TRIZにおけるセルフ-X

1. セルフ-Xとは

 TRIZ ツールの究極の理想解(IFR:Ideal Final Result)の考え方として、「問題がひとりでに解決すること」があげられます。「ひとりでに」というのは、なんらかの仕組みがシステムに内在して、特別な操作を外部から起さなくても、問題が生じない、あるいは問題が自然に解決されることを意味しています。コストをかけず、あるいは害なしに達成される機能を意味しています。この考え方は、工学的な自動化の概念とは区別されるものです。

 Darrell Mannは、1985 ~ 2003 年の米国特許を詳細に調査しています。その結果、「問題がひとりでに解決する」の解決策を実現した特許を2000 件以上見出しました。彼はそれらを「セルフ-X」特許と呼んでいます。ここでXとは、機能を表しています。ここで実現されている機能は、自動清掃、自動位置決め、自動開閉、自動配置、自動調節、自動検査、自動時間駆動、自動較正、自動修復などを指しています。
  

2. セルフ-Xの具体例と活用法

 具体的には、どのような事例があるのでしょうか。例えば、ソフトウェアの技術では、多くの「セルフ-X」適用事例をあげることができます。例えばパソコンでは、ウィルスチェック、ディスクデフラグ、ディスククリーンアップなどがそれにあたります。ワード、エクセル、パワーポイントのバックグラウンドでの自動保存、インターネット上のサーバーに接続する場合の自動接続などです。

 建物の壁などを定期的に清掃するには、メンテナンスコストが必要になります。そこで、壁などを清掃するコストを低減させるためにどうすればよいでしょうか。一般的には、高圧ジェット水流で汚れを落とすとか、洗剤で洗うことなどを考えるでしょう。それに対する「セルフ-X」の考え方として、「セルフ-クリーニング」で壁を劣化させずに実現できる方法がないか考えてみます。そ...

こでは「リソース」として何が利用できるかも考えます。例えば図1のように、UV光が「リソース」で、それをTiO2に当てて微生物や汚れを分解できる「光触媒」の技術に到達できると考えたりします。 
                            図1 セルフ-クリーニングの事例

 参考文献: Darrell Mann 他、TRIZ実践と効用(1)体系的技術革新

◆関連解説『TRIZとは』

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