
濡れ性・粘性や付着性・剥離防止など、コーティング工程に必要となる基礎理論やトラブル対策を習得!
初心者でもトラブル対応能力を習得できるように!豊富な実例を交え分かりやすく解説します!
セミナー趣旨
近年、コーティング膜の塗布・乾燥プロセスは、処理能力の高さ、低コスト性などの観点から、主要な製造技術として用いられています。機能性フィルム、電池材料、基板モジュールなどの高機能な製品製造の重要プロセスとなっています。その中で、プロセスの高品位化および高速化は、生産効率の向上やコスト削減には不可欠な課題です。本講座では、塗布乾燥の基礎原理に基づき、プロセスの本質を理解することで高品位化・高速化を考察することを目的とし、塗布むらや乾燥ムラなどの塗布乾燥におけるトラブルを解決する能力を養います。また、現象メカニズム、測定解析技術、不良トラブル解決といった重要課題について、豊富な実例を交えて解説します。また、受講者が抱えている日々のトラブル相談にも応じます。
受講対象・レベル
コーティング剤、コーティング業務、コーティング装置、計測分野等に関わる技術者を対象にしています。
実務レベルのセミナー内容ですが、分かりやすく説明します。
習得できる知識
・塗布乾燥に関わる基礎学問の習得
・塗工液から乾燥までの一連のコーティングプロセスの習得
・コーティングに関するトラブルへの対応能力
セミナープログラム
1.塗工液・塗膜形成の基礎(濡れ・粘性の不確定要素を見極める)
・表面張力、溶解性パラメータSP/HSP値、相分離、共沸点、混合溶媒(塗工液の最適化)
・濡れの基本式を使いこなす(濡れとは、Young,Dupre,Cassie,Wenzel,Newmanの各式)
・表面エネルギーと濡れ性(濡れの3形態とは、分散と極性成分)
・気泡、スラリー粒子の濡れ性(Fowks近似式、拡張係数S、円モデル)
・レオロジー制御(動的粘性、キャピラリー数Ca、非ニュートニアン、Ostwald流動曲線)
2.各種コーティング法の原理とコントロールポイント
・ダイ・コンマ・マイクログラビアコーティング(高精度化のポイント)
・スピン、スリット、ディップ、バーコート、スプレー、インクジェット
3.塗膜の乾燥メカニズムと高精度化(乾燥のツボを抑える)
・乾燥の三要素とは(濃度差拡散、蒸気圧、ラプラス力)
・乾燥装置の最適化の要因 (乾燥曲線とは)
・加熱乾燥、赤外線乾燥(比熱、熱容量、熱伝導)
4.ペースト・スラリー制御
・ナノ粒子間の相互作用(Derjaguin近似、DLVO理論、Hertz理論、凝集配列)
・スラリーの分散凝集性(ゼータ電位、インピーダンス解析・ナイキスト線図)
・産業応用(二次電池、電極ペースト、アンダーフィル、フィラー)
5.塗膜の膜質評価法(表面・内部・基板界面の解析)
・塗膜の応力歪み(S-S曲線、降伏点、結晶化、熱歪み)
・乾燥・凝集性の膜内深さ分布(DPAT法、粘弾性分布、表面硬化層)
・付着剥離評価(引張り、せん断耐性、スクラッチング、90度/180度剥離)
・耐久試験(繰り返し疲労、寿命予測)
6.トラブル対策(発生原因を特定し解決・防止策を見極める)
・カスケード欠陥(横スジ)とリビング欠陥(縦スジ)
・乾燥ムラとゆず肌 (マランゴニー対流、ベナールセル)
・顔料析出と溶解度(カラーレジスト)
・フラクタル粘性指状(VF)変形(ギャップ内の塗工不良)
・エッジ盛上りと気泡巻き込み(EBR対策)
・ピンホールの抑制方法(はじき、拡張濡れ法)
・膜剥離の防止法 (膨れ・ガス発生)
・クラックの抑制 (多層膜の応力ミスマッチ)
・ソルベントクラック (ソルダーレジストの白化)
7.参考資料
・塗膜トラブルQ&A事例集(トラブルの最短解決ノウハウ)
・表面エネルギーによる濡れ・付着性解析(測定方法)
8.質疑応答
日頃の開発・トラブル相談に個別に応じます。
*途中、お昼休みや小休憩を挟みます。
セミナー講師
アドヒージョン(株)代表取締役社長 国立大学法人 長岡技術科学大学 名誉教授 博士(工学) 河合 晃 氏
*アドヒージョン(株)HP http://www.adhesion.co.jp
■ご略歴
三菱電機(株)ULSI研究所にて10年間勤務し、半導体デバイスの高精度なコーティング、
計測技術、微細加工、および表面処理技術開発に従事した。
その後、長岡技術科学大学にて勤務し、高精度コーティング、AFM等の分析技術、レジスト技術、
エッチング技術、表面界面制御、ナノデバイスなどの先端分野の研究を実施している。
各種論文査読委員、NEDO技術委員、国および公的プロジェクト審査員などを歴任。
現在、長岡技術科学大学名誉教授、ならびに、技術コンサルティング会社として、アドヒージョン(株)代表取締役社長を務める。
著書40件、原著論文166報、国際学会124件、国内学会212件、特許多数、受賞多数、講演会270回以上、
日本接着学会評議員、応用物理学会会員、産学連携・技術コンサルティング実績350件以上。
セミナー受講料
【オンライン受講(見逃し視聴なし)】:1名 50,600円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき39,600円
【オンライン受講(見逃し視聴あり)】:1名 56,100円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき45,100円
*学校法人割引:学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
- 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
(開催1週前~前日までには送付致します)
※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
(土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。) - 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
- Zoomを使用したオンラインセミナーです
→環境の確認についてこちらからご確認ください - 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
→こちらをご確認ください
受講料
50,600円(税込)/人
関連セミナー
もっと見る関連教材
もっと見る関連記事
もっと見る-
RO膜(逆浸透膜)とは?RO膜による水処理の仕組み、メリット・デメリットをわかりやすく解説
【目次】 水は私たちの生活に欠かせない資源であり、その水質は健康や環境に大きな影響を与えます。近年、世界中で水資源の不足... -
-
-
PFAS(ピーファス)を分かりやすく解説!有機フッ素化合物の基礎知識
【目次】 PFAS(ピーファス)という言葉を耳にしたことはありますか?PFASは「パーフルオロアルキル物質」の略で、主に有機フッ素化...