問題解決を阻む原因は、あなた自身の捉え方?

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アイデア発想法

 

これを知れば面白くなる! ブレインライティング成功 の裏にある 心理学 や 脳科学、思考の偏り はあなたの成長を阻害する!!

 

この連載の前回:思考の偏り ~あなたはどちらのタイプ?】前回は、ファシリテーターならぜひ知っておきたい、 ブレインライティングの背景にある心理学・脳科学についてお話しました。今回は、問題解決を阻む原因について考えます。

 

1.問題解決を阻む原因

問題解決 のお手伝いをしていると、次の様な悩みをお持ちのリーダーが多いようです。 問題解決を阻む原因 は、いろいろいありますね。

  • いつも同じ結果しか出てこない。
  • いつも同じ改善アイデアしか出てこない。
  • 社内で問題解決訓練を実施しているのに、活かせていない。
  • 解決したと思っていたら、同じ問題が再発した。

まるで永久ループにハマっているようですね。なんとかしたいものです。

 

(1)問題の捉え方の問題

前述のようなことが続くチームでは、『問題の捉え方』に改善のメスを入れる必要があります。私たちの脳は、過去の経験や知識によって、問題の「みかた」に偏りが発生しやすく、この偏りが悪さをして問題解決を阻害します。

 

社内で「問題解決訓練」を行っても、人の問題に対する視点を変えなければ、問題解決はスムーズに進みません。

 

(2)問題の捉え方:例 ①

何か問題が発生した時、問題解決を目指して行動を起こす人と、周囲の様子を伺いながら問題解決を目指して行動を起こす人がいます。前者を『主体行動型』と呼び、後者を『反映分析型』と呼びます。

 

2つのタイプは、同じ問題に遭遇しても、脳内の認知方法に違いが発生し、問題解決の方法や行動内容に違いが表れてきます。『主体行動型』は、問題解決に向けて行動を起こし、『反映分析型』は、周囲の様子を伺ったりと、一歩立ち止まって考える行動を起こします。

 

(3)問題の捉え方:例 ②

何か問題が発生した時、ゴールを達成したがる人と、問題解決に対して『問題が発生しないように』慎重に行動する人がいます。前者を『目的思考型』、後者を『問題回避型』といいます。2つのタイプとも、同じ問題に遭遇しても認知方法の違いから、問題解決するための方法や行動内容に違いがあらわれます。

 

『目的志向型』は、問題解決した時のことを考え、『問題回避型』は、問題解決に至るまでの「問題解決の問題」を掘り起こすような行動を起こします。

 

2.行動は組み合わさって行動様式が変わる

それぞれのタイプは、単独で人の行動パターンに現れることは少なく、複数のパターンが組み合わさって人の行動パターンが決まります。

 

【主体行動型ー目的志向の組み合わせ】

  問題解決に向けて主体的に行動します。問題の要因を見落としたり、論理的に考えることに集中できないタイプです。

 

【主体行動型ー問題回避の組み合わせ】

  問題解決を進める上で発生する ”問題” を回避する行動を主体的に起こしやすく、問題回避することに意識が向きすぎ、問題解決までに時間がかかるタイプです。

 

【目的志向ー反映分析の組み合わせ】

  問題解決を進める上で、問題解決に向けた分析行動を起こします。このタイプの場合、分析に特化した行動をとりやすいため、問題解決することより分析結果を出すことがゴールになりやすいタイプです。

 

【反映分析ー問題回避の組み合わせ】

  問題解決を進める上で、問題回避を目的とした分析に集中しやすい、問題解決するための行動やゴール自体を見失いやすいタイプです。

 

3.視野を広げるようコーチングする

問題解決の宿敵は『本人の視野』そのものです。

 

例えば

【主題行動型ー目的志向型】タイプには、【反映分析ー問題回避】タイプの視野は獲得することはできませんし、【目的志向型ー反映分析】タイプには【主体行動型ー反映分析型】の視野を獲得することができません。

 

言い換えれば、それぞれの複合タイプには『限定された視野』が発生しているのです。

 

(1)問題解決コーチング

問題解決を推し進めるリーダーなら、チームがどのタイプに陥っているのかを見極めて、適切なアドバイスをしてください。そのアドバイスが限定された視野を広げ、偏った問題解決から脱出することを促せます。アドバイスは、下記のように質問型式で行うと良いでしょう。

 

【主体行動型と目的志向型】へのコーチング

  もう少し、分析を進めながら細...

アイデア発想法

 

これを知れば面白くなる! ブレインライティング成功 の裏にある 心理学 や 脳科学、思考の偏り はあなたの成長を阻害する!!

