
セミナー趣旨
エレクトロニクスやメカトロニクスなどの分野では、デバイスの進化に伴い、異種材料の接着・接合技術の重要性は益々高まっています。接着・接合技術には、有機系接着剤やはんだ等の金属系接合材料を用いるものだけでなく、表面活性化接合や分子接着技術など様々な手法が研究されています。しかし、これらの接着・接合技術の全体を見通せるような教科書は存在しておらず、それぞれの技術について個別に考えていくしかないのが実情です。 本セミナーでは、接着・接合技術を理解する上での学術的基礎から始まり、様々な研究者によって研究が進められている先端接合技術についてわかりやすく解説します。最低限の数式は用いますが概念的な理解につながるように説明するとともに、質疑応答にできる限り時間を取りますので、奮ってご参加ください。
セミナープログラム
1. 異種材料の接着・接合技術の全体像を理解するために
1.1 微細接合技術の研究動向の整理
1.2 界面化学相互作用の3つのレベルと表面形状の影響
1.3 接着強度を決める諸因子
1.4 接着強度測定と測定データの統計学的取扱い
1.5 接着継手の寿命予測の考え方
1.6 今後の微細接合技術における界面ナノ構造制御の重要性
2. 接着・接合を考える前提としての化学結合論
2.1 分子軌道法から考える化学結合の概念 ~共有結合性とイオン結合性~
2.2 金属結合とは何か
2.3 van der Waals力とは何か ~一般化van der Waals理論とLifshitz理論~
2.4 水素結合とは何か
~拡張Fowkes式と酸・塩基説の意味を理解するために~
2.5 界面での化学結合形成を考える
3. 高分子系接着剤を用いた接着
3.1 濡れ性の評価 ~静的評価と動的評価~
3.2 平衡接触角を用いた表面自由エネルギー解析
3.2 van der Waals力や水素結合形成に基づく接着理論
3.3 界面相互作用を考えるための基礎 ~正則溶液近似~
3.4 拡張Fowkes式と酸・塩基説の考え方と使い方
3.5 溶解度パラメータの基礎とデータベースソフトの利用
3.6 カップリング剤 ~相溶性と化学反応性の2つの考え方~
3.7 分子接着技術への展開
3.8 特定成分の界面偏析が界面相形成に及ぼす影響
3.9 接着強度への界面形状と化学的因子の影響
4. 金属系接合材料を用いた接合
4.1 溶融金属の固体表面への濡れ ~物質移動・化学反応を伴う濡れ~
4.2 原子の拡散 ~相互拡散,カーケンドール効果を理解するために~
4.3 界面反応層形成を考えるための基礎 ~正則溶体近似~
4.4 相互作用パラメータの導入
4.5 状態図から得られる界面反応に関する情報
4.6 界面反応層成長の速度論
5. 樹脂/樹脂間の接着・溶着
5.1 有機高分子/有機高分子界面での拡散現象 ~界面層の形成~
5.2 ポリマーアロイの熱力学
5.3 金属の合金とポリマーアロイの熱力学理論の比較
6. ナノテク関連技術を用いた接合
6.1 バルクの熱力学とナノ粒子の熱力学
6.2 金属ナノ粒子の融点降下現象と低温焼結現象の違い
6.3 樹脂バインダ中での金属ミクロ粒子の低温焼結現象
6.4 金属ナノ・ミクロ粒子ペーストにおける界面化学現象の重要性
7. その他の接合技術
7.1 各種の表面活性化による常温接合
7.2 吸着種により促進される界面接着・接合現象
7.3 ナノスケール・ミクロスケールのアンカー効果
7.4 ナノスケールインターロッキング
8. まとめ
セミナー講師
井上 雅博 氏 群馬大学 大学院理工学府 准教授 >講師略歴
セミナー受講料
55,000円 (Eメール案内登録価格:1名49,500円,2名55,000円,3名73,700円,4名以上ご参加者数×22,000円)
※資料・昼食(お弁当)付
※Eメール案内を希望されない方は、「55,000円×ご参加人数」の受講料です。
※Eメール案内(無料)を希望される方は、通常1名様55,000円から
★1名で申込の場合、49,500円
★2名同時申込の場合は、2名様で55,000円(2人目無料)
★3名同時申込の場合は、3名様で73,700円
★4名以上同時申込の場合は、ご参加者数×22,000円
※2名様以上の同時申込は同一法人内に限ります。
※2名様以上ご参加は人数分の参加申込が必要です。
ご参加者のご連絡なく2様以上のご参加はできません。
備考
【配付資料】
・本セミナーの資料はPDF形式(電子データ)の予定です。
・ ダウンロード方式またはe-mail添付 にて配布いたします。
【禁止事項】
セミナーで公開・使用される資料、講演内容の静止画、動画、音声のコピー・複製・記録媒体への保存を禁止いたします。
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受講料
55,000円(税込)/人
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