~ スラリーの内部構造制御のためのレオロジー活用法 ~
★ 粒子分散系において液相中の粒子の内部構造やその力学的応答性とレオロジー特性の関係について初歩から解説
★ 塗布膜乾燥プロセスや噴霧乾燥による造粒プロセスと粒子分散性との関係を調査した事例も紹介
セミナー講師
神戸大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 准教授 菰田 悦之 氏
【研究内容】 粒子分散液の塗布・乾燥プロセス,新規撹拌装置の開発など
受講料
43,200円 ( S&T会員受講料 41,040円 )
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得られる知識
・粒子分散液の粘度と粒子濃度や粒子凝集状態の関係
・フローカーブ(粘度のせん断速度依存性)の読み取り方と測定条件の設定方法
・粘度を指標とした分散状態の解析方法
・粒子分散液の弾性率に対する粒子や高分子が形成する構造の寄与
・ひずみ分散,周波数分散に基づく,粒子分散液の内部構造の解釈
・粘弾性を指標として粒子分散の進展状況を理解する方法
・分散装置をモデル化するための考え方
対象
【注意】 レオメーターの使用経験がない方は理解が難しい可能性がございます
・レオメーターを使用して粒子分散液を評価している方
・粘度測定や粘弾性測定を実際にした経験はあるが、その結果の解釈に困っている方
セミナー趣旨
濃厚な粒子分散系を対象としたプロセスは、内部の粒子の状態を観察することが困難であり、適応できる計測方法にも制限があることから、そのメカニズム理解が困難とされてきた。一方で、習熟した研究者や技術者には感覚的に最適な条件を導き出すことができていることも少なくない。これは例えば、分散液を揺らしたときの時の液面の状態や手に感じる僅かな力を敏感に感じ取ることで実現できていると考えられる。このような人間の感覚に近い物性を評価する手法としてレオロジー計測があげられる。しかしながら、レオロジー物性と内部構造に関する知識なくしては、適切な評価方法およびデータ理解を行えない。
本講では、粒子分散系に限定して、液相中において粒子が形成する内部構造やその力学的応答性とレオロジー特性の関係について初歩的な導入から実用的な取り扱いまで説明する。特に、粘度とそのせん断速度依存性から粒子の凝集・分散状態を定量的に評価する手法について述べる。また、粘弾性を指標とすることで、静止状態においてどのように粒子分散液中で内部構造が発達しており、それが変形を与えることでどのような応答を示すのかが明らかになり、粒子分散液の内部構造について多面的な理解に繋がる。これら、粘度や粘弾性を指標として、粒子分散操作のみならず、塗布膜乾燥プロセスや噴霧乾燥による造粒プロセスと粒子分散性との関係を調査した事例についても述べる。
セミナー講演内容
1.粒子分散系のレオロジー
1.1 非ニュートン性の起源
1.2 粒子分散液の粘度と内部構造
1.3 粒子凝集分散の基本的な考え方
1.4 完全分散粒子分散液の粘度
1.5 粘度に対する粒子径の寄与
1.6 粒子が形成する内部構造と粘弾性
1.7 非線形粘弾性解析
2.粘度を指標とした粒子凝集・分散の評価
2.1 チクソトロピーモデル
2.2 沈降性粒子分散液の粘度計測
2.3 スプレードライ顆粒製造プロセスと粒子分散状態
2.4 粒子分散液のスピンコートプロセス解析
2.5 せん断流動場における凝集体破壊解析
3.粒子分散プロセスの粘度変化と塗布膜性能 ~燃料電池電極膜を例に~
3.1 不安定系の分散プロセスのレオロジー解析
3.2 超音波照射の分散促進効果のレオロジー解析
4.粒子分散プロセスの粘弾性解析 ~リチウムイオン二次電池電極スラリーを例に~
4.1 定せん断場における分散プロセス理解
4.2 PMMAスラリーの分散プロセス
4.3 グラファイトスラリーの分散プロセス
4.4 粘弾性を利用した分散機の特性評価
4.5 導電助剤分散液の内部構造制御
4.6 LiB正極スラリーの分散手順と内部構造
□ 質疑応答 □
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開催日時
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受講料
43,200円(税込)/人
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