輸配送改善のポイント(その2)

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 前回のその1に続いて解説します。
 

4. 製品設計時に物流の思想を織り込む

 まだまだ意識は浸透している感はありませんが、物流を意識した製品設計というものがあります。製品には商品性やデザインなどの重要要素があります。それとともに、「物流」も商品力の一つだという考え方です。商品開発や製品設計はできるだけ制約をかけずに行うことで発想力も拡大し、よりよい商品が生まれるものと考えられます。
 
 しかし、現実問題を考えると製品設計時に物流の思想を織り込んだ方がよいものがあります。「物流コスト負担力」という考え方があります。これはその製品を運ぶ時にかかるコストがその製品の価格に対して比率が高いものは「物流コスト負担力がない」と表現します。
 
 たとえば、薬 1㎥とポテトチップス 1㎥の価格を比較したとしましょう。結果はいうまでもなく薬の方が何十倍、何百倍もするものと思われます。一方で物流コストは、というと同じ距離を輸送するのであれば原則としてコストは同じです。つまり薬は物流コスト負担力があり、ポテトチップスにはそれがないということになります。特に物流コスト負担力がないものについては製品設計時に物流を考慮する方が望ましいと考えられるのです。
 
 モノを運搬するときは原則として直方体の形状の中に収める形となります。なぜなら、トラックやコンテナの形状が直方体になっているからです。製品を設計する際に、ある直方体に入れたときに空間ができるだけ発生しないように考えます。仮に製品そのものが直方体のような形になっていたとしても、その一部から突起のようなものが出ていたとしたらどうでしょうか。
 
 せっかく物流上ロスの発生しない製品の形状であるにもかかわらず、その突起1つがあるだけで実質的に輸送ロスが発生してしまうのです。このような視点で自社の製品を眺めてみましょう。「この部分」が効率を低下させるという状況に気づいたのではないでしょうか。物流は最初が肝心です。製品は設計時点で輸送効率が決まります。だからこそ物流コスト負担力が小さい製品については、設計時に物流を意識していただきたいと思います。
 
 SCM
 

5. 物流データの重要性

 輸配送を管理していくため、そして、改善していくために欠かせないものが「物流データ」です。当たり前に聞こえるかもしれませんが意外とこれが整備できていない会社は多いものです。物流データとは荷姿データ、つまり荷姿の縦横高さの寸法、そして荷姿重量です。さらにその荷姿の入数、製品単体重量と容器重量です。これらのデータがないと正確な配車はできません。大体の勘による配車はできますが、多くの場合ロスをたくさん抱えた配車になりがちです。
 
 また、出荷場でトラックに荷を積み込むときに、荷台に隙間があるからといって感覚で積み込んでいくと「過積載」になる可能性があります。このリスクはきちんと計算しながら積み込むことで回避することができます。皆さんの会社ではこのような物流データは揃っていますでしょうか。もし揃っていないようでしたら今からデータ収集を開始しましょう。現場で実際に測定することでデータを集めている会社はいくらでもあります。
 
 このデータからも改善点を導き出すことができます。たとえば荷姿重量を整備した時に、製品重量よりも容器重量の方が重いという現状に気づくことがあります。せっかく製品を軽量化しても、容器の軽量化が進んでいないのです。容器の材料や構成部品を個々に見ていくことで軽量化を狙う必要があります。
 
 この良い事例が「ビール」です。ビールは水物ですからトラック輸送時には重量勝ちになります。ということは荷台の空間が埋まる前に重量で満載になってしまうのです。つまり荷台に隙間ができる可能性があるということです。そこでビールメーカーは容器の軽量化を図りました。ビール瓶と缶の材料と肉厚などを変更することで容器自体の軽量化を測り、中身と容器を合わせた重量を小さくすることでトラックにより多くの製品を積めるようにしたわけです。
 
 荷姿寸法からも改善の余地が見えてきます。たとえばトラックに目いっぱい積んだ時の隙間です。よく荷台の後方に隙間を見かけますが、容器自体がトラックに合っていないことで発生するムダです。これらは一例にすぎません。物流データを作成していくことを通して精度の高い配車のみならず物流上の改善点を見つけることができるのです。
 

6. 他社と共同で物流を

 物流データを整備することには時間がかかるかもしれません。でもこのデータが無ければいつまでたっても「カンコツ」による物流管理から脱することはできません。トラック積載率も見た目の判断値とデータに基づく計算値とでは大きな開きが出ます。さらに荷姿効率も加味した真の積載率を求めてみると愕然とすることが多いと思います。
 
 この「愕然とした気づき」が大幅改善の入口です。多分皆さんの会社でもせっかくトラックをチャーターしたとしても、その能力の半分も活用していないのではないでしょうか。もしそうだとしたら委託先に支払っている価格の半分はお金を捨てていることと同じことになります。ぜひ物流データ化して正しい輸送パフォーマンスを把握するようにしましょう。
 
 ところで物流と...
 
