラック別に荷揃えをしておくのです。トラックドライバーはこの荷揃え場にある荷をすべて積み込めばあとは走るだけ、ということになるわけです。

 この荷揃え場はトラックポートから30m程度の場所に設置することで、積み込み時の長距離運搬を避けることができるのです。さらに荷揃え場には看板を付け、どこ向けなのか、どの輸送会社の荷物なのかなどパッと見て分かるようにしておくことが大切です。積み込み作業にフォークリフトが必要であれば、トラックポートの数だけフォークリフトを配備しておくことも忘れてはなりません。

 このような出荷場、荷降ろし場の整備を行う役割を担っているのは荷主会社です。

 積み込み作業や荷降ろし作業を安全に行う役割は物流会社にあります。ウイングを開けたまま走ることで、荷主会社構内のどこかにぶつけてしまうようなことは間違っても発生させてはなりません。荷主構内の安全についてはその基準を荷主会社が定め、その通り守ることは物流会社のタスクになります。荷主会社がヘルメット着用を義務付けているのであれば、物流会社はそれに従うべきだといえます。

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
フールプルーフを導入しよう 物流品質の向上 (その6)

1.フール・プルーフとは何か  工場で物流品質を最高水準に保つためには「人が間違いを犯しにくいしくみ」や、「品質向上に対する意識づけ」、「物流現場に...

1.フール・プルーフとは何か  工場で物流品質を最高水準に保つためには「人が間違いを犯しにくいしくみ」や、「品質向上に対する意識づけ」、「物流現場に...


物流不良撲滅 物流品質の向上 (その4)

1.工場の評判を落とす出荷品質不良  前回の第3回に続いて解説します。工場におけるものづくり品質は不良が起こりにくい工法を生産技術部門で開発し、それ...

1.工場の評判を落とす出荷品質不良  前回の第3回に続いて解説します。工場におけるものづくり品質は不良が起こりにくい工法を生産技術部門で開発し、それ...


サプライチェーン構築における計測と配置の重要性

1.連続したモニタリング   車の運転やスポーツをしている時は、常にリアルタイムかつ連続して状況判断・計画・実行が行われています。生産・販売の...

1.連続したモニタリング   車の運転やスポーツをしている時は、常にリアルタイムかつ連続して状況判断・計画・実行が行われています。生産・販売の...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
原価積み上げでの価格設定 購買業務の要点(その2)

  購買業務の要点(その1)サプライチェーンの入り口業務に続けて、解説します。   4. 原価積み上げでの価格設定 RFQ...

  購買業務の要点(その1)サプライチェーンの入り口業務に続けて、解説します。   4. 原価積み上げでの価格設定 RFQ...


コミュニケーション技術と物流水準の向上

  1.コミュニケーションと物流効率化 ものがある限り物流は発生しますので、物流は無くならないと考えるべきでしょう。この物流をいかに効率...

  1.コミュニケーションと物流効率化 ものがある限り物流は発生しますので、物流は無くならないと考えるべきでしょう。この物流をいかに効率...


  物流作業の生産性とは:物流実力値把握の重要性(その1)

  ◆ 物流生産性の把握  今回から、物流実力値把握の重要性を解説します。物流も作業ですから製造会社で行っているものと同等の管理が必要で...

  ◆ 物流生産性の把握  今回から、物流実力値把握の重要性を解説します。物流も作業ですから製造会社で行っているものと同等の管理が必要で...