クリーン化:別居型下駄箱

 今回は、クリーンルームの4原則のうち、最初の“持ち込まない”について、『別居型下駄箱』を例に解説します。
 
 クリーンルーム内に発塵するようなものを持ち込まないということは、クリーン化に精通している方は良くご存じだと思います。またその意識・着眼点で、日頃から観察していると思います。ただ、これはクリーンルームのことだと見方を制限するのではなく、幅広く見ていただきたいと思います。クリーンルームへの持ち込みは、クリーンルームの外からですが、その外、更にその外にと見ていくと色々なものが見えてきます。
 

1. クリーン化 事例

 ある表示体の工場で、天井、壁、床のゴミを採取し、分析したところ、外の駐車場のゴミと一致するものが見つかったという事例がありました。日常的に清潔にしているはずでも、時間の経過とともに、知らないうちに持ち込まれる、入り込むということです。その持ち込まないということについて、下駄箱の事例を紹介します。
 

2. クリーン化事例:同居型 下駄箱

クリーン化
 一般に多いのは、下駄箱が二段になっていて、上段は上履き、或いはスリッパなどを入れます。下段には下履き(外履き)を入れるというタイプです。これを『同居型下駄箱』としましょう。ところが、上の段に下履きを入れ、下に上履きを入れてしまう人もいます。その入れ方が日によって違う人もいます。下履きを取り出し、そこに上履きを入れるとか、上履きの入る位置に下履きを入れてしまうと、下履きに付着した土などの汚れが上履きに付着し、それで構内を歩いてしまい、持ち込まれた汚れが広範囲に拡散することになります。
 
 掃除業者の構内掃除で靴の跡が多いという情報が寄せられ、調査したところ、下駄箱への靴の入れ方が問題だったことがわかった事例がありました。これは、口頭で何度も連絡・依頼しても、なかなか徹底できませんでした。つまり、依頼・お願いという精神的な呼びかけでは改善できなかったということです。そこで、考えられたのが、根本的な改善策としての『別居型の下駄箱』です。
 

3. クリーン化事例:別居型 下駄箱

 上履きと下履きを入れる下駄箱を分離した事例です。従業員玄関に入り、まず下履きを脱ぎます。そしてそこで下足入れに入れます。その後、靴下のまま少し歩いたところに用意された上履き入れから上履きを取り出し履きます。このように下履き入れと上履き入れの距離を離すと、物理的に混用することが出来なくなります。
 
 口頭で人の心に訴えても、意識してもらえなかったり、人が変わるとまた元に戻ってしまうことを、仕組みで回避した事例です。これによって清掃業者の靴跡の清掃は、負担が軽くなりました。単純なことかもしれませんが、構内への土などの持ち込みを改善した事例です。
 

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4. クリーン化は小さな改善の積み重ね

 『クリーン化技術』と一言で言ってしまいますが、実はこのような小さな改善の積み重ねをまとめたことなのです。常日頃から清掃業者は色々な情報を持っています。それを社員に伝える場がない場合が多いのです。うまく連携できれば、クリーン化の貴重な情報が得られます。クリーン化の推進には些細な情報も活用しましょう。
 

この記事の著者

清水 英範

ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め多面的、総合的なアドバイス。クリーンルームの有無に限らず現場中心に体質改善、強化のお手伝いをいたします。

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