外国への特許出願戦略とその要否判断、出願国決定の条件

セミナープログラム

＜９：００〜１０：１５＞
【第１部】グローバル企業の外国特許出願戦略と知財活用による事業貢献
ローム(株) 法務・知的財産部 部長　後 利彦氏

【講演趣旨】
外国での特許権利化の経験が豊富な企業内弁理士が、事業への知財活用を意識した外国特許出願戦略について説明します。このセミナーでは、書籍やウェブサイトには記載されていない講師の経験に基づく権利化テクニックや各国の特許庁や特許事務所からの直接ヒアリング等に基づく生の最新情報を盛り込み、グローバル企業で従事される知財パーソン等に向けて、下記に示すコンテンツについて解説します。これにより、必要な国で低コストで効率的に外国特許を獲得し、特許ポートフォリオを強化するとともに、この知財力を活用して事業貢献できる力を身に着けてもらいます。

【講演項目】
１．外国出願国
　　1.1　外国出願国の選定の考え方、外国出願しない場合のリスク
　　　　 （ノウハウとして秘匿する際の考え方）
　　1.2　出願ルートの決定方法
　　　　 （メリット、デメリット）

２．主要国（米国・中国・欧州）での出願権利化
　　2.1　米国・中国・欧州における絶対に外せない各国特有の制度と留意点
　　2.2　外国出願に対応した特許クレーム構成
　　2.3　低コストで効率的な審査対応テクニック
　　2.4　審査官インタビューの効果的な活用方法
　　2.5　国内外代理人の上手な活用方法
　　2.6　早期に特許を取得する方法
　　2.7　2023年6月1日施行決定！
　　　　 欧州単一特許・統一裁判所制度を踏まえた欧州出願戦略と活用テクニック

３．アジアにおける出願権利化
　　3.1　インド、タイ、インドネシアにおける特有の制度と留意点
　　3.2　アジアで早期に特許を取得する方法

４．外国特許の活用と事業への貢献
　　4.1　特許だけじゃない、実用新案・意匠・商標を活用した知財ミックスによる多面的な権利保護
　　4.2　グローバル企業における知財組織の在り方
　　　　 （コーポレートガバナンスコード改訂への対応含む）
　　4.3　海外の知財訴訟動向と特許の必要性
　　4.4　獲得した外国特許の有効活用と事業への貢献

【質疑応答】

＜１０：３０〜１１：４５＞
【第２部】グローバル特許出願戦略における特許ポートフォリオの構築
セイコーエプソン(株) ビジュアルプロダクツ事業部　小嶋 輝人氏

【講演趣旨】
事業を支える知財戦略の基本はポートフォリオ戦略である。特許ポートフォリオ戦略をグローバルに展開するためには、外国出願のROIを紐解く必要がある。本講義では、「強い交渉力の獲得」を目的軸にして、ポートフォリオ戦略を出願活動のROIと権利活用のROIに分けて論じ、交渉力を最大化する出願国の選定方法を考える。後半ではポートフォリオ構築の基本的方法を、特許クラスターの考え方と特許ステータスマップという新たなフレームワークを用いて学ぶ。

【講演項目】
１． セイコーエプソン知財部門の歴史

２．基本原則
　　2.1　外国出願検討の基本原則

３．世界情勢を考える（ニセモノ対策を例として）
　　3.1　出願活動の要否をどう考えるか？
　　3.2　訴訟・係争をどうするか？

４．現状を把握する
　　4.1　共創か競争か
　　4.2　製造国と販売国
　　4.3　Exposureと特許バランス

５．目標の設定
　　5.1　外国出願ROIの考え方の整理
　　5.2　出願のROIと活用のROI
　　5.3　交渉力を最大化する出願国の選定

６．現地代理人
　　6.1　国内代理人経由と現地ダイレクト
　　6.2　権利化代理人と訴訟代理人の分離

７．ポートフォリオ戦略
　　7.1　権利の有効性の限界と特許のクラスター化
　　7.2　動向予想としてのIPランドスケープ
　　7.3　特許ステータスマップとポートフォリオ設計

