制約論理の思考プロセスを活用して問題点を共有

 2006年、私はフィリピンにいました。日系製造業のクライアントさんから、ある塗装工程の改善を依頼されていました。ここには、約500名の現地人が3直で働いていました。

 そして、現地人のヘッドとエンジニア数名を入れての改善プロジェクトがスタートしました。論理的に納得できないとアクションを起こさない頑固な現地人が多く、現状と問題点を現場でヒアリングし、オフィスへ戻り問題点の洗いだし作業をおこないました。その作業で使ったメソッドが、これから紹介する「現状構造ツリー」です。

 これは、メンバーに自由に発言してもらい、これをホワイトボードへ書き上げていきます。一つ大事なルールがあり、それは「他人を口撃せず、意見を活発に出し合う」ことです。また、これをリードするコンサルタントには、「なるほど、と言うことは○○になるのですか」などと、一つの発言から、さらに飛躍するように会話をリードすることがポイントです。

「前工程の在庫がないから次工程への納入が遅れがちだ」
「だから当初の計画を変えてしまう」
「その状態のなかで、急なオーダが入り、さらなる計画の変更が必要になる」
「それは、追加オーダ、挿入オーダ、緊急オーダと様々な言い方があるが、基本的には同じものだ」
「調整役(フィクサー)がいて、現場内を縦横無尽に動き回りハッパをかけ、なんとかやりくりをする」
「塗装色の変更の場合、3時間以内に塗装しないと品質に影響して不良になる」
「生産の急な変更が多く、廃棄処分品が大量にでる」
「しかし、右往左往しながらも、受注分は100%次工程へ納入できている」

思考プロセス
「計画の立て方そのものに問題があるのではないか」

とメンバーと話しながら、現状構造ツリーを描いたものを右に示します。

 これは、各人の意見のキーワードを入れ、短くまとめて書き上げます。次の意見と関連性があれば、矢印で結びます。複数の発言が、別の1つの発言に関連性がある場合、2つの矢印をまとめて1つにして、その関連性のある発言へ結ばれます。

 「言葉遊び」と捉われることがありますが、「では、一体なにが足りないのか、どこに問題があって、こういう結果になるのか」と、メンバー全員で共有しながら考えることができるメリットがあります。


この記事の著者

松村 晴彦

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