
ウェブハンドリングのしわの発生メカニズムと対策技術
★ ウェブの力学、摩擦特性を徹底解説! AIを利用した欠陥対策技術を詳解!
★ 折れしわ、スリップ、キズ等の不良の発生メカニズムと抑制、対策技術を学ぶ!
セミナープログラム
<10:30〜12:00>
1.ウェブハンドリングの力学特性
(株)SUNAMI 代表取締役 博士(工学) 砂見 雄太 氏
【講演概要】
フィルム、紙、不織布などのウェブを製造する過程において、搬送時には折れしわやスリップ、巻取り時には巻き締り、スリップ、ゲージバンドなどの予期せぬ不具合が生じることが多々あると思います。これを防止する手法としては、経験と勘を基に製造条件を試行錯誤的に検討していると耳にすることが多くあります。これらの不具合は製品の品質と直結することであり、不具合防止は極めて重要な課題です。 本セミナーでは、上記不具合の原因・対策案について学問的な立場からアプローチして、不具合の未然の防止を図る知識を養うことを目的としています。本セミナーを受講したからといって全ての問題を解決することができるとは限りませんが、解決の糸口を見つけることができるでしょう。
1.はじめに
1.1 ウェブとウェブハンドリング
1.2 ウェブハンドリング技術のポイント
1.3 ウェブハンドリングの研究の流れ
1.4 まとめ
2.ウェブの力学的性質
2.1 ウェブに作用する力とその変形
2.2 フックの法則
2.3 ウェブ素材の構造と弾性の関係
2.4 液体の構造と粘性
2.5 粘弾性体とその力学的モデル
2.6 ウェブの曲げ
2.7 ウェブの座屈
2.8 ウェブの折れしわ
3.ウェブハンドリングのトライボロジー
3.1 ウェブ搬送とトライボロジー
3.2 摩擦力と摩擦係数
3.3 摩擦係数の測定
3.4 オイラーのベルト公式
3.5 固体の接触と摩擦
3.6 摩擦のメカニズム
3.7 摩擦係数のコントロール
3.8 マクロスリップの発生条件と抑止方法
4.ウェブハンドリング技術とAI技術
4.1 AIを用いたウェブのトラフ観測と対応方法について
【質疑応答】
<13:00〜14:00>
2.しわを抑制する機能性ローラ
(株)加貫ローラ製作所 技術開発部 基礎研究課 係長 圓見 尚生 氏
【講演概要】
R2R方式の生産における大きな課題の1つとしてしわの影響を挙げる事が出来る。そういった課題を改善するには発生原理をしっかりと把握、理解する事が重要である。しわの発生の基本とそれらを対策する事が出来る機能性ローラーについて知る事で、自社にて発生している課題解決の一助になるような内容と考える。
【受講対象】
ウェブハンドリング初心者、しわ改善に興味がある方
【受講後、習得できること】
しわに対する考え方や改善について
1.会社紹介
1.1 沿革
1.2 KATSURAの製品
1.3 ゴムローラとは
1.4 金属ローラについて
2.しわの発生要因について
3.しわを抑制する機能性ローラの紹介
3.1 マイクログルーブローラー
3.2 低慣性ローラー
3.3 低撓みローラー
4.しわを抑制する機能性ローラの紹介
4.1 コンケーブローラー
4.2 Wヘリカル溝加工ローラー
4.3 エキスパンダーローラー
4.4 エアー浮上搬送ローラー
【質疑応答】
<14:10〜14:50>
3.エアベアリングロールおよびウェブの浮上搬送実験装置の開発
(株)タンケンシールセーコウ 技術本部 設計一部 PCP設計課 主任 川郫 恭平 氏
【講演概要】
当社製品の「エアベアリングロール」は、ロールtoロール搬送における品質課題を解決するために開発された非接触搬送用ロールである。本講座では、浮上搬送実験装置で得た実験結果を紹介しながら、折れしわなどの問題に対し、非接触搬送がもたらす効果について解説する。本講座を通じて、非接触搬送の可能性を正しく理解していただくことで、導入に向けた検討の一助になれば幸いである。
【受講対象】
非接触搬送技術の導入を検討している方、ウェブハンドリング装置の設計・開発に携わる方、ロールtoロール搬送に関する品質管理・生産技術に関わる方
【受講後、習得できること】
非接触搬送中のウェブの浮上状態や、ウェブとロール間で発生する物理現象を理解することで、非接触搬送ロールがウェブハンドリングにもたらす効果についての知見が得られます。
1.ウェブハンドリングにおける課題
1.1 接触式搬送における折れしわの課題
1.2 折れしわの発生メカニズム
2.エアベアリングロールの開発
2.1 静圧気体軸受
