TRIZにおける発明標準解の解説

1. 発明標準解とは

 TRIZのサブツールの中に、「発明標準解」と呼ばれるものがあります。Altshullerは「76の発明標準解」として発表し、その後Darrell Mannが、「TRIZ実践と効用(1)体系的技術革新」の中で、110種類以上に上積みしています。従来のTRIZの解説書では、この標準解が物質-場分析とセットで活用するように解説されていました。そのため入門者にとって、非常に使いにくいツールとも思われていたように思います。特に日本の技術者は、抽象化スキルの訓練をほとんど受けてこなかったため、その傾向が強いようです。もし詳細を学びたい場合は、Darrell Mannの著書で確認するのをお勧めします。

 Altshuller がまとめた76の発明標準解の体系は、次のように大きく4つに分類されています。 

<76の発明標準解>

A. 不完全な「物質-場」に対して

B. 測定・検出問題に対して

C. 有害な効果に対して
 C1 既存 の物質を変更する
 C2 場を変更する
 C3 新しい物質を導入する
 C4 新しい場を導入する
 C5 新しい物質と場を導入する
 C6 下位システムへ移行する
 C7 上位システムへ移行する

D. 不十分または過剰な関係に対して
 D1 既存の物質を変更する
 D2 場を変更する
 D3 新しい物質を導入する
 D4 新しい場を導入する
 D5 新しい物質と場を導入する
 D6 下位システムへ移行する
 D7 上位システムへ移行する

 

2. 簡単な適用事例

 具体的には、どのように76の発明標準解が使われているのでしょうか。オーソドックスな活用事例を紹介します。

 例えば、マッチ工場の箱詰めで、頭薬の方向をどう揃えればよいかという課題があったとします。発明標準解の物質-場分析で、不完全な物質-場に対して場と新しい物質を付加することを考えると、図1 のように描けます。そこで、場を磁石と考え、新しい物質を磁性粉と考えるわけです。

発明標準解のオーソドックスな活用法
 
図1 発明標準解の活用事例

 またいくつかの企業で実際に活用して、スムーズに使えましたとの報告を受けている方法があります。それは、物質-場分析を省略して、40の発明原理、進化トレンド、9画面法、リソースなどでアイデア出しした後、発明標準解をヒントの抜け漏れのチェックリスト的に活用することでした。

参考文献

Darrell Mann 他、TRIZ実践と効用(1)体系的技術革新


この記事の著者

粕谷 茂

「感動製品=TRIZ*潜在ニーズ*想い」実現のため、差別化技術力、自律人財創出を支援します。

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