 

この連載の前回:思考の偏り ~あなたはどちらのタイプ?】前回は、ファシリテーターならぜひ知っておきたい、 ブレインライティングの背景にある心理学・脳科学についてお話しました。今回は、問題解決を阻む原因について考えます。

 

1.問題解決を阻む原因

問題解決 のお手伝いをしていると、次の様な悩みをお持ちのリーダーが多いようです。 問題解決を阻む原因 は、いろいろいありますね。

  • いつも同じ結果しか出てこない。
  • いつも同じ改善アイデアしか出てこない。
  • 社内で問題解決訓練を実施しているのに、活かせていない。
  • 解決したと思っていたら、同じ問題が再発した。

まるで永久ループにハマっているようですね。なんとかしたいものです。

 

(1)問題の捉え方の問題

前述のようなことが続くチームでは、『問題の捉え方』に改善のメスを入れる必要があります。私たちの脳は、過去の経験や知識によって、問題の「みかた」に偏りが発生しやすく、この偏りが悪さをして問題解決を阻害します。

 

社内で「問題解決訓練」を行っても、人の問題に対する視点を変えなければ、問題解決はスムーズに進みません。

 

(2)問題の捉え方:例 ①

何か問題が発生した時、問題解決を目指して行動を起こす人と、周囲の様子を伺いながら問題解決を目指して行動を起こす人がいます。前者を『主体行動型』と呼び、後者を『反映分析型』と呼びます。

 

2つのタイプは、同じ問題に遭遇しても、脳内の認知方法に違いが発生し、問題解決の方法や行動内容に違いが表れてきます。『主体行動型』は、問題解決に向けて行動を起こし、『反映分析型』は、周囲の様子を伺ったりと、一歩立ち止まって考える行動を起こします。

 

(3)問題の捉え方:例 ②

何か問題が発生した時、ゴールを達成したがる人と、問題解決に対して『問題が発生しないように』慎重に行動する人がいます。前者を『目的思考型』、後者を『問題回避型』といいます。2つのタイプとも、同じ問題に遭遇しても認知方法の違いから、問題解決するための方法や行動内容に違いがあらわれます。

 

『目的志向型』は、問題解決した時のことを考え、『問題回避型』は、問題解決に至るまでの「問題解決の問題」を掘り起こすような行動を起こします。

 

2.行動は組み合わさって行動様式が変わる

それぞれのタイプは、単独で人の行動パターンに現れることは少なく、複数のパターンが組み合わさって人の行動パターンが決まります。

 

【主体行動型ー目的志向の組み合わせ】

  問題解決に向けて主体的に行動します。問題の要因を見落としたり、論理的に考えることに集中できないタイプです。

 

【主体行動型ー問題回避の組み合わせ】

  問題解決を進める上で発生する ”問題” を回避する行動を主体的に起こしやすく、問題回避することに意識が向きすぎ、問題解決までに時間がかかるタイプです。

 

【目的志向ー反映分析の組み合わせ】

  問題解決を進める上で、問題解決に向けた分析行動を起こします。このタイプの場合、分析に特化した行動をとりやすいため、問題解決することより分析結果を出すことがゴールになりやすいタイプです。

 

【反映分析ー問題回避の組み合わせ】

  問題解決を進める上で、問題回避を目的とした分析に集中しやすい、問題解決するための行動やゴール自体を見失いやすいタイプです。

 

3.視野を広げるようコーチングする

問題解決の宿敵は『本人の視野』そのものです。

 

例えば

【主題行動型ー目的志向型】タイプには、【反映分析ー問題回避】タイプの視野は獲得することはできませんし、【目的志向型ー反映分析】タイプには【主体行動型ー反映分析型】の視野を獲得することができません。

 

言い換えれば、それぞれの複合タイプには『限定された視野』が発生しているのです。

 

(1)問題解決コーチング

問題解決を推し進めるリーダーなら、チームがどのタイプに陥っているのかを見極めて、適切なアドバイスをしてください。そのアドバイスが限定された視野を広げ、偏った問題解決から脱出することを促せます。アドバイスは、下記のように質問型式で行うと良いでしょう。

 

【主体行動型と目的志向型】へのコーチング

  もう少し、分析を進めながら細かい要因に分けてみるといいですよ。

 

【主体行動型ー問題回避型】へのコーチング

   問題解決に伴うリスクも大切だけど、本来の目的はなんでしたか?

 

【目的思考型ー反映分析型】へのコーチング

  分析は十分にできています。先にすすめませんか? 

 

【反映分析型-問題回避型】へのコーチング

  本来の目的はなにか再確認してみませんか?

 

(2)本来の目的はなにか再確認してみませんか?

視野や視点の流れを変える。問題が発生した場合、同じ視野・視点でモノゴトを捉えると、いままでと同じ結果しか生まれません。ちょっとしたリーダーからのコーチングが、大きな視野・視点の変化を生みだし、いままでと違う結果を導けることでしょう。

 

次回に続きます。

◆関連解説『行動科学とは』

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この記事の著者

坂田 和則

現場を見る目が違うからリピート率90%超え。 等身大の言葉で語るから現場ウケしてます。 問題/課題解決モチベーションに火を付けるのなら!

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