費用がかからず簡単な防止策:ヒューマンエラー防止策(その12)

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費用がかからず簡単な防止策:ヒューマンエラー防止策(その12)

【目次】

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    1. 正常、異常、途中経過がわかるように「見える化」

    ヒューマンエラーのほとんどが、たわいもないこととその積み重ねによるものと紹介しました。ヒトはお尻に火が付かないことには、即行動しない動物のようです。でも急にお尻に火が付けば、慌ててしまい普段の行動ができなくなり、ほとんどの場合が失敗につながるものです。そこで、普段気づないことや見えないことを、誰が見てもわかるように「見える化」します。異常があればすぐに行動し対処することを、職場で習慣化することが大切だと考えます。

     

    「見える化」することで、次の行動をどうやればよいかが見えてきます。そして、次の行動はどうすれば良いかの対処もわかります。さらに“清掃”の思想と同じように、汚れを取りキレイにすることで、原因や真因がわかり、再発防止策も考えて対処する習慣を身につけていくことが大切です。時間はかかりますが、その効果は想像以上です。

     

    対処を習慣化することで、慌てるような状況でも、迷わない、探さない、考えなくてよい、相談しなくてよいなどのムダやミスやエラーもなくせます。これらがなくなれば、誰でも同じように作業ができるようになり、品質も時間も生産性も“バラツキ”が少なくなり、いずれも向上します。その方法が、以前にも紹介しました「5S活動」と「目で見る管理」です。実際には、整理+清掃+整頓と表示標識の3Sです。

     

    その実例の1つを紹介します。現場で備品がなくなった時に、工員が事務所まで行って「A部品を明後日までに、1箱発注しておいてください。」と伝えます。たまたま担当者がいなく、別な人に頼みました。何日も経っても納入されないので、その工員が事務所に行き「A部品まだですか?」「あっ、忘れていました!...

    費用がかからず簡単な防止策:ヒューマンエラー防止策(その12)

    【目次】

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      1. 正常、異常、途中経過がわかるように「見える化」

      ヒューマンエラーのほとんどが、たわいもないこととその積み重ねによるものと紹介しました。ヒトはお尻に火が付かないことには、即行動しない動物のようです。でも急にお尻に火が付けば、慌ててしまい普段の行動ができなくなり、ほとんどの場合が失敗につながるものです。そこで、普段気づないことや見えないことを、誰が見てもわかるように「見える化」します。異常があればすぐに行動し対処することを、職場で習慣化することが大切だと考えます。

       

      「見える化」することで、次の行動をどうやればよいかが見えてきます。そして、次の行動はどうすれば良いかの対処もわかります。さらに“清掃”の思想と同じように、汚れを取りキレイにすることで、原因や真因がわかり、再発防止策も考えて対処する習慣を身につけていくことが大切です。時間はかかりますが、その効果は想像以上です。

       

      対処を習慣化することで、慌てるような状況でも、迷わない、探さない、考えなくてよい、相談しなくてよいなどのムダやミスやエラーもなくせます。これらがなくなれば、誰でも同じように作業ができるようになり、品質も時間も生産性も“バラツキ”が少なくなり、いずれも向上します。その方法が、以前にも紹介しました「5S活動」と「目で見る管理」です。実際には、整理+清掃+整頓と表示標識の3Sです。

       

      その実例の1つを紹介します。現場で備品がなくなった時に、工員が事務所まで行って「A部品を明後日までに、1箱発注しておいてください。」と伝えます。たまたま担当者がいなく、別な人に頼みました。何日も経っても納入されないので、その工員が事務所に行き「A部品まだですか?」「あっ、忘れていました!これから電話します。あとで連絡します。ごめんなさい。」云々。その間の工数はいくらになりますか?代替品を探したり、工程を入れ替えたりなどムダはいくらですか?また忘れたことで、人間関係も悪くなります。

       

