伝える内容の理解度 内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その32)

  

 

今回は、「内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その31)」の続きです。今回も、「伝える内容を明確に理解していること」に関する解説です。

【この連載の前回:内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その31)へのリンク】 

 

1.わかりやすく(=内容が明確に伝わるように)書くために必要なこと

専門知識を持たない一般の方に対して専門的な内容をわかりやすく書くことは難しいことですが、専門的な内容を「理解している」ことでその内容をわかりやすく書くことはできるはずです。しかし「理解したつもり」ではわかりやすく書くことはできません。それは、専門的な内容の本質を理解していないからです。

 

専門用語の意味を理解していることで専門用語のことをわかりやすく書くことができます。Hさんが数回の推敲で資料をわかりやすく書くことができたのは、地質や地震に関することをHさんが「理解していた」からです(前回の記事参照)。「理解したつもり」ではわかりやすく書くことはできません。

 

技術文書を書くときも同じです。伝える内容を「明確に理解している」ことで内容が明確に伝わる技術文書を書くことができます。このことが、わかりやすく(=内容が明確に伝わるように)書くために必要なことです。

 

2.本質を理解すること

参考として、知り合いの新聞記者の方からいただいた資料の中にあった「本質を理解する」という文章を紹介します。

 

本質をしっかり理解していないと、分かりやすく説明が出来ない。同様に何を切り捨てればよいか(切り捨てても大丈夫か)、分らなくなる。新聞社に記者として入ると、最初に先輩から教えられることは「難しく書くことは簡単だが、分かりやすく書くことは難しい」ということです。書いていることを本人が完全に理解していないことがよくあります。本質を理解していないから「簡潔に説明できない」のです。理解していれば分かりやすい言葉に置き換えて説明が出来るはずです。

 

これは、内容が明確に伝わる技術文書を書くうえで「伝える内容を明確に理解していること」が重要なことを裏付け...

る内容です。

 

次回に続きます。

【参考文献】

森谷仁著、「マンガでわかる技術文書の書き方」、オーム社、令和4年3月25日

◆【特集】 連載記事紹介連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 

関連解説記事「相手の立場に立って考える」こと 

◆関連解説『人財教育とは』
 

↓ 続きを読むには・・・

新規会員登録


この記事の著者