【中止】ポリ乳酸の基礎・最新動向と高機能性繊維・不織布への応用展開

スマート・ファイバーとしてのポリ乳酸繊維・不織布の
新規製品事業の最前線を解説します!

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    セミナー趣旨

     海洋プラスチック汚染問題が深刻化する中、生分解性プラスチック「ポリ乳酸」の存在感が日増しに向上しつつある。ポリ乳酸繊維は単なる植物由来の生分解性繊維であるにとどまらず、一切の添加剤なしで既存の天然・合成繊維にはない安全・衛生性、抗菌・防黴性、防炎性、吸・放湿性、耐候性、圧電性等のポリ乳酸繊維固有の卓越した高機能性を有する類い稀なる“スマート・ファイバー” である。
     今や合成繊維・不織布は量で勝負する高度成長期のトップダウン型消耗戦の時代は終了した。21世紀の成熟社会においては消費者の多様な潜在的ニーズをいち早く探り当てる機動戦の時代へと突入しつつある。折しも、日本の古都京都の中小企業から10年余の雌伏期間を経て、今や世界市場を席巻する画期的な新製品、ポリ乳酸繊維製ティバッグが誕生した。
     旧来の既成概念や価値観を根底から覆す真のイノベーションは顧客の目先のニーズから生まれるのではなく、供給者自らがイニシアティブを握り顧客にはないニーズを創発することである。
     本講は旧来の既成概念や価値観の呪縛から解放され、スマート・ファイバーとしてのポリ乳酸繊維・不織布の新規製品事業の最前線を踏査する。

    習得できる知識

    ・イノベーションの正しい理解と遂行するために求められる資質と能力
    ・地球環境保全と資源循環型社会に向けての国内外動向
    ・第二世代ポリ乳酸繊維・不織布の糸質特性と高機能性
    ・ポリ乳酸繊維・不織布の用途/市場開発動向と製品事業化事例

    セミナープログラム

    1. イノベーション(Innovation)とは?
     ―イノベーションが渇望される今こそ、多くの日本人の誤解を覚醒する!
     1.1 J.A.シュンペーターによる「新結合」の概念提唱:「経済発展の理論」(1912)
     1.2 破壊的イノベーションと持続的イノベーション
     1.3 シュンペーターが意図した真のイノベーション「破壊的イノベーション」とは、
      顧客のニーズに基づくのではなく顧客にないニーズを創発することである!
     1.4 経営の神様P.F.ドラッカーの「イノベーションと企業家精神」とは?
     1.5 イノベーションを阻む見えない「ガラスの壁」をブレイク・スルーするには!?
     1.6 C.M.クリステンセンの「イノベーションのジレンマ ー 技術革新が巨大企業を滅ぼす時」
      …なぜ優良企業が、優れた経営が失敗するのか?
     1.7 個々の技術力に勝る日本企業が、何故事業で敗れるのか?
      …WhyやWhatを語らないHow to病の日本!
     1.8 「PDCAサイクル」の進化形、機動戦を勝ち抜くためのOODAループとは?

    2.ポリ乳酸(PLA)の本格的実用化時代の到来
     ―繊維・不織布素材におけるグリーン・イノベーション
     2.1 地球環境保全と持続的な資源循環型社会の建設
      1)海洋プラスチック汚染問題とその解決策としての生分解性プラスチック
       ①海洋プラスチック汚染の実態
       ②海洋プラ濃度の経年変化曲線…非生分解性プラと生分解性プラの比較
       ③ポリ乳酸の海水中での分解挙動
       ④海洋汚染問題に対する短期的視点と長期的(グローバルな)視点
       ⑤自然生態系が許容し得る生分解速度(ポジティブ・コントロール)とは?
      2)日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示制度…グリーンプラとバイオマスプラ
      3)カーボンフットプリント(CFP)…LCAによる環境負荷の客観的・定量的評価
      4)欧米グリーンガイド指針…biodegradableではなくてcompostable(堆肥化可能)
      5)欧州の法規制動向…使い捨てプラ容器の使用禁止新法の制定(2020, 仏)他
     2.2 ポリ乳酸の最新動向
      1)メーカーと生産能力
       ①NatureWorks社(米)…Ingeo®(14万トン/年) 
       ②Total-Corbion社(蘭)…Luminy®(7.5万トン/年、2018年より)
      2)第二世代ポリ乳酸の登場…高L組成ポリ乳酸(High %L PLA), %D < 0.5%
      3)第二世代ポリ乳酸に期待される改良効果…寸法安定性(熱収縮率の低減)他
     2.3 ポリ乳酸繊維・不織布メーカーと製品銘柄
      1)ユニチカ/テラマック(TERRAMAC)® ほか
       ①繊維…モノフィラメント、長繊維、短繊維、ショートカット、芯鞘複合繊維、
        サイド・バイ・サイド複合繊維
       ②不織布…スパンボンド、メルトブローン、サーマルボンド、湿式、乾式、
        スパンレース、ニーパン