2.2 絞り
2.3 多孔質カーボン
3.浮上搬送実験装置の開発
3.1 実験装置の構成
3.2 隙間測定方法
4.隙間測定結果の紹介
4.1 実験結果
4.2 浮上形状の形成メカニズム
5.非接触搬送の導入効果
5.1 折れしわの防止効果
5.2 その他の導入効果
【質疑応答】
<15:00〜16:00>
4.光干渉断層法(OCT)によるフィルム巻取の非破壊イメージング検査
山陽小野田市立山口東京理科大学 工学部 機械工学科 講師 博士(医工学) 中道 友 氏
【講演概要】
本研究ではこれまで、主に医療分野で利用される断層イメージング手法である光干渉断層法(Optical Coherence Tomography:OCT)をフィルム巻取に応用することにより、良品・欠陥品の判別や、空気膜厚さ、内部応力などのフィルムの巻取状態に寄与する情報を評価できることを示してきました。本講座では、OCTの特徴や原理を解説したのち、これまでの研究内容を紹介します。
【受講対象】
・本テーマに関心のある方
・OCTに関心のある方
【受講後、習得できること】
・OCTに関する基礎的な知識
・フィルム製造におけるOCTの利用可能性。
1.イントロダクション
2.光干渉断層法(OCT)
2.1 OCTの概要
2.2 フーリエ領域OCTの計測原理
2.3 スペクトラルドメインOCTと波長掃引OCT
3.フィルム巻取の非破壊イメージング検査
3.1 フィルムロールの断層可視化イメージング
3.2 OCT断層像とAIによる良品・欠陥品の検査
3.3 フィルムロール内空気膜厚さの定量評価
3.4 フィルムロール内部応力の評価
4.おわりに
【質疑応答】
<16:10〜17:10>
5.ウェブハンドリングでの欠陥対策のAIの適用事例と今後
(株)クロスコンパス 代表取締役社長 鈴木 克信 氏
【講演概要】
かつて日本のモノづくりは世界一の生産性と品質を誇っていました。規模も国内から海外へ進出し大きくなっていきました。2000年前後を境にその構図が崩れ始め現在日本のモノづくりは諸外国に大きな遅れをとっています。
日本には、ウェブハンドリング技術を利用した生産方式としてロールtoロールがあります。大量生産のための一つの技術として広く、長くこの技術を日本のモノづくりでは適用して来ました。そこには沢山のノウハウ、知見が溜まり多くの情報(データ)が存在しています。この情報と最先端のデータ解析用AIとを組み合わせることにより、見えなかった異常現象や諦めていた検査工程などが大幅に改善されてきています。
本講座ではこれらの事例を紹介しながら、今後の日本のモノづくりが必要とするDX化や工場全体のインテリジェント化を推進するスマートファクトリーの考え方を説明します。
【受講対象】
モノづくり企業の経営者や経営企画者、およびモノづくりに関わっている全ての方
【受講後、習得できること】
AIがどのような課題を解決していき、どのような効果を生み出していくかを理解することが出来ます。また今後の製造業における最先端のデジタル技術がどのような考えで研究、開発されているのかを最先端の研究所の研究内容から知ることができます。
1.AIの現状と今後
1.1 AIとは
1.2 現在のAI
1.3 今後のAI
2.製造業におけるAI適用事例紹介
2.1 画像データ解析
2.2 振動データ解析
2.3 プロセス条件最適化
2.4 自動搬送
3.ウェブハンドリングへのAI適用事例紹介
3.1 樹脂フィルム欠点検出
3.2 生地検反欠点検出
3.3 ロール内形状欠点検出
4.スマートファクトリーと製造業DX
4.1 スマートファクトリー
4.2 今後の製造業DX
【質疑応答】
セミナー講師
1. (株)SUNAMI 代表取締役 博士(工学) 砂見 雄太 氏
2. (株)加貫ローラ製作所 技術開発部 基礎研究課 係長 圓見 尚生 氏
3. (株)タンケンシールセーコウ 技術本部 設計一部 PCP設計課 主任 川郫 恭平 氏
4.山陽小野田市立山口東京理科大学 工学部 機械工学科 講師 博士(医工学) 中道 友 氏
5.(株)クロスコンパス 代表取締役社長 鈴木 克信 氏
セミナー受講料
1名につき66,000円(消費税込み・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき60,500円(税込み)〕
受講について
セミナーの接続確認・受講手順はこちらをご確認下さい。
受講料
66,000円(税込)/人