工程能力指数

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◆ Cp=3.0なのに苦情が絶えないのは?

 Cpとは工程能力指数です。特性値が規格範囲にどの程度収まっているかを観る為の指数です。ある部品の長さ規格が100±1mmだとすると、実際の製品の長さは99-101mmの範囲に100%収まっているのが理想です。然しながら同じ工場、同じ機械、同じ元材料、同じ作業者にて同じ様に加工したとしてもばらつきは発生します。
 
 仮に100万個作ったら何個が規格外れになるでしょうか、それを知るための目安指標がCpやCpkと呼ばれる指標です。ばらつきを表す統計指標の1つに標準偏差σがあります。Cpは、その計算式から規格範囲内にσ何個分が含まれるか表していると言えます。
 
 Cp(もしくはCpk)=1.0の時は、造った部品の99.73%が規格内に収まり、約0.3%が規格範囲外となります。即ち100万個作成したら、2700個程度が規格から外れます。
 
 一般にCp・Cpkの値は1.33以上は必要で、1.66以上が好ましいと言われます。1.33は0.006%が規格外になり、100万個のうち63個が規格外となります。 同様に1.66であれば0.00006%であり、100万個作成してわずか0.6個となります。
 
 もしCp値が3.0であれば・・・一般的感覚で言えばゼロに等しいと言えます。然しながら、ある企業ではCp値が3.0なのに規格外れの苦情が絶えませんでした。工程能力が3.0もあれば検査工程など必要なく、淡々と製造してれば規格内に入ったものが生み出されるはずです。それが何故苦情が生じるのか、考えられる原因はいくつかあります。
 
(1)規格値が旧世代のままで実情からかけ離れている
(2)異常値を除いてCp値を計算しており実態と異なっている
(3)計測技術が低く、同一値が多数見られる
 
 3番目ですが、同じ値を用いて計算するとσ値が小さくなり、Cpは逆に高くなります。上記の企業では、上の3つのどれにも当てはまりませんでした。 実は「規格に入るまで何度も測りなおし、入ったデータを採用していた」でした。
 
 測定行為のばらつき防止の為、数回測定し平均値や中央値を採用する事は良くあります。それが悪い意味で拡大解釈されると、この様な事が生じます。強い歩留り改善要求が、品質管理意識を越えてしまった為に生じたものでした。
 
 そもそも3.0は高過ぎる事に疑問を持つべきだったと思います。3.0もあるのにおかしいと嘆く前に、現場を観察していればもっと早く原因に辿り着いた事でしょう。
 

この記事の著者

眞名子 和義

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