界面活性剤の基礎と実践〜可溶化・乳化・泡のメカニズムと最新の評価・解析方法〜

講師が長年培ってきた経験、ノウハウを踏まえて
界面活性剤を基礎から詳しく丁寧に解説します。

セミナー講師

奈良女子大学 研究院自然科学系化学領域 教授  吉村 倫一 先生
■ご略歴:
2001年    熊本大学大学院自然科学研究科博士後期課程修了、博士(工学)
2001-2006年 東京理科大学理学部化学科 助手、講師
2006-2012年 奈良女子大学大学院人間文化研究科共生自然科学専攻 助教授(2007年より准教授)
2012-2014年 同 研究院自然科学系化学領域 准教授(組織変更による配置換)
2014年−    同 研究院自然科学系化学領域 教授
■ご専門および得意な分野・研究:
コロイド・界面化学(新規界面活性剤の分子設計・合成から、乳化・可溶化・泡を含めたさまざまな物性評価、SPring-8などの大型施設の装置を用いた集合体の構造解析まで、幅広く研究を展開)
■本テーマ関連学協会でのご活動:
・日本化学会コロイドおよび界面化学部会 役員会幹事
・日本化学会コロイドおよび界面化学部会 関西支部委員
・日本油化学会 関西支部幹事

セミナー受講料

1名47,300円(税込(消費税10%)、資料・昼食付)
 *1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円
 *学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。

セミナー趣旨

 さまざまな産業分野で重要である可溶化や乳化、泡の技術は、界面活性剤が用いられていることがほとんどです。使用目的に応じて最適な界面活性剤を選択することで、安定かつ高機能なエマルションや泡沫を得ることができます。
 本セミナーではまず、可溶化や乳化、泡の技術に欠かせない界面活性剤の基礎について、評価の原理・測定法・データ解析から大型放射光施設SPring-8の小角散乱装置を用いたミセルの構造解析まで幅広く、講師が長年培ってきた経験、ノウハウを踏まえて詳しく丁寧に解説します。
 次に、可溶化・乳化の基礎について、調製および評価・解析方法、安定化させるための手段、相図を用いた解析について紹介するとともに、ピッカリングエマルションや3相乳化法によるエマルション調製などの最新技術に関して原理やメリット、活用例を解説します。
 最後に、泡沫の生成・安定性と崩壊メカニズム、泡の評価方法と構造解析について、講師が最近研究している最新技術を含めて解説します。

受講対象・レベル

本テーマに興味のある方ならどなたでも受講可能です。教科書には書かれていない最新の技術も含めて講義しますので、「界面活性剤」、「可溶化」、「乳化」、「泡」についての知見を得たいと考えている方にはお勧めです。

必要な予備知識

この分野に興味のある方なら、とくに予備知識は必要ありません。基礎から丁寧に解説します。

習得できる知識

・界面活性剤の基礎全般: 構造の性質から合成方法、最近のトピックス的内容の習得
・界面活性剤の性能の評価技術: 最新技術を含めた測定の原理から方法、データの解析まで幅広く性能評価の習得
・可溶化の基礎: 調製および評価、解析方法、安定化技術の習得
・エマルションの基礎: 調製および評価方法、安定化技術の習得
・エマルションのさまざまな調製技術: 最近のトピックス的内容の習得
・泡の基礎: 最新技術を含めた泡の評価方法、構造解析の習得

セミナープログラム

1.界面活性剤の基礎
  1) 界面活性剤とは: 知っているようで知らない界面活性剤について詳しく解説
  2) 界面活性剤の産業分野での使われ方: 洗浄・化粧品・医薬品・食品・塗料などの業界について解説
  3) 界面活性剤の最近の研究動向: ジェミニ型、アミノ酸型、糖型、フッ素型など、講師の研究も含めて紹介
  4) 両親媒性化合物の研究動向: イオン液体、オリゴマー、両親媒性高分子、デンドリマーなど他の研究領域まで広げて紹介
  5) 分子集合体の特徴: ミセルから液晶、リポソームまで、性質や応用について解説
  6) コロイド・界面化学の基礎概念: 可溶化、乳化、泡沫に必要なコロイド・界面化学の基礎概念について解説

2.界面活性剤の性能評価のための最新技術〜原理から測定法、データ解析まで詳しく、教科書には書いていないノウハウを詳しく解説〜
  1) 界面活性剤の水溶性: 曇点、クラフト温度
  2) 臨界ミセル濃度CMC: 正確に測定するためのテクニックも含めて解説
  3) 表面張力から得られるさまざまな物理化学的パラメーター: 表面張力曲線一本から得られるさまざまなパラメーターについて詳しく解説
  4) 気/液界面の吸着ダイナミクス: 動的表面張力、界面粘弾性、反射率を用いた評価
  5) ミセル・液晶の構造解析: X線・中性子小角散乱、光散乱(動的、静的)、電子顕微鏡(クライオ法、フリーズフラクチャー法、染色法)、レオロジーを用いた評価
  6) エマルション・可溶化の解析のための相図の利用: 相図の見方、作成方法について解説

3.可溶化の基礎
  1) 可溶化とは: エマルション、マイクロエマルションとの違いも含めて解説
  2) 可溶化溶液の調製方法
  3) 可溶化の解析方法: 可溶化による会合体の変化を電子顕微鏡や小角散乱などの解析を含めて解説
  4) 可溶化位置: 判断が難しい可溶化位置について測定方法を含めて解説
  5) 可溶化の研究例の紹介と応用例

4.乳化の基礎
  1) エマルションとは: 乳化とエマルションの違いから丁寧に解説
  2) エマルションの調製方法
  3) エマルション安定性の評価方法: 直接観察から粘度、レオロジー、小角散乱による評価まで詳しく解説
  4) エマルションを安定化させるには: 安定化の理論と方法、安定性に及ぼす因子について解説
  5) 乳化の研究例の紹介と応用例

5.さまざまなエマルションの設計技術
各技術を習得・利用することのメリットを紹介します。
  1) 微細エマルション: 転相温度乳化、液晶乳化、D相乳化、ナノエマルションなどの一般のエマルションについて解説
  2) 高次構造の集合体を用いたエマルション
  3) ピッカリングエマルション
  4) 3相乳化法によるエマルション

6.泡の基礎
乳化の基礎・理論が理解できれば、考え方が通じる泡沫についても一緒に学びたいところです。最近注目されている泡について、教科書には書いていない評価方法や構造解析を解説します。
  1) 泡とは: 泡の構造、起泡力と泡沫安定性
  2) 泡沫の崩壊メカニズム
  3) 泡沫の評価方法と構造解析: 講師による最新の技術も含めて詳しく解説
  4) 泡沫の研究例の紹介と応用例: