火力発電ボイラなどの高温機器に用いられている耐熱材料の損傷形態に注目した寿命評価法【会場/WEB選択可】WEB受講の場合のみ,ライブ配信/アーカイブ配信(7日間、何度でも視聴可)
経年化が進む火力・原子力発電設備では、ボイラや配管などの高温機器におけるクリープ損傷・疲労損傷の進行が深刻な課題です。従来の寿命評価法の限界を整理し、ミニチュア・クリープ試験やIso-stress法など、最新の非破壊・解析的アプローチをわかりやすく解説します。さらに、実機部材への適用事例を通じ、設計・保全現場で即活用できる「高温耐熱材料の余寿命評価・健全性診断」の実践知を体系的に習得できます!
【WEB受講のみ】ライブ配信/アーカイブ配信(7日間、何度でも視聴可)
セミナー趣旨
我が国の現在の電源構成は、水力20%、原子力20%に対して、火力が60%を占めている。地球環境問題に対応していくため、将来的には原子力発電に依存する割合が次第に増加していくと考えられるが、当面は火力発電が電力供給の半分程度を分担すると考えられる。火力発電は、電力の安定供給に今後とも重要な役割を果たすことになる。
しかし、その設備の多くは数十年以上前に建設されており、設備の経年劣化が進行している。こういう状況の下で、経年劣化が進み古くなった火力発電の余寿命推定は重要な課題となっている。火力発電の高温機器では、現状はボイラ等のクリープ損傷部に破壊的手法が適用できないため、クリープ損傷部は非破壊的手法によって寿命評価され、更に頻繁な起動・停止による付加変動も伴うクリープ疲労損傷部は主に応力的解析手法により寿命評価が行われている。
本セミナーでは、先ず、火力発電の高温機器に用いられている耐熱材料において、ボイラ部材のクリープ損傷部、疲労損傷部およびクリープ疲労損傷部について従来適用される各種寿命評価法の特徴と問題点を分かりやすく説明する。次に、我々が開発した新しい手法を用いたクリープ損傷評価、疲労損傷評価およびクリープ疲労損傷評価の内容を紹介する。更に、本評価法を火力発電ボイラと原子力発電の実部材へ実際に適用した例も紹介する。本セミナーは高温機器製造メーカで、設計・製造に携わる技術者に大いに役立つと考える。
受講対象・レベル
高温機器製造メーカで設計、製造業に携わる技術者
必要な予備知識
特に必要ありません。
習得できる知識
1)ボイラ部材のクリープ損傷部、疲労損傷部およびクリープ疲労損傷部で適用される各種寿命評価法
2)部材のクリープ損傷部・疲労損傷部およびクリープ疲労損傷部の各種寿命評価法
3)クリープ損傷評価、疲労損傷評価およびクリープ疲労損傷評価4)本評価法を火力発電ボイラと原子力発電の実部材へ実際に適用した例
セミナープログラム
1.耐熱材料の寿命評価の従来法の問題点
1.1 概要
1.2 クリープ損傷評価
1.2.1 寿命評価に用いられる従来法
1.2.2 従来法の問題点と新しい手法
1.3 疲労、クリープ疲労損傷評価
1.3.1 寿命評価に用いられる従来法
1.3.2 従来法の問題点と新しい手法
1.4 まとめ
2.クリープ損傷評価法の開発
2.1 概要
2.2 ミニチュア・サンプリング法
2.3 ミニチュア試験片作製法
2.4 Ar雰囲気中のミニチュア・クリープ破断試験機の開発
2.4.1 ミニチュア・クリープ試験機の開発
2.4.2 クリープ破断試験結果
2.5 Iso-stress法による寿命予測
2.5.1 2.25Cr-1Mo鋼の評価
(1) 温度加速試験結果
① Iso-stress法の直線性
② Iso-stress法の外挿精度
(2) 組織変化
(3) 破壊機構の変化
(4) 粒界酸化の影響
(5) 破断伸びおよび硬さの変化
2.5.2 18Cr-8Ni鋼の評価
(1) 温度加速試験結果
① Iso-stress法の直線性
② Iso-stress法の外挿精度
(2) 組織変化
(3) 破壊機構の変化
(4) 粒界酸化の影響
(5) 破断伸びおよび硬さの変化
2.6 まとめ
3.疲労、クリープ疲労損傷評価法の開発
3.1 概要
3.2 データの解析によるDiercksの実験式の寿命評価
3.2.1 試験方法
3.2.2 疲労、クリープ疲労試験結果
3.2.3 線形累積損傷則による評価
3.2.4 ひずみ範囲分割法による評価
3.2.5 データの解析によるDiercksの実験式の寿命評価
(1) 18Cr-8Ni鋼との比較による疲労強度の補正
(2) 18Cr-8Ni鋼との比較によるクリープ破断強度の補正
(3) 疲労、クリープ疲労の寿命予測精度向上
3.3 まとめ
4.耐熱材料の余寿命評価法の提案
4.1 概要
4.2 ミニチュア・クリープ試験法による余寿命予測法の提案
4.2.1 クリープ損傷部位の余寿命評価フロー
4.2.2 実機への適用検討例
4.3 Diercksの実験式による余寿命予測法の提案
4.3.1 クリープ疲労損傷部位の余寿命評価フロー
4.3.2 実機への適用検討例
4.4 まとめ
5.評価法の実部材への適用
5.1 概要
5.2 ボイラ部材のクリープ破断寿命評価
5.2.1 寿命評価位置の選定および試料採取
5.2.2 厚肉部材の評価
(1)母材の評価
(2)溶接熱影響部の評価
(3)ミニチュア・クリープ試験法と非破壊的手法による評価結果の比較
5.3 原子力部材のクリープ疲労寿命評価
5.3.1 高速増殖炉上記発生器部材への適用
(1)母材の評価
(2) 溶接部の評価
5.4 まとめ
質疑・応答
セミナー講師
ソノヤラボ株式会社 代表 園家 啓嗣 先生
元 山梨大学教授 工学博士、技術士(金属部門)、International Welding Engineer(IWE)
1977年 大阪大学大学院工学研究科博士前期課程 修了
1977年 石川島播磨重工業㈱
2006年 産業技術総合研究所客員研究員
2007年 芝浦工業大学教授(システム工学部)
2009年 山梨大学教授(大学院医学工学総合研究部)
2016年 SONOYALAB創業
著書
初めての人も、技術者も理解できる環境調和型モノつくり手法とその実際(単著)、2020年12月、㈱シーエムシー・リサーチ
初めての人も、技術者も理解できる切断加工技術の基礎とその応用(単著)、2020年10月、㈱シーエムシー・リサーチ
初めての人も、技術者も理解できる超音波接合の基礎とアルミニウム合金・異種金属接合への応用(単著)、2020年7月、㈱シーエムシー・リサーチ
初めての人も、技術者も理解できる抵抗スポット溶接技術の基礎とアルミ合金・異材接合への応用(単著)、2020年6月、㈱シーエムシー・リサーチ など
セミナー受講料
(消費税率10%込)1名:38,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:33,000円
テキスト:PDF資料(受講料に含む)
受講料
38,500円(税込)/人





