ビックデータ時代と米国大統領戦

 
ビックデータ
ビックデータ時代を考える事例として、今回の第45代米国大統領選挙を見てみます。第45代の米国大統領に、ドナルド・トランプ氏が決まりましたが、トランプ氏当選は日本経済に取っては良くないとの意見が多い中で意外にも経済指標的には期待されてる事がわかります。本選の週は連日メディアで取り上げられ、開票速報も国政選挙さながらでした。第45代米国大統領選が如何に日本の国益に影響を及ぼすか改めてわかるものでした。
 
 ヒラリー氏は42代目大統領ビル・クリントンの妻で当選していたら女性初大統領と言う事になっていたわけですが、今回の結果も英国のEU離脱の国民投票結果並の予想外の結果だったようです。
 
 ところで、アメリカ大統領選挙の方法ですが簡単に言うと民主党と共和党から予備選挙で大統領候補を一名ずつ選出し、本選挙でタイマン勝負となります。
 
 本選挙方法ですが、国民が全米50州にいる選挙人に投票します。つまりどの大統領を選ぶかは選挙人に託しますよという事です。直接投票が結果に反映されるのでは無く、投票人に託される間接選挙です。
 
 選挙人は州毎に人数が割り当ててあり、その投票人がどちらの大統領を指示するか決めます。州毎に獲得選挙人が多い大統領候補者がその州を制し、その州全部の投票人の票を獲得出来ます。つまり過半数を取った人が全部の票を総取り出来るシステムです。
 
 例えば、カルフォルニア州だと選挙人が55名いて、過半数を獲得すれば55名全員の票を獲得した事と同様になります。州に割り当ててある選挙人の数は異なり少ない州は2,3名というところもあるので多数の州を制するより選挙人の多い州を制したほうが勝利に繋がるのです。この選挙の仕組みを考えると選挙活動をする上での注力すべきポイントが絞られてきます。
 
 民主党と共和党、州により支持政党もあるわけなので固い州もあれば中立な州もあるようです。そんな中でこの州を制した方が勝利が確実という州が存在します。
 
 それはオハイオ州です。オハイオ州自体の選挙人は18人なので多数州に属しますがものすごく選挙人が多いわけではありません。では何故オハイオを制したほうが大統領選を制すと言われているのでしょうか。
 
 実はこれも過去の統計結果から来ています。1964年以降、この州を制したほうが大統領選に高確率で勝利しています。開票速報でもこの州の当確により注目がおかれてました。何故オハイオ州が要なのかと言うと選挙人の数がすごく多いと言う理由では無く、母集団を表す良いサンプルだからです。実際に今年もオハイオ州を制したトランプ氏が当選しました。
 
 オハイオ州は産業構成や人口構成(人種の割合)などから全米の縮図と言われる州であり、等しく全ての州からサンプリングしたのに近いサンプリングがこの州での結果を見ることで判断出来るからというわけです。
 
 『全米に売り出す新製品のサンプリングモニターならオハイオ州は絶好のモデル州』と言えます。さすがに大統領選挙はアメリカの次の四年を託す人を決める投票ですからオハイオ州だけのサンプリングで済ますというわけにはいきません。今回は「この法則」が外れるだろうと予測されていたくらいです。それだけヒラリー氏有利だと思われていたのです。
 
 日本でも国勢調査で全国民を調査する全数調査がありますが、この結果を元にして各企業が試作品のモニターのためのサンプリングを行ってます。データの収集や試作品の調査は闇雲にやっても上手く行きません。全国的に売れ行きを上げたいのか、一部層だけに絶大な人気を誇れば良いのか、目的に応じてもやり方が変わってきます。
 
 例えば、一個100円のものなら広いエリアで多くの人に買ってもらいたいはずですが、1000万のものなら一部のコアなファンや富裕層に買ってもらえば良いのです。このようなサービスの特徴に応じて見込み購買層が異なりますから事前調査においてもデータサンプリングの方法を熟考する事は非常に大切です。
 
 ビックデータ時代です。情報収集・分析・対策立案と施行に秀でた企業だけが生き残れることになります。インフォメーションを上手く活用出来ない所は、例え良い商品を提供できるサービス力があっても淘汰されて行くでしょう。
 

この記事の著者

眞名子 和義

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