創造的変革はCREATEが条件

更新日

投稿日

1.CREATEの条件

 私は創造的革新のポイントを「創造」の英語の動詞「CREATE」の6つの頭文字で説明しています。

  ①Change Agent・・・・変革者
  ②Reason・・・・・・・・・・理由
  ③Environment・・・・・環境
  ④Aim・・・・・・・・・・・・・・目標
  ⑤Technology・・・・・・技術
  ⑥Energy・・・・・・・・・・・情熱

 創造はまず人です。何としても現状を変えなくてはと真剣に考え、実践しようとする人、つまり「変革者」が欠かせません。

 次に大切なのは変革の「理由」です。なぜ変革が必要なのかを周囲に納得させなければなりません。そのためには、変革者を支持してくれる「環境」が大切です。つまり組織上部のバックアップが何よりも重要です。

 このような環境が整ったら、次は到達すべき「目標」を決めることです。ゴールを決めない創造はありえません。そして解決のためにありとあらゆる「技術」を動員すべきです。最後は目標達成へのたゆまぬ努力、つまり「情熱」なのです。

 

2.日産変革の条件も同じ

 日産の大変革者を例に説明しましょう。「変革者」はCOO(最高執行責任者)のカルロス・ゴーンさん。変革の「理由」は言うまでもありません。実は日産は、変革せねばと全社員が思い、抜本的でないと意味がないと誰もが考えていました。しかし誰も手を下そうとしませんでした。

 変革推進の「環境」づくりは社長の塙さん。彼は「ゴーンさんに全て任せてます」と社内の異論を封じ込めています。

 ゴーンさんは変革の「目標」を2002年までに5工場閉鎖、2万1千人削減など数字で明示しています。この...

1.CREATEの条件

 私は創造的革新のポイントを「創造」の英語の動詞「CREATE」の6つの頭文字で説明しています。

  ①Change Agent・・・・変革者
  ②Reason・・・・・・・・・・理由
  ③Environment・・・・・環境
  ④Aim・・・・・・・・・・・・・・目標
  ⑤Technology・・・・・・技術
  ⑥Energy・・・・・・・・・・・情熱

 創造はまず人です。何としても現状を変えなくてはと真剣に考え、実践しようとする人、つまり「変革者」が欠かせません。

 次に大切なのは変革の「理由」です。なぜ変革が必要なのかを周囲に納得させなければなりません。そのためには、変革者を支持してくれる「環境」が大切です。つまり組織上部のバックアップが何よりも重要です。

 このような環境が整ったら、次は到達すべき「目標」を決めることです。ゴールを決めない創造はありえません。そして解決のためにありとあらゆる「技術」を動員すべきです。最後は目標達成へのたゆまぬ努力、つまり「情熱」なのです。

 

2.日産変革の条件も同じ

 日産の大変革者を例に説明しましょう。「変革者」はCOO(最高執行責任者)のカルロス・ゴーンさん。変革の「理由」は言うまでもありません。実は日産は、変革せねばと全社員が思い、抜本的でないと意味がないと誰もが考えていました。しかし誰も手を下そうとしませんでした。

 変革推進の「環境」づくりは社長の塙さん。彼は「ゴーンさんに全て任せてます」と社内の異論を封じ込めています。

 ゴーンさんは変革の「目標」を2002年までに5工場閉鎖、2万1千人削減など数字で明示しています。この目標は、徹底した現場回りと、最新の情報「技術」などで割り出したものです。そして全従業員に衛星中継で同時に発表しました。ゴーンさんはこれが期限までに成功しなければ辞任すると言い切り、自らの退路を断ち変革への「情熱」を燃やしています。

 日産の変革は創造的変革の条件をずばり表していました。

創造性発揮チャート

図1創造性の促進チャート

◆関連解説『アイデア発想法とは』

   続きを読むには・・・


この記事の著者

髙橋 誠

企業のイノベーション戦略の構築と実践をお手伝いし、社員の創造性開発を促進し、新商品の開発を支援します!

企業のイノベーション戦略の構築と実践をお手伝いし、社員の創造性開発を促進し、新商品の開発を支援します!


「アイデア発想法一般」の他のキーワード解説記事

もっと見る
何を作ったら良いか分らない状態での新商品開発法とは(その2)

 何を作ったら良いか分らない状態の下で、新商品・新システムを考え出すための新商品開発法 (S2D)を 連載で解説しています。今回は、その2です。...

 何を作ったら良いか分らない状態の下で、新商品・新システムを考え出すための新商品開発法 (S2D)を 連載で解説しています。今回は、その2です。...


強烈な問題意識が創造のスタート、固定観念から抜け出せ!

1.ビジネスマンに必要な感性  ビジネスマンは、すべからく企画マンであるべき時代です。企画マンにとって最も大切なものは鋭敏な感受性であり、別な言葉で言え...

1.ビジネスマンに必要な感性  ビジネスマンは、すべからく企画マンであるべき時代です。企画マンにとって最も大切なものは鋭敏な感受性であり、別な言葉で言え...


何を作ったら良いか分らない状態での新商品開発法とは(その3)

 前回のその2に続いて解説します。   3.新商品開発を進めるための方法(S2D)   (2)10年後の未来素案の作成 &n...

 前回のその2に続いて解説します。   3.新商品開発を進めるための方法(S2D)   (2)10年後の未来素案の作成 &n...


「アイデア発想法一般」の活用事例

もっと見る
発明事例-実験で出たガスの臭いから未知の生成物を直観、合成ゴム発明の物語

 アセチレンの研究に没頭していたアメリカの化学者ジュリアス・オーサー・ニューランドは、ある時アセチレンを銅とアルカリ金属の塩化物の溶液に通すと奇妙なにおい...

 アセチレンの研究に没頭していたアメリカの化学者ジュリアス・オーサー・ニューランドは、ある時アセチレンを銅とアルカリ金属の塩化物の溶液に通すと奇妙なにおい...


連想ゲームで発想した事例 -電池と振り子時計-

1.ガルバーニの研究を受け継いで、最初の電池を考案したイタリアの物理学者アレッサンドロ・ボルタ  最初に電池を考案したのは、イタリアのアレッサンドロ・ボ...

1.ガルバーニの研究を受け継いで、最初の電池を考案したイタリアの物理学者アレッサンドロ・ボルタ  最初に電池を考案したのは、イタリアのアレッサンドロ・ボ...


しつこく繰り返して、発見や発明を生んだ事例1-噴射式復水器、蓄音機-

1.蒸気の性質を科学的に調べ続け、実用に耐える蒸気機関を完成させた、イギリスの科学者ジェームズ・ワット    産業革命を推進する原動力となった蒸気機関...

1.蒸気の性質を科学的に調べ続け、実用に耐える蒸気機関を完成させた、イギリスの科学者ジェームズ・ワット    産業革命を推進する原動力となった蒸気機関...