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1. はじめに
紙幣識別装置は、自動販売機やATMなどの無人決済システムにおいて重要な役割を果たす技術です。私は長年、紙幣識別装置の開発や技術支援を行ってきました。昨年の7月に新紙幣が発行され、いまだに新紙幣対応できていない券売機などもたくさんありますが、これをきっかけに紙幣識別装置への認知や関心も上がったと期待しています。
2. 紙幣識別装置の技術的進化
紙幣識別装置の起源は1950年代にさかのぼります。この年、国産初の硬貨計数機が完成し、造幣局に納入されました。これは、その後の金銭処理の省力化・高信頼化に貢献する重要な技術的進歩でした。このように、1950年代初期は日本の通貨システムが近代化され、経済復興を支える重要な基盤が整備された時期だったと言えます。
(1)1970年代〜1980年代の技術革新
この時期、紙幣識別技術は飛躍的に進歩しました。主要な技術的進展は以下の通りです。
- センサー技術・・・・・光学センサーと磁気センサーの複合利用による高精度な特徴抽出
- データ処理・・・・...