マイナンバー制度と企業 (その2)

 マイナンバー制度導入については、内閣府ホームページの資料や、ICT系企業の説明会資料では良く理解できず、教わりようもないというのが実情ではないでしょうか。本稿では、社員・パート・アルバイトの方が50人以下の小規模企業の現場で役立つ、現場直結のマイナンバー制度導入実務について解説します。
 
 その1で解説しましたように、日常の仕事の基本をきちんとやることが、マイナンバー制度の運用でも大事なことです。『手順どおりにやれば、誰でもできる手引書と、その運用を支援する”かかりつけ医”がもとめられていると考えています。 手引書では、モデル企業としての小規模企業が、マイナンバー制度をいかに導入していくかと仮定して解説を進めます。手引書の詳細は次のリンクから、ご覧下さい
 
         https://www.monodukuri.com/dvd_library/dt/5/
 

◆マイナンバー制度は、何に使うのか

 税・社会保障・災害対策分野が対象で、将来的に見れば、災害対策分野こそが地域のライフラインを守る上に大事であるのですが、今の段階では深くは触れられていませんが、その地域を支えているのは、地域密着の小規模・中小企業なのですから、マイナンバー制度を使いこなすことは社会的にも有意義なことなのです。
 
 マイナンバー制度の導入を避けて通らないで、むしろ経営体質の変革のチャンスと捉えて本手引書を現場で役立てていただきたいと願っています。どんな環境でも地域と共に持続することが、小規模・中小企業の使命と信じております。貴社が、地域のモデルとなっていただきたいと念じていますので、一緒に進めてまいりましょう。
 

◆小規模企業の例〔 解 説 用 〕

 皆様の企業も、下記を参考に、会社概要をまとめてみて下さい。事前準備として、これが、現場直結のマイナンバー制度導入の第1歩です。 
          
 【 事例 】株式会社 MyNa事務機器販売の会社概要 
 
  ◇創業        1968年 (社歴:47年)
  ◇2代目社長      山野 登 (45才)
  ◇扱い商材等     文具類・複合機・シュッレター・書道毛筆・スチール家具等
  ◇販売チャネル    地場密着の店売り・小規模中小企業・官公庁関係
  ◇セールスポイント  機動力・ワンポイントで品揃え
             地域密着のファミリービジネス(FB)
  ◇社員構成等
      *1階は店舗と倉庫 2階は会長夫婦の居宅(会長名義)
      *創業者の父親は会長として、渉外活動をサポートしている
       (家賃と給与を払っている)母親は引退して地域活動をしている(無給)
      *奥さま(山野直子)は、週2日・総務担当として給与計算、社会保険関係、
       現金関係の管理業務を担当・・社長の家族は別宅(扶養家族:子供2人)
      *職務分担
 
        1)社長・・・・営業・PC関係・渉外・レジの管理・現金管理
        2)総務担当・・給与、社会保険、現金管理
        3)正社員・・・営業兼業務担当 30代半ば (扶養家族2人)
        4)パート・・・主婦40代 3人(タイムシェアリング制)
                レジ・接客・勤怠管理
 
  ◇給与計算は、社内処理  税務申告は税理士に委託、
               社会保険関係は、社会保険労務士に委託
  ◇商工会会員
 
 改めて、会社概要をまとめてみて、自社を俯瞰してみると、次の3分類のどれになるかがよく分かります。
 
   ①「一人親...
方型」
   ②「家族経営型=ファミリービジネス・企業」
   ③「経営者とパート・アルバイトで構成」して流動性の高い企業経営型
 
 小規模・中小企業でも、落ち着いた組織運営が出来ているかどうかで、マイナンバーの導入や運営の方法が大きく変わってきます。 月次試算表の作成や税務申告書の策定・社会保険手続き・年末調整や源泉徴収票等のマイナンバー関連業務のほとんどを、 外部委託をしてしまおうとしている小規模・中小企業が多いのが実態です。 ICTの専任者もいないため、ほとんどが複合機やPC等を購入した業者任せのところもあります。冒頭で紹介した手順どおりにやれば、誰でもできる手引書を利用すれば、上記の3分類のどの企業でも、マイナンバー対応が自力で簡単に行えます。まず、この手引書を入手して準備して下さい。次回、その3では、マイナンバーの収集方法を解説いたします。
         

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