リサイクル先駆業界: 新環境経営 (その51)

 新環境経営への取組みについての話題を提供するに当たり、経済成長に邁進してきた中で発生した公害の歴史、CSRの取組の変遷、環境マネジメントシステム、有害物質管理の現状、エネルギーマネジメント、エコを経営に活かす、その後、省エネ、創エネ、畜エネについて紹介してきました。最後に、環境経営を行っている事例をいくつか紹介します。新環境経営の目指すところは、これまでに培われた環境技術、仕事のやり方等の全てをつぎ込んで、持続可能な循環型社会を実現することであり、豊かな社会で大量生産であっても、江戸時代の様な、自然界の再生力を利用した循環型社会です。まずは、最初に、リサイクルに他の業界に先駆けて取り組んだ、複写機、プリンター業界について紹介します。
 

◆ 富士ゼロックスの取り組み

CSR
 富士ゼロックスは、業界に先駆けてリサイクルに取り組み、1995年には事務機器業界で初めてリユース部品を使用した商品を市場導入、1997年から廃棄物の埋立てゼロ(ゼロ・エミッション)を達成。又、1998年には業界で初めて、プラスチックのリサイクルに成功しました。
 
 更に国内で培った資源循環システムの海外への展開として、2004年度からアジア・パシフィック地域(タイ)、2007年度には台湾、2008年度には中国・蘇州にリサイクル拠点を設立。2012年度には、オーストラリア・ニュージーランド・韓国を自国での資源循環活動へと変更、事業展開する地域全体で、日本と同等のリサイクルシステムを構築しています。以下、富士ゼロックスの資源循環システムの取り組みを紹介します。
 

<クローズド・ループ・システム>

 「市場に出した商品は回収する。回収して使い切る。新たな資源の投入を抑え、閉じた輪の中で部品を循環していく」これがクローズド・ループ・システムの基本的な考え方です。原材料化・素材化される部品を、できる限り部品として再使用する内側のループに向け、リユース部品の拡大とリサイクル率を高めていくことを目指しています。
 

<ゼロ・エミッション>

 廃棄ゼロに向けた活動がゼロ・エミッション。再使用できない部品や商品は、手分解で分別し、徹底的に資源として回収します。さらに、新造品と同等の品質でリサイクルプラスチック素材を提供できる技術を素材メーカーと共同開発する。資源循環システムは使った資源は活かして、できる限り新たな資源は使わずに、廃棄ゼロを目指します。
 

<インバース・マニュファクチャリング>

 インバース・マニュファクチャリングとは、部品の再使用を前提としたライフサイクル企画、再使用部品の拡大のためのリユース/リサイクル設計です。環境負荷の少ない商品作りを目指す環境影響アセスメントを、ものづくりの上流で行います。
 

<リユース/リサイクル設計活動>

 1995年に「リサイクル設計ガイドライン」を制定、さらに部品リユースを拡大する為「リユース設計指針」を策定し、部品リユース設計法を開発、技術標準化することで新商品の開発時にリユース設計を確実に商品に導入しています。
 
 さらに、部品・素材メーカーとの連携を強めるため「リサイクル調達ガイドライン」を制定し、ノウハウの共有化、リユース技術の共同開発などの協力を要請しています。また、特定有害化学物質の削減を「グリーン調達基準」として定め、特定有害化学物質の製品への含有/製造工程での使用を管理しています。
 

<富士ゼロックスの資源循環システム>

 複写機、プリンター業界は、お互いに切磋琢磨して資源循環システムの競争を行い、他の業界に先駆けて、循環型社会の実現に取り組んでいます。次回は、解体建設現場で発生する混合廃棄物をすべて再資源化する総合リサイクル業を目指す、石坂産業について紹介します。
  

この記事の著者

石原 和憲

人と地域をつなぐ、交流型イノベーター

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