      そこで、「発注カード」をつくり、それを入れるポストを設置し、納入日にその発注カードを入れる仕組みをつくりました。部品がなくなる前に取り付けられた発注カードを、工員がポストに投函します。納入業者は事務所ではなく、直接工場に来てもらいます。毎日、2日に1回などルールを決めます。発注カードを見た納入業者は、品目数量を確認し、納入日(発注済み)のポストに「確かに受注しました、○曜日に納入します。」と意思表示をしてカードを入れます。納入日には、現品とカードを工員に渡し、伝票は事務所に渡します。工員は発注済みポストのカードの位置を見れば、納期がわかります。しかも事務所とのやり取りの時間も歩行ロスもありません。念のために、ポストの横には1枚の簡単なルールも掲載しておきます。 

       

      2. 正しい仕事ができるように職場環境の整備

      ヒューマンエラーが発生する要因に、①作業やそれをしなかったらどうなるか知らなかった、②ルールを知らなかった③疲れやストレスが溜まっていたという大きく3点で占められます。

       

      少子高齢化、外国人化など作業する人たちの多様化もありますが、それに伴い指導、教育、訓練が付き届かなくなっています。そのために、①の作業内容やその意味、それをしなければどうなるか、やらないとどうなるか。さらにその損失はいくらになるかまで、なかなか指導も教育もできない状況です。でもやらないことには、同じことの繰り返しになります。これも以前に紹介しました。②ルールも同様です。以前紹介しました組織的な問題です。極端なことですが、A4紙一枚でルール、標準類、手順書などができます。コストも余りかかりませんが、時間と労力はかけなければなりません。③の疲れもエルゴノミー(作業姿勢)評価でも紹介しましたが、短時間のローテーション、簡易自働化やからくりを応用し軽減できます。ストレスは、人間関係によるものがあり、上司やリーダーの積極的な挨拶や相談事に積極的にヒアリングすることで対処が可能です。

       

      実例ですが、煩雑な作業をさせないという組立作業必要な部品しか供給しない“オーダー別ピッキング”(写真)があります。工員は一切検数や選択をしなくてもよく、ネジやナットまで必要数だけを供給し、さらに特殊工具もその時にだけ提供し、作業が終われば回収する仕組みをつくりました。煩雑さから解放し、ミスやエラーを激減できます。

       

      写真 オーダー別ピッキングの台車(組む順番に必要な部品が並べてある)

       

       3. チームマネジメントを上司やリーダーが率先

      ヒューマンエラーの発生するさらなる要因として、筆者が考えているのが職場の人間関係の良さ悪さです。正常時は問題ありませんが、異常や異常の前の「はてな?おや?なに?」といったヒヤリハットの前の「モヤモヤ」状態になれば、すぐに周りの人と共有化する勇気をもった職場の雰囲気にしていくことが大切だと考えています。

       

      実際に10年以上も出荷検査での不良ゼロ、市場クレームゼロの職場があります。その一番の要因と考えますのが、上司の率先さと規律の良さです。その上司の雰囲気づくりの良さは、いつも笑顔で怒った顔は見たことがありません。まるで生きておられるお釈迦様のようです。またすぐに問題があれば共有化し、改善が必要となれば改善を皆と一緒にすぐにやってしまうという行動力などに気づかされます。まだまだ要因はあるかと思いますが、率先して「自ら考え、自ら考動し、自らの価値を上げていく人を育てる」ことを取り組む過程で、職場の雰囲気は変わり、そしてヒューマンエラーの要因も次第に消滅していくと考えます。これはチームマネジメントの業務になります。

       

      今回で、ヒューマンエラー防止策の連載を終わります。

      【出典】株式会社 SMC HPより、筆者のご承諾により編集して掲載 

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      この記事の著者

      松田 龍太郎

      見えないコトを見えるようにする現場改善コンサルタント。ユーモアと笑顔をセットにして、元氣一杯に現地現物での指導を心がける。難しいことはわかりやすく、例え話や事例を用いながら解説し、納得してもらえるように楽しく動機付けを行います。

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