技術開発者の離職理由から考える本質的な解決策、新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その100)

投稿日

技術開発者の離職理由から考える本質的な解決策、新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その100)

この連載の前回、潜在ニーズをとらえる仮説検証の3ステップ、新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その99)へのリンク

【目次】

    ▼さらに深く学ぶなら!
    「技術マネジメント」に関するセミナーはこちら!

     

    1. 労働者不足や転職による離職者の増加が問題

    昨今のビジネス環境の変化で、労働者不足や転職による離職者の増加が問題視されています。小規模事業者の間では過去から課題のひとつとして議論されていましたが、大手企業においても同様の課題を耳にすることが増えました。転職理由の上位には、依然として給与や人間関係が上位にくる一方、昇進・キャリアップといった理由も若手を中心にあがっているようです。昇進・キャリアアップといった理由を掘り下げると、このまま勤めていても成長が見込めないと判断されていると考えられます。今回はキャリアアップ(成長)のために離職するという理由に注目して、私が考える解決策をお伝えします。

     

    若手、中堅社員の技術者の方々とはご支援の中で交流をしていますが、業務の中で成長を感じることができないと思...

    技術開発者の離職理由から考える本質的な解決策、新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その100)

    この連載の前回、潜在ニーズをとらえる仮説検証の3ステップ、新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その99)へのリンク

    【目次】

      ▼さらに深く学ぶなら!
      「技術マネジメント」に関するセミナーはこちら!

       

      1. 労働者不足や転職による離職者の増加が問題

      昨今のビジネス環境の変化で、労働者不足や転職による離職者の増加が問題視されています。小規模事業者の間では過去から課題のひとつとして議論されていましたが、大手企業においても同様の課題を耳にすることが増えました。転職理由の上位には、依然として給与や人間関係が上位にくる一方、昇進・キャリアップといった理由も若手を中心にあがっているようです。昇進・キャリアアップといった理由を掘り下げると、このまま勤めていても成長が見込めないと判断されていると考えられます。今回はキャリアアップ(成長)のために離職するという理由に注目して、私が考える解決策をお伝えします。

       

      若手、中堅社員の技術者の方々とはご支援の中で交流をしていますが、業務の中で成長を感じることができないと思う方が一定数いらっしゃいます。日々、開発業務に携わっているので、成長しているはずですが、実感が沸かないようです。

       

      背景として、将来に不安を感じるニュースに触れる機会の増加や、SNS普及による他者との比較が容易になっているなどが考えられます。前者はアクセス数稼ぎを目的とした不安感情の煽りであったり、後者は良いところだけSNS投稿する傾向があり現実以上に他者が優秀に見えてしまうことがあります。

       

      2. 技術開発に携わる若手、中堅社員が成長を感じられない理由

      技術開発に携わる若手、中堅社員が成長を感じられない理由を深堀していくと、大きく2つの要因が考えられました。

      (1)自社商品が売れているか

      自社商品が売れているか実感がないため、自社商品に誇りを持つことができない。70~80年代の国内産業はモノを作れば売れる時代と言われ、大量生産による大ヒット商品が比較的、生まれやすい環境にありました。現代は、万人向け商品は減少し、ターゲットを限定した商品開発が進められ、例え限定市場でバズッたとしても過去の商品と比較して売上規模が小さい傾向があり、売れている感が得られにくい状況です。

       

      (2)開発が事業に結びついているか

      開発した技術が商品に実装された経験がない、少ないため、事業に貢献している気がしない。自身の専門性を活かすことができる環境(会社)で開発したい。先に示したとおり、モノを作れば売れる時代は去り、市場ニーズを捉えた商品開発と開発テーマの設定が必要です。技術開発は完了できたものの市場ニーズにマッチできず、また獲得した技術を別の用途へ展開する策を講じられず、最後は獲得した技術が資産化されないといったことが起こります。上記以外にも独立心が高く、スキルアップするために環境はどんどん変えていくという価値観の技術開発者はもちろんいますが、最後に2つの要因に対する私なりの解決策を示します。

       

      3. 技術開発者離職問題への取り組み

      経営者、管理職層に取り組んでほしい施策です。

      • 小ヒット商品を生み出す開発プロセス
      • 小ヒット商品を成功とする評価プロセス
      • 市場機会を逃してしまった技術を資産に含め、保有技術の組み合わせで商品を企画する活動

       

      ポイントは、大ヒット商品のみに限定せず、小ヒット商品を生み出し、これを連続させたり、組み合わせることで期待する事業規模を実現する考え方です。技術開発者の離職に悩まれる場合には、これらに取り組んでほしいと思います。

       

      次回に続きます。

       

         続きを読むには・・・


      この記事の著者

      川崎 響子

      革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。

      革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。


      「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

      もっと見る
      新規事業は小さなPDCAを回して生み出す 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その18)

              今回は、各界のリーダーの言葉から新規事業立ち上げに対する考え方をご紹介します。  ...

              今回は、各界のリーダーの言葉から新規事業立ち上げに対する考え方をご紹介します。  ...


      試作から量産に向けての課題解決

         新規製品の立ち上げで、試作から量産に向けて様々な課題を解決しなければなりません。今回は、この部分を解説します。考慮するポイントは次のよう...

         新規製品の立ち上げで、試作から量産に向けて様々な課題を解決しなければなりません。今回は、この部分を解説します。考慮するポイントは次のよう...


      リスクベース設計とは

       今回は、潜在不良流出を防止するリスクベースの設計手法について解説します。設計終了後の評価テストや、製造工程の試験、検査で発見できない不具合が市場で発生す...

       今回は、潜在不良流出を防止するリスクベースの設計手法について解説します。設計終了後の評価テストや、製造工程の試験、検査で発見できない不具合が市場で発生す...


      「技術マネジメント総合」の活用事例

      もっと見る
      開発生産性とは プロジェクト管理の仕組み (その17)

       前回のその16に続いて解説します。作業成果物メトリクスは、作業成果物を測定することにより作業量から見た進捗を把握するためのものですが、その活用方法につい...

       前回のその16に続いて解説します。作業成果物メトリクスは、作業成果物を測定することにより作業量から見た進捗を把握するためのものですが、その活用方法につい...


      イノベーションに取り組む第1歩はR&D

      【ものづくり企業のR&Dと経営機能 記事目次】 管理力より技術力を磨け 技術プラットフォームの重要性 手段としてのオープンイノベーション...

      【ものづくり企業のR&Dと経営機能 記事目次】 管理力より技術力を磨け 技術プラットフォームの重要性 手段としてのオープンイノベーション...


      サブシステムの開発目標 プロジェクト管理の仕組み (その41)

       前回までで、化粧品の自販機についてシステムの内部構造を決めました。システム内部構造は、システムを独立したサブシステムにブレークダウンしたもので、ブロック...

       前回までで、化粧品の自販機についてシステムの内部構造を決めました。システム内部構造は、システムを独立したサブシステムにブレークダウンしたもので、ブロック...