 前回のその1に続いて解説します。
 

4. 製品設計時に物流の思想を織り込む

 まだまだ意識は浸透している感はありませんが、物流を意識した製品設計というものがあります。製品には商品性やデザインなどの重要要素があります。それとともに、「物流」も商品力の一つだという考え方です。商品開発や製品設計はできるだけ制約をかけずに行うことで発想力も拡大し、よりよい商品が生まれるものと考えられます。
 
 しかし、現実問題を考えると製品設計時に物流の思想を織り込んだ方がよいものがあります。「物流コスト負担力」という考え方があります。これはその製品を運ぶ時にかかるコストがその製品の価格に対して比率が高いものは「物流コスト負担力がない」と表現します。
 
 たとえば、薬 1㎥とポテトチップス 1㎥の価格を比較したとしましょう。結果はいうまでもなく薬の方が何十倍、何百倍もするものと思われます。一方で物流コストは、というと同じ距離を輸送するのであれば原則としてコストは同じです。つまり薬は物流コスト負担力があり、ポテトチップスにはそれがないということになります。特に物流コスト負担力がないものについては製品設計時に物流を考慮する方が望ましいと考えられるのです。
 
 モノを運搬するときは原則として直方体の形状の中に収める形となります。なぜなら、トラックやコンテナの形状が直方体になっているからです。製品を設計する際に、ある直方体に入れたときに空間ができるだけ発生しないように考えます。仮に製品そのものが直方体のような形になっていたとしても、その一部から突起のようなものが出ていたとしたらどうでしょうか。
 
 せっかく物流上ロスの発生しない製品の形状であるにもかかわらず、その突起1つがあるだけで実質的に輸送ロスが発生してしまうのです。このような視点で自社の製品を眺めてみましょう。「この部分」が効率を低下させるという状況に気づいたのではないでしょうか。物流は最初が肝心です。製品は設計時点で輸送効率が決まります。だからこそ物流コスト負担力が小さい製品については、設計時に物流を意識していただきたいと思います。
 
 SCM
 

5. 物流データの重要性

 輸配送を管理していくため、そして、改善していくために欠かせないものが「物流データ」です。当たり前に聞こえるかもしれませんが意外とこれが整備できていない会社は多いものです。物流データとは荷姿データ、つまり荷姿の縦横高さの寸法、そして荷姿重量です。さらにその荷姿の入数、製品単体重量と容器重量です。これらのデータがないと正確な配車はできません。大体の勘による配車はできますが、多くの場合ロスをたくさん抱えた配車になりがちです。
 
 また、出荷場でトラックに荷を積み込むときに、荷台に隙間があるからといって感覚で積み込んでいくと「過積載」になる可能性があります。このリスクはきちんと計算しながら積み込むことで回避することができます。皆さんの会社ではこのような物流データは揃っていますでしょうか。もし揃っていないようでしたら今からデータ収集を開始しましょう。現場で実際に測定することでデータを集めている会社はいくらでもあります。
 
 このデータからも改善点を導き出すことができます。たとえば荷姿重量を整備した時に、製品重量よりも容器重量の方が重いという現状に気づくことがあります。せっかく製品を軽量化しても、容器の軽量化が進んでいないのです。容器の材料や構成部品を個々に見ていくことで軽量化を狙う必要があります。
 
 この良い事例が「ビール」です。ビールは水物ですからトラック輸送時には重量勝ちになります。ということは荷台の空間が埋まる前に重量で満載になってしまうのです。つまり荷台に隙間ができる可能性があるということです。そこでビールメーカーは容器の軽量化を図りました。ビール瓶と缶の材料と肉厚などを変更することで容器自体の軽量化を測り、中身と容器を合わせた重量を小さくすることでトラックにより多くの製品を積めるようにしたわけです。
 
 荷姿寸法からも改善の余地が見えてきます。たとえばトラックに目いっぱい積んだ時の隙間です。よく荷台の後方に隙間を見かけますが、容器自体がトラックに合っていないことで発生するムダです。これらは一例にすぎません。物流データを作成していくことを通して精度の高い配車のみならず物流上の改善点を見つけることができるのです。
 

6. 他社と共同で物流を

 物流データを整備することには時間がかかるかもしれません。でもこのデータが無ければいつまでたっても「カンコツ」による物流管理から脱することはできません。トラック積載率も見た目の判断値とデータに基づく計算値とでは大きな開きが出ます。さらに荷姿効率も加味した真の積載率を求めてみると愕然とすることが多いと思います。
 
 この「愕然とした気づき」が大幅改善の入口です。多分皆さんの会社でもせっかくトラックをチャーターしたとしても、その能力の半分も活用していないのではないでしょうか。もしそうだとしたら委託先に支払っている価格の半分はお金を捨てていることと同じことになります。ぜひ物流データ化して正しい輸送パフォーマンスを把握するようにしましょう。
 
 ところで物流というものは仲間が増えて物量が多くなればなるほど改善のオポチュニティーが増える傾向があります。皆さんの会社でも複数部署からの出荷があるのであれば、一か所に物量情報を集めて同一トラックに混載できるようなしくみをつくると効果的です。これは会社間でも同様です。他社と共同で物流を行っていくことは物流インフラを有効活用できるとともに、物流コスト削減には非常に効くアイテムなのです。
 
 お勧めなのは近隣企業と物流研究会を設け、そこで共同化のオポチュニティーを探っていくことです。一つは製品の特性が似ている会社同士で組んでみることです。もう一つは重量物を出荷する会社と、軽くて嵩が大きなものを出荷する会社とで組むことです。
 
 前者の場合は比較的容易に共同物流を実現することができるでしょう。お互い似ている製品ですから、品質管理基準も似ているでしょうし荷姿も似ていると考えられるからです。後者の場合は重量物と嵩物を混載することで、トラックの有効活用が大いに進むことが考えられるからです。
 
 物流改善のレベルが進んでいくと、社内だけではアイテムが見つからなくなってきます。このような段階に到達したら次は他社と組むことを考えましょう。製品では競争することは当たり前ですが、物流では協調していくことが一番なのです。
  

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この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

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