８．その他トピックス
　　8.1 欧州統一特許制度と統一裁判所をどう考えるか？

【質疑応答】

＜１２：４５〜１４：００＞
【第３部】海外特許戦略における権利化と秘匿の考え方
(株)豊田自動織機 知的財産部 部長　伊東 正樹氏

【講演趣旨】
事業活動がグローバル化する中で、知財活動においてもグローバルな視点での戦略が重要となっている。特に近年は海外に拠点を移したり、海外市場の重要性が増すことで、海外特許による保護が重要とされる一方、コストメリットの視点での選択的な戦略が必要となる。更に近年は安全保障上の観点から発明を秘匿し技術流出を防ぐ判断も重要となっている。本セミナーでは、グローバル視点で企業が考えるべき権利化と秘匿を中心とした知財戦略のあり方について説明する。

【講演項目】
１．豊田自動織機について

２．戦略に基づく知財活動
　　2.1　知財の目的
　　2.2　事業戦略と知財

３．外国出願の目的と考え方
　　3.1　外国出願の目的
　　3.2　外国出願の考え方
　　3.3　外国特許の維持放棄管理

４．特許出願と発明秘匿の判断
　　4.1　秘匿発明の判断プロセス
　　4.2　秘匿発明の管理
　　4.3　先使用権の対応

【質疑応答】

＜１４：１５〜１５：３０＞
【第４部】外国特許出願の出願国・権利維持要否判断のポイント
日機装(株)　技術開発研究所　知的財産室　室長　中村 仁氏

【講演趣旨】
外国出願する発明を選別し出願国を決定する、そのような判断に際し、何となく直近同様の「選択」をしていないだろうか。自社の成長、事業環境・戦略の変化といった内部的なものから、法律改正、各国の環境変化といった外部的なものまである。世界的な特許制度の国際調和（ハーモナイゼーション）を目的とした大きな流れも、特許の存続期間である20年を考えれば、考慮しなければならないであろう。日々刻々と変化している状況下において「判断」をすべきポイントを再確認することで、判断基準の策定、定期的な見直しの一助として頂きたい。

【講演項目】
１．外国特許出願の流れ
　　1.1　外国特許出願手続きの流れ
　　1.2　外国特許出願件数の動向
　　1.3　特許出願等に掛かる費用

２．外国出願の検討
　　2.1　外国にて権利を必要とする理由とは
　　2.2　外国特許出願を躊躇またはしない理由とは
　　2.3　戦略的に考えるとは

３．権利の維持・放棄の考え方
　　3.1　検討する単位（国別、ファミリー別など）
　　3.2　出願時との状況変化確認
　　3.3　権利価値評価は判断に有効か

４．まとめ

【質疑応答】

＜１５：４５〜１７：００＞
【第５部】リコーにおける外国出願手続きの実際
(株)リコー プロフェッショナルサービス部　知的財産センター　エキスパート　石島 尚氏

【講演趣旨】
リコーグループは、革新的なテクノロジーに基づいた光学機器や画像機器などを通して、全世界のお客様のオフィスでの困りごとをデジタルの力で解決するオフィス事業を通して、お客様とともに成長してきました。事業の成長のためには、その成長の基盤となる技術とその技術を支える特許権の存在が必要不可欠であることは言うまでもありません。 本講座では、オフィス事業の軌跡とそれを支える特許戦略を紹介するとともに、戦略の実行に不可欠な特許権をどのように獲得してきたのか、特に外国出願すべき発明選定の観点やプロセス、出願手続きを行う上での留意点など、リコーにおける外国出願手続きの実践事例を中心にご紹介します。

【講演項目】
１．リコーグループの概要

２．オフィス事業の知財戦略
　　2.1　オフィス事業の軌跡
　　2.2　オフィス事業の特許戦略
　　2.3　PPF（パテントポートフォリオ）戦略

３．外国出願手続きの実際
　　3.1　グローバル知財体制
　　3.2　外国出願プロセス（選定・判断・手続き）
　　3.3　継続出願の活用

【質疑応答】

セミナー講師

１．ローム(株) 法務・知的財産部 部長　後 利彦氏

２． セイコーエプソン(株) ビジュアルプロダクツ事業部　小嶋 輝人氏

３． (株)豊田自動織機 知的財産部 部長　伊東 正樹氏

４． 日機装(株)　技術開発研究所　知的財産室　室長　中村 仁氏

５． (株)リコー プロフェッショナルサービス部　知的財産センター　エキスパート　石島 尚氏

セミナー受講料

1名につき66，000円（消費税込み、資料付）　
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき60，500円（税込）〕

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