    3.スマート・ファイバーとしての高機能性ポリ乳酸繊維・不織布
     ―その潜在的可能性と新規製品事業の創出最前線
     3.1 ポリ乳酸繊維の糸質特性…PET繊維との比較
     3.2 スマート・ファイバーとしての基本的要件
      1)植物由来の完全生分解性合成繊維…自然から生まれ自然に還る
       ①環境低負荷 ②耐久性と生分解性の両立 ③再資源化(堆肥化)可能
      2)一切の添加剤や後加工を必要としない素材固有の多彩な高機能性保持
     3.3 ポリ乳酸繊維・不織布の高機能性認証基準又は試験法
      1)生分解性…ISO 14855(JIS K6395)、ISO14985(JIS K6398) 
      2)堆肥化可能性…EN13432 by Din Certco、ASTM D6400 by BPI
      3)安全・衛生性(食品衛生性)…食品衛生法370号、ポリ衛恊、FCN、EU
      4)抗菌・防カビ性…抗菌防臭加工新基準/繊維製品新機能性評価協議会
      5)防炎性…LOI値、JIS K7201/日本防炎協会
      6)吸・放湿性…水滴落下法(湿潤⇒乾燥速度の観察)
      7)耐候(光)性…Sunshine Weather Meter、フェードメータ、屋外暴露試験
      8)圧電性…圧力を加えた時に発生する電気エネルギーの計測
     3.4 ポリ乳酸繊維・不織布固有の高機能性と期待される用途・製品分野
      1)生分解性
       ①土中・水中での生分解性
        …農林・土木・園芸・水産用資材⇒使用後分解消滅、自然生態系の復元
       ②堆肥化可能性…食品並びに廃棄物用フィルター⇒生ごみと共に堆肥化
       ③生体内分解吸収性…医療用具(縫合糸や骨折固定用ボルト)⇒治癒後分解消滅
      2)安全・衛生性…食品包装材や生活衛生品、衣類⇒食品衛生性、安全性
      3)抗菌・防カビ性…タオル等の生活衛生品、ワイパー、フィルター⇒
       長期使用に伴う嫌な臭いの発生防止と衛生性・快適性の維持
      4)防炎性…インテリア、寝具、詰め綿⇒火災時の延焼と発生ガスの抑制
      5)吸・放湿性…肌着、インナー、壁紙⇒衣服内環境ムレ防止、室内環境結露防止
      6)耐候(光)性…農林・園芸・土木資材、旗、カーテン⇒屋外環境下での劣化防止
      7)圧電性…圧電ファブリック、ウエアラブル・センサー⇒動きを生地でデータ化
     3.5 代表的な製品事業化例
      1)エコバッグ…クナプラス(kna plus)®/クナプラス
      2)浴用タオル…泡立ちマシュマロ/原田織物ほか
      3)ティバッグ・フィルター…ソイロン(SOILON)®/山中産業
      4)ヘッドレストカバー、ワイパー…JR東日本、ボーデンほか
      5)土木用シート…チカミミルテック、ユニチカほか
      6)シェールガス採掘用目止め材…米国
      7) 3Dプリンター用モノフィラメント…ユニチカ
      8) ウエアラブル・センサー(圧電組紐)…関西大・帝人

    セミナー講師

    望月 政嗣 氏(京都大学・工学博士、高分子学会フェロー)
    【ご専門】
     高分子材料科学、特にバイオプラスチックや生分解性プラスチック、高分子の高性能・
     高機能化材料設計と成形加工技術、繊維・不織布の構造と物性
    【ご略歴・ご活躍】
     1968年 京都大学工学部高分子化学科卒。京都大学工学部助手を経て、
     1969年ユニチカ㈱入社。中央研究所から大阪本社技術開発企画室を経て、
     2003年理事、テラマック事業開発部長。
      この間、山形大学と京都工芸繊維大学客員教授、
      京都工芸繊維大学バイオベースマテリアル研究センター特任教授兼務。
     2007年ユニチカ㈱退職後、
     京都工芸繊維大学繊維科学センター特任教授(常勤)として5年間勤務。
      この間、日経BP技術賞他受賞。
      日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示委員会委員長、
      (社)繊繊学会理事関西支部長等を歴任。
     著書に「新規バイオプラスチックの素材・技術最前線」その他多数。

    セミナー受講料

    55,000円(税込、昼食・資料付)
    ■ セミナー主催者からの会員登録をしていただいた場合、1名で申込の場合49,500円、
      2名同時申込の場合計55,000円(2人目無料:1名あたり27,500円)で受講できます。
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    高分子・樹脂材料   繊維技術   環境負荷抑